青ヒスイ(入りコン沢産)の原石の状態と、勾玉になった時の色の比較デス。
微細な凸凹が平滑になると彩度があがり、模様も浮かび上がってくるのだが、天然物はヒトを介して生まれかわる。松尾芭蕉の云うところの「造化」というヤツだ。
ヒスイ加工は造形や研磨より以前に、原石カットの観察が肝で、この精度の良し悪しで作品の出来栄えは決まるといっても過言ではない。わたしが避けるべき石目や不純物を読み、自信をもって原石カットができるようになるまでに5年はかかった。
上の写真の原石からプレートにした状態。右の原石は割れそうな石目を曲芸的なカットをして二枚にした。石目が目視できるように傷取り研磨してある。
この技術を身につけたからこそ、ここ数年来は販売店さんから高額な希少原石を託されて、勾玉つくりを頼まれるようになった。
「この原石をお金にできるのはあんただけだわ」と、プロが手を出さないような小さな端材からの勾玉つくりも頼まれるが、この写真がそれだ。
二枚目の写真の右端でつくった勾玉がこれ。別物でしょ?
超小型の勾玉が、どれだけ小さい端材からつくられているのかを、お客さんに見せては驚かせるのが楽しみのひとつ。そんな時に声を低くして「プロですからっ」とウケをとるのだw
ヒスイ加工をしてみたい初心者は、最初にプレート状に加工された原石を買う人が多いようだが、プロを目指すなら原石の塊りから無駄なくプレートつくりできる技術は必須。
最低で原石取りとヒモ孔あけは5年やって中級者だし、造形と研磨は10年でやっと中級者なのだと実感している。初心者のころから紐孔の内部も研磨していたが、このところもっと精度がよくなる新発見があった。ヒモ孔だけでも奥深い。
勾玉つくりなんて簡単!なんて言わせないぞw
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