旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

芝東照宮

2022年04月04日 | 旅 歴史

 東京都港区芝公園に芝東照宮(しばとうしょうぐう)があります。
 芝東照宮は、日光東照宮、久能山東照宮、上野東照宮と並ぶ4大東照宮の1つとされています。祭神は徳川家康で、神体は徳川家康寿像です。この像は家康が慶長6年(1601)の還暦の時に自らの像を刻んだものと言い伝えられています。
 芝東照宮は、増上寺境内に勧請されました。増上寺は、天正18年(1590)、家康の江戸入府の時に徳川家の菩提寺に定められ、慶長3年(1598)、江戸城拡張工事の際、日比谷から現在地に移りました。以後、関東の浄土宗寺院の総本山となり、実質的に同宗第一の実力を誇りました。
 芝東照宮はこの時は「安国殿」と呼ばれていました。寛永10年(1633)、3代将軍家光により新社殿が造営され、旧社殿は開山堂となり、寛永18年(1641)には移転改築がなされ、惣門、拝殿、唐門、透塀が造営された豪華な社殿になりました。

 明治初期の神仏分離令により、安国殿は増上寺から切り離されて、芝東照宮となり、本殿は大正4年(1915)には旧国宝に指定されました。しかし昭和20年(1945)5月25日の東京大空襲で「寿像」と神木のイチョウを残し、灰燼に帰しました。
 昭和38年(1963)に寿像が東京都の重要文化財に指定され、昭和44年(1969)8月に、復興奉賛会により現在の社殿が再建されています。

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