長野県諏訪郡下諏訪町東町中に慈雲寺(じうんじ)があります。
白華山慈雲寺は臨済宗妙心寺派の古刹です。正安2年(1300)、建長寺や円覚寺の住職を歴任したことで有名な一山一寧禅師という宋の僧が開山したと伝えられています。信州禅宗寺院の触頭という格式が与えられていました。触頭とは諸願いの取次ぎなどを行うリーダー的なお寺です。
慈雲寺は鎌倉五山、京都五山の住職を歴任する高僧の住職が続き、五山に並ぶ寺格を持つといわれ、繁栄しました。戦国時代は武田信玄に庇護されました。慈雲寺中興の祖といわれる天桂和尚は特に尊敬されました。
高島藩2代藩主・諏訪忠恒(ただつね)に請われ、寛永17年(1640)、慈雲寺の泰嶺和尚は招聘され、諏訪家の菩提寺・温泉寺の開基となっています。慈雲寺には長野県宝の梵鐘をはじめ、町指定有形文化財の本堂、山門、阿弥陀如来立像、日根野高吉供養塔があり、天桂松は町の天然記念物に指定されています。
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