オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

2015年 北海道の旅8/11 ライダーハウス『サガレン』二日目の朝 雨で連泊する軟弱ライダーは真のライダー?

2015-09-03 02:27:07 | 純白の貴公子が行く、2015年北海道の旅 
少し間が空きましたが2015年の北海道の旅の続きを書きます。

8月11日 朝6時

とら母と友和子はまだ眠っている。
昔は朝早くに起きるなんて絶対無理だったのに、いつからか6時に目が覚めるようになってしまった。
健康的になったというのではなく、歳くったせいだと分かるから悲しい。

時々このブログにも出てくる『じじぃ』もここで同じ時間を過ごしたライダーの一人。彼は昔から朝が早い。
まさに健康な人って感じで羨ましかった。
だからあだ名が『じじぃ』ってなっわけではなく、旅の最中、『風呂に入らないの?』って聞かれて
『昨日入ったからだ今日は体拭くだけでいいや』とか『あまり汗かいてないから今日は入らなくてもいいかな』なんて
二十代なのに年寄り風だったから(お年寄りの皆さんゴメンなさい)そう呼んだ。

誰一人違和感なくそう呼ぶようになり、今では実年齢があだ名に追いつきつつある。

健康だけどあんまり健全ではないのかもしれない。









昨夜話をした福岡男児(博多男児)こと『とくやん』さん夫妻が旅立ったあと、3人組のライダーも出て行った。


仲間でツーリングをしているライダーを見る度に思うことがある。

結婚するまで一人で北海道を旅していた。


日数が多くなりがちな北海道ツーリングでは仲間内で意見が合わなくなることもあるし、途中で別行動になったという話を聞いたことがある。
気の合って一緒に行動するのも珍しくなくて、そういった意味では北海道は一人旅が良いと思った。

反面一人で観光地を回っても寂しいし、陽が傾き始めた辺りからその日の寝床の事が気になりだして、だんだん心細くなる。
ライダーがいっぱい居た時は一人旅もよかったけど、これだけライダーが減ると仲間と来た方が楽しいのかなって、そんなことを考えた。








寅次郎とノシャップ岬まで散歩に出かけた。
天気はやっぱり良くない。








メニューに“うどん”とかあるにもかかわらず、昔は『お客さんはライダーさん? ライダーさんはコレね』。
そう言って他のメニューを選ぶ隙を与えず、高いメニューしか食べさせてくれなかった“曰く付き”の食堂だったお店。
店を切り盛りしていた名物ばあさんが亡くなって普通の店になったらしい。
今では、『その頃に食べておいた方が良かったのに』みたいなことまで言う人がいる。
ある意味、北海道全盛期の良くも悪くも個性的な事の一つだったのかもしれない。


周りは一度行った方がいいと言うけれど、値段が普通に高いのでやっぱり気軽には行けない。








少し先にペンションがある。
昔、“GL先生”が奥さんと子供を連れてレンタカーでここに来たとき、奥さんと娘さんはここに泊まり自分はサガレンで
みんなと一緒に雑魚寝した。

家族がいると北海道ツーリングもままならない。
家族との調和を図って何とかして北海道に来る。そんなライダーも昔はいたけど、今はあまり出会ったことがない。

今年よく見かけたのが軽ワゴン車で一人長期間旅するお年寄り達。すごい人がいたのでまたあとでその話をしたいと思います。


バイクが何台か止まっていた。
昔ならペンションにライダーが泊まるなんて考えられなかった。








少し歩くとノシャップ岬のすぐ手前にノシャップ岬寒流博物館と稚内青少年科学館がある。







地味な施設であまり人が入っている姿を見たことが無い。
ライダーは存在自体気付いてないかもしれない。
たしか稚内の小学生とかが見学に来るとか言っていた記憶がある。

科学館の方には南極越冬隊の資料があった記憶があって、寒流水族館はナマズがいて何かに反応して電気を起こしてランプが
チカチカしたのを覚えている。
それと生きたウニの水槽が手の届くところにあって、時々盗まれるので補充していると言うのを聞いたととがある。








まだ人影も無いノシャップ岬。

初めて来た時はまだここは海だった。










それまでのノシャップ岬は寒流水族館の裏手辺りで(寅次郎が写っている所から50mほど奥)、何もない道路の端っこにノシャップ岬の
碑が立ってただけだった。
そんな所だったけどみんな碑の前にバイクを置いて記念撮影したりして、お宗谷岬とは違う北の果ての岬を味わった。









その碑がそのまま引っこ抜かれ、今はここにある。

引っこ抜いて元の場所に戻そうかと思ったこともあった。








岬も整備され観光バスも来るようになった。
一時は賑わったけど今では訪れる人も減り、記念撮影をしてトイレに寄ったら足早に去っていく。

土産物屋さんにしたら死活問題かもしれないけど、整備したのが悔やまれる。

どこもそうだけど整備されて良くなっと思えた事が少ない。
そんなのは旅行者の勝手な言い分なのかもしれないけど、ここは昔のままが良かったとやっばり思う。


こんな話は四年前に来た時のブログにも書いた気がする。
同じ話ばかりしたり、こんな湿っぽい話するのが一番歳食った証拠かもしれない。



サガレンに戻ると最後のライダーが出発するところだった。
ここの良いところは夜の間、バイクをこの農機具小屋に置かせてもらえること。

寅次郎はいつもここの隅っこで寝させてもらっている。








家に居るときの寅次郎はいつもの私達が居ないところを選んで寝ている。
誰かが近ずくと申し訳なさそうな顔をしてまた人の居ないところに消えていく。

一人(一匹)が好きなのかと思ったりするけど、私達が出掛けようとしたり、旅先で一緒に居れなさそうなことを感じ取ると
途端に哀しそうな目で見てくる。

家族がそばに居るという安心感があっての、そんな振る舞なのかもしれない。




夕べも一人(一匹)で寝さされ、時折見知らぬライダー達が入ってきて寅次郎も落ち着かない。
ちょっとかわいそうになったので車に乗せて、隣でしばらくブログを書くことにした。

農機具小屋よりも落ち着くのか丸まってすぐに眠りについた。







しばらくブログを書いたあと部屋に戻ってみた。
とら母も友和子も起きていた。

いっつも出発は最後の方。
誰も居ないのライダーハウスは置いてけぼりくらったみたいで何故か寂しい気持ちになる。

ひっそりした部屋で自分達だけで朝ご飯を食べた。







ここを知っている人のために、ちょっと懐かしく思えるように写真を撮ってみた。










訪れたライダーが送ってきた写真が飾られている。
お盆とか関係無しにいつもライダーで賑わっていた。

『祭り』の法被(はっぴ)を着たのも勿論ライダー。
人と違うこと、人より目立つことが北海道でヒーローになれる方法みたいなところがあった。
普段はヒーローになれないヤツでも北海道では、みんな一人一人が自分の旅のヒーロー、そんな風に思えた時代の一コマ。









夜は農機具小屋でジンギスカンの宴会。









少し晴れ間が見えてきた。

オロロンラインから上がってきたライダーはこの交差点を曲がってノシャップ岬に向かう。

この窓から行き交うライダーを眺めたりした。





雨の日、出発するライダーと、そそくさと連泊を決める“軟弱”ライダーに別れた。

合羽を着込んで先を急ぐライダーを見て、連泊するライダーに向かって『本物のライダーは雨でも走ってる。それに引き換え雨で
連泊とは何て軟弱者か』と、激を飛ばすライダーも連泊者だったりした。


夜9時や10時になってもノシャップ岬を目指してバイクが走っていくことは珍しくなかった。

本物のライダーはそんなことに気づきもせず、明日の走るルートを語り合っている。

軟弱ライダーはビール片手に『え~この時間でもまだ走ってる~。大変やなあ。こんな時間からどこ泊まるんやろ~。俺は無理やわ~』
なんて、まさに軟弱な言葉を発していた。



でも今になって思うと、そんなすぐに連泊を決めるライダーほど、今でも北海道に来ている気がする。






なかなか乾燥しない乾燥機もここでは有名な事の一つ。








階段を上がったところの廊下。

部屋がライダーであふれかえった時はここで何人も寝たりした。
みんな寝袋だっだから蓑虫(みのむし)の集団みたいだった。









ここでいろんな話をした。

武田鉄矢主演の『刑事物語』のエンディング曲が好きと言ったら“じじい”がこのギターで吉田拓郎の『唇をかみしめて』を
弾き語りしてくれた。
うれしかった。





刑事物語2 りんごの詩 (1983) - 劇場予告編




唇をかみしめて/吉田拓郎









とら母(嫁)とここで出会った。









そんな場所だったので友和子も連れてきた。








思い出がいっぱい詰まった場所。








寅次郎を見に行く。
助手席が寅次郎の席だけど、居なくなると決まって私が座る運転席側で寝ている。
犬は飼い主の匂いがすると安心するというけれど、本当な気がする。






寅次郎も移動が多くて落ち着かなくて疲れているように思える。
今日の出発はどうしようか・・・



ではまた