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欲を張ると得るもの少なく、逆に無欲でいると多くの恩恵を受けられるのが世の中の条理というものです。温泉にもこれに該当する例がままあり、例えば青森県黒石市の100円温泉は元々従業員のために非営利目的で温泉が掘削されたのですが、そのお湯の良さが世間に伝わり、今では地元の人をはじめ全国各地から温泉ファンが集まる隠れた名湯になっています。青森県から遠く離れた熊本県菊池市にもこれと同じような経歴を持つ温泉があります。
成型されたばかりの擁壁資材やマンホール側塊・ケーソン類などコンクリート製品が並ぶ工場の敷地の端っこにその浴場はあります。今から15年ほど前に不二コンクリート工業の社長が温泉を掘削して見事掘り当て、従業員の福利厚生を目的として温泉浴場を建設したのですが、そのお湯の良さがご近所で評判となり、従業員のみならず一般にも開放されることになりました。以前はプレハブの湯屋でしたが2007年には立派な建物に建て替えられたので、今ではきれいで清潔で使い勝手がよく、しかも料金は100円という低価格設定のまま。なんとも有り難い温泉なのです。
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左:敷地にはコンクリート成型物が並んでいます
右:源泉施設と思われるもの
施設は常時無人で、料金つまり100円玉をゲートに投入し回転式のバーを回して中に入る仕組みになっています。内部はごく普通の公衆浴場といった感じの造りで、新しく建て替えられただけあり内部は明るく清潔さが感じられています。浴槽は左右二つに分かれており、男湯の場合は左側に湯口があって、お湯は左槽から右槽へと流れ、右槽でオーバーフローしています。カランは5ヶ所あり、カランから出てくるお湯も源泉です。
浴槽に注がれるお湯は無色透明で、弱い塩味と微かな金気が感じられ、匂いはあまりありません。赤い湯の華が沢山浮遊しています。お湯に浸かっていると泡付きが見られ、特に湯口側の浴槽ではびっしりと付着し、このお湯がいかに新鮮かを実証してくれます。また主成分が重曹であるためにつるすべ感があり、湯上りは爽快感が得られ、且つ食塩の保温効果により湯冷めもしにくいという、贅沢な浴感のお湯です。源泉温度40.8℃のお湯をそのまま掛け流しているので、湯温はややぬるく、特に左槽の下流に当たる右槽はかなりぬるめです。冬に訪れたことは無いので何とも言えませんが、夏の暑い時期ですとみなさん右槽に入りじっくりと長湯していらっしゃいました。お湯は確かにぬるいのですが、長湯と食塩、そして炭酸成分によって温浴効果が得られるはずです。お湯から上がって自分の肌をさすると、すべすべして実に気持ちがよいので、女性にもおすすめ。こんなお風呂が100円で入れるなんて信じられません。社長さんに感謝です。
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画像中央の狭い通路が入場ゲート。その奥で男女に分かれています。ゲート左右の扉は開けられません
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左:浴槽の様子
右:湯口付近
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
40.8℃ 200L/min
熊本県菊池市泗水町田島2444 地図
0968-38-3131(熊本不二コンクリート工業)
ホームページ
5:00~7:50、10:00~22:30(7:50~10:00は清掃のため入場不可)
100円
私の好み:★★★