温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

小浜温泉 浜の湯

2009年12月23日 | 長崎県


小浜温泉は島原半島を代表する観光地の一つです。観光協会によればこの温泉から放出される熱量は日本一なんだそうで、橘湾に面して細長く続く街のあちらこちらから湯煙が立ち上る様は、この地独特の景観です。緑の山を背景にして海沿いに旅館群が櫛比する光景は静岡県の熱海を彷彿とさせます。

何軒か外湯のひとつ「浜の湯」は温泉街の北のはずれに位置しており、斜め前は雲仙市役所の支所で、名前の通り国道57号線を挟んで海岸に面しています。駐車場は役場隣に専用スペースがあります。公営の施設らしく飾りっ気は皆無で実用一辺倒の建物、内部はごく普通の共同浴場です。浴室は広く、カランは海側(窓際)に10ヶ所並んでいます。海に面して建てられているものの、窓の位置や国道・防波堤の関係で、海はあまり望めません。

浴槽は文字通りに熱い「あつめの湯」と一般的な湯温の「ぬるめの湯」の二つに分かれています。源泉温度が非常に熱いため、いずれも加水されているものと思われますが、それでも「あつめ」の湯口から注がれるお湯は激熱です。お湯は無色透明ですが「ぬるめ」槽はほんの僅かに白く貝汁のような濁りが見られ、一方「あつめ」は澄明ですが成分の影響か浴槽タイルの目地が若干黒ずんでいます。湯口に飲泉用の竹柄杓が置いてあるので、これでお湯を口にしてみると、ほんのりニガリの味を含んだ優しい塩味で、海岸沿いの温泉ですが海水のようなしょっぱさは感じられません。匂いも特に感じられませんでした。しかしお湯の濃さは相当なもので、長くお湯に浸かっていると体力が奪われるので長湯できません。ぬるめの浴槽も湯温の割には皆さん早めに上がってゆきます。

小浜温泉は多少は海水の影響もあるのでしょうが、本質的には火山性食塩泉で、橘湾の下にあるマグマ溜まりから小浜断層に沿って上がってきたマグマ発散物によって温泉が湧いているものと考えられています。同じマグマ溜まりから分岐している温泉としては硫黄泉の雲仙温泉や重炭酸土類泉の島原温泉が挙げられ、マグマ溜まりに最も近い小浜温泉が最も高温で、そこから離れるに従い温度も低下してゆきます。

ナトリウムの作用により入浴中はツルスベ感がありますが、食塩泉なので湯上りは体が火照って汗が引かず、このお湯が持つパワーを実感します。外来入浴者は150円ですが雲仙市民なら50円で入浴できるので、いつも賑わうこの浴場。近くへ来た際に立ち寄ってみるものいいかもしれません。


ふたつの浴槽


湯煙たなびく小浜の温泉街


ナトリウム-塩化物泉
99℃ 成分総計9265.9mg/kg

長崎県雲仙市小浜町北本町25-19 地図

6:00~21:00 第1・第3水曜定休
150円
ロッカーあり(100円リターン式)

私の好み:★★
コメント
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