温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

八甲田温泉 ぬぐだまりの里(旧遊仙) その2「らむね湯」再訪

2014年08月13日 | 青森県
前回に引き続き八甲田温泉「ぬぐだまりの里」のお風呂を取り上げてまいります。「ぬぐだまりの里」には前回紹介した今年開業したばかりの「龍神の湯」と、今回記事の主役である「らむね湯」という2つのお風呂が、それぞれ独立した湯屋となっており、私は既に「らむね湯」を「ぬぐだまりの里」の営業再開後まもない一昨年(2012年)5月に訪れておりまして、その際のことも当ブログにて取り上げております(その記事はこちら)。あれから2年経っていますが、何かしらの変化は見られるのでしょうか。


 
湯屋の外観は以前のまま。余計なことを申し上げれば、湯屋までのアプローチがいまだ鉄板敷きなことも以前のままでした。これまでは「龍神の湯」オープンに全力が注がれたのでしょうから、これからは各棟への連絡通路なども少しずつ整備されてゆくことかと思いますので、今後に期待しましょう。脱衣室の様子も以前と同様で、強いて言えば室内の衝立が撤去されたくらいです。


 
浴室の戸を開けてビックリ。あれれ? ここって本当に2年前と同じ浴室? 奥の方に板の間の床が増設されて、室内面積がかなり拡大し、しかもその拡大された2方向に大きな窓が設けられているではありませんか。比較のため2012年5月に記録した浴室の画像(赤枠で囲った画像)を並べてみましたが、その違いは一目瞭然。とても同じ浴室だとは思えません。以前は木造のシンプルな湯屋でしたが、現在では木のぬくもりと同時に開放感も得られる素敵な浴室へと変貌していました。それもそのはず、どうやら男女を2つの浴室で日替わりにしているらしく、私が2012年に入ったのは開放的ではない手前側の浴室、そして今回入った奥の浴室は2方向に対して開放的な造りになっているようです。


 
しかも私が訪問した時には窓が雨戸のように戸袋へ完全収納されており、ほとんど露天風呂と同じ吹きさらしの状態になっていました。気候に応じて窓を開閉するのでしょうね。しかも窓の外には人工物が一切なく、八甲田の大自然がただただ広がるばかりで、窓際に立って景色を眺めていると、小さな湯小屋の中にいるとは信じられないほど雄大な気分になれました。更には、日帰り入浴のお客さんは殆ど「龍神の湯」へ行ってしまうので、この静かで爽快な空間は空いている場合が多いのも嬉しいところであり、この時は私がほぼ独占していました。


 
2.5m×3mサイズの浴槽は、槽内がタイル貼りで縁には石材を使用。湯口からふんだんにお湯が投入されています。無論完全掛け流し。見た目はほぼ無色透明で、口に含むとレモン汁のような収斂酸味と炭酸味が感じられました。この日の温度は37.3℃という不感温度帯に近い湯加減であり、体への負担が少なく、じっくり長湯できちゃいます。


 
湯船に浸かると忽ち全身が炭酸の泡だらけになるのが、このお湯の素晴らしい特徴。2年前に入浴した時もその激しい泡付きに興奮しましたが、今回も泡に包まれた自分に思わず気分が高揚し、ついつい指先で「アワ」や「八甲田」なんて字を描いてしまいました。肌を拭えども拭えども、いくらでも気泡が付着してくれるので、何度でも書き直せちゃいます。



八甲田の山々を仰ぎ見る全開の窓からは、澄み切った清らかな山の微風が湯船の上へ流れ込んでくるのみならず、周辺の森で絶えず囀る小鳥たちの美声も聞こえてきました。しかもアワアワのぬる湯に浸かっていると、あまりの気持ち良さに時間を忘れてしまい、「龍神の湯」につづいてこちらでも微睡みの世界へ引きずりこまれそうになってしまいました。夏に訪れてこのお風呂に一度でも入ると、あまりの爽快さに後を引き、湯船から出られなくなってしまうこと間違いなしです。炭酸湯ならではの温浴効果もさることながら、温泉がもたらす健康への影響でかなりの部分を占める転地効果という意味でも、このお風呂は相当の実力を有しています。雰囲気に圧倒される「龍神の湯」も、コンパクトながら実力派の「らむね湯」も、どちらも甲乙つけがたい素晴らしいお風呂でした。


青森県青森市駒込深沢766-2  地図
017-738-8288
ホームページ

日帰り入浴10:00~17:00
大浴場600円・らむね館800円・大浴場+らむね館1000円
「龍神の湯」にはロッカー・シャンプー類・ドライヤーの備え付けあり
「らむね湯」には備品類なし

私の好み:★★★
コメント (8)
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