前編からの続きです。
朝食は朝7時から10時まで。ごく一般的なバッフェ式です。品数も味もまずまず。こちらのレストランは、日本のホテルで言うところの宴会場みたいな広さを擁しているのですが、シーズンオフでお客さんが多くないためかガランとしており、せっかくのキャパを持て余しているようでした。
●朝10時の温泉大浴場
この日はお昼すぎにデニズリ駅を発つトルコ国鉄のローカル列車に乗るつもりでしたので、ホテルを11時頃にチェックアウトしてデニズリ行のバスに乗れば、デニズリでランチを食べても、余裕で列車に間に合います。そこでチェックアウトまでの間、大浴場で過ごすことにしました。
昨夜8時に利用した際には、営業時間内にもかかわらずお湯が抜かれて清掃作業が行われようとしていましたが、さすがに朝はなみなみとお湯が張られていましたから、心置きなく湯浴みがそうです。ガラスのドーム天井からは陽光が燦々と降り注ぎ、開いている箇所からは朝の冴えた空気も入り込んでいましたから、浴場内はとても明るくて清々しい環境でした。
浴場内には主浴槽の他、ぬるめの真湯ジャグジーが2つ、そして子供用の浅い温泉槽が1つ設けられています。後述するように主浴槽は意外と熱いので、熱めがお風呂苦手な方や、深いプールだと落ち着けない方は、こちらを利用するのも良いかも。
主浴槽は深さ1.3m程あり、濁って底の様子が目指できないので、手摺を握りながらステップで慎重に入ってゆきます。浴槽のお湯はエメラルドグリーンにクリームを溶かしたような色を呈して強く濁っており、ステップ表面などの槽内はベージュや赤茶色を帯びた石灰によって分厚くコーティングされていました。
温泉に含まれる炭酸カルシウムがミルフィーユのように少しずつ幾重にも層をなしながら、長年にわたって付着することにより、山のように大きくコンモリと盛り上がってしまったお湯の投入口。前編でも述べましたが、両側に立っている石膏像は、石灰華の肥大化に伴い、すっかり山に呑み込まれてしまっています。何度見ても圧巻だ…。
ところで、この浴場へ入室した時から、室内にはいわゆる塩素消毒の臭いが漂っており、当初は昨夜の清掃時に使った薬品の臭いが残っているのかと推測していたのですが、湯口を見たら何とカルキのタブレットがむき出しで置かれているではありませんか。道理で臭いはずです。
トラバーチンの表面には細かな鱗状の模様が形成されています。ご近所のパムッカレと同様に炭酸と石灰を多く含む温泉であるため、このような石灰華の盛り上がりが出来上がるわけですが、こちらのお湯は金気が多いために、赤茶けた色に染まるのでしょう。投入口に温度計を突っ込んだところ、49.8℃と表示されました。結構熱いでしょ。このお湯が加水無しで浴槽へ注がれているんです。
誰もいない朝の大浴場で入浴中の私。昨晩の清掃によってお湯が完全に張り替えられたため、お湯のコンディションは昨晩より向上しており、底に沈殿していた泥もきれいに浚渫されていました。湯船の温度は43.0℃でして、諸外国の皆さんにとっては結構熱めではないかと思われますが、純然たる日本人である私には丁度良く、塩素臭こそ残念でしたが、気持ち良く湯浴みさせていただきました。
お湯からは金気と土類感が伝わり、炭酸味もしっかり感じられます。わかりやすい重炭酸土類泉系のお湯です。この手のお湯は得てしてパワフルな温まりがあるのですが、こちらもやはり力強く温まり、43℃という温度も相俟って、気持ち良いのにすぐに逆上せてしまって長湯ができません。幸いプールサイドにはデッキチェアがたくさん並んでいますから、逆上せる度にデッキチェアで寝っ転がってクールダウンし、プールとの間を何度も行き来してしまいました。実力派のお湯です。なお消毒こそ行われていますが、加温加水循環は確認できませんでした。放流式の湯使いとなっているようです。
(上画像クリックで拡大)
浴場内には温泉分析表が掲示されており、その左側には、湯面に浮かんでいる白いものは湯の華ですよ、という旨の説明も付されていました。こうした説明書きは日本の温泉施設でもしばしば見られますが、お湯に浮かぶ湯の華をゴミや不純物と誤解する人は、世界中どこにでもいるのでしょう。
なおこの温泉分析表の内容を分かる範囲で抄出しますと、以下のようになりました。日本の温泉法に即した泉質名ですと、カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉といった感じでしょうか。1994年の分析ですので、ちょっと古いのですが、おそらく現在でも大差ないものと思われますので、ご参考まで。
デニズリからカラハユット行ミニバスに乗車し、カラハユットのロータリーで下車、徒歩2分弱
Fatih Mahallesi Belediye Caddesi 118 Sok No12 Karahayit Pamukkale
GPS座標:N37.959967, E29.106773,
ホームページ(英語版)
大浴場(Thermal Pool)7:00~22:30
日帰り入浴可能(料金は調査し忘れ)
私の好み:★★
朝食は朝7時から10時まで。ごく一般的なバッフェ式です。品数も味もまずまず。こちらのレストランは、日本のホテルで言うところの宴会場みたいな広さを擁しているのですが、シーズンオフでお客さんが多くないためかガランとしており、せっかくのキャパを持て余しているようでした。
●朝10時の温泉大浴場
この日はお昼すぎにデニズリ駅を発つトルコ国鉄のローカル列車に乗るつもりでしたので、ホテルを11時頃にチェックアウトしてデニズリ行のバスに乗れば、デニズリでランチを食べても、余裕で列車に間に合います。そこでチェックアウトまでの間、大浴場で過ごすことにしました。
昨夜8時に利用した際には、営業時間内にもかかわらずお湯が抜かれて清掃作業が行われようとしていましたが、さすがに朝はなみなみとお湯が張られていましたから、心置きなく湯浴みがそうです。ガラスのドーム天井からは陽光が燦々と降り注ぎ、開いている箇所からは朝の冴えた空気も入り込んでいましたから、浴場内はとても明るくて清々しい環境でした。
浴場内には主浴槽の他、ぬるめの真湯ジャグジーが2つ、そして子供用の浅い温泉槽が1つ設けられています。後述するように主浴槽は意外と熱いので、熱めがお風呂苦手な方や、深いプールだと落ち着けない方は、こちらを利用するのも良いかも。
主浴槽は深さ1.3m程あり、濁って底の様子が目指できないので、手摺を握りながらステップで慎重に入ってゆきます。浴槽のお湯はエメラルドグリーンにクリームを溶かしたような色を呈して強く濁っており、ステップ表面などの槽内はベージュや赤茶色を帯びた石灰によって分厚くコーティングされていました。
温泉に含まれる炭酸カルシウムがミルフィーユのように少しずつ幾重にも層をなしながら、長年にわたって付着することにより、山のように大きくコンモリと盛り上がってしまったお湯の投入口。前編でも述べましたが、両側に立っている石膏像は、石灰華の肥大化に伴い、すっかり山に呑み込まれてしまっています。何度見ても圧巻だ…。
ところで、この浴場へ入室した時から、室内にはいわゆる塩素消毒の臭いが漂っており、当初は昨夜の清掃時に使った薬品の臭いが残っているのかと推測していたのですが、湯口を見たら何とカルキのタブレットがむき出しで置かれているではありませんか。道理で臭いはずです。
トラバーチンの表面には細かな鱗状の模様が形成されています。ご近所のパムッカレと同様に炭酸と石灰を多く含む温泉であるため、このような石灰華の盛り上がりが出来上がるわけですが、こちらのお湯は金気が多いために、赤茶けた色に染まるのでしょう。投入口に温度計を突っ込んだところ、49.8℃と表示されました。結構熱いでしょ。このお湯が加水無しで浴槽へ注がれているんです。
誰もいない朝の大浴場で入浴中の私。昨晩の清掃によってお湯が完全に張り替えられたため、お湯のコンディションは昨晩より向上しており、底に沈殿していた泥もきれいに浚渫されていました。湯船の温度は43.0℃でして、諸外国の皆さんにとっては結構熱めではないかと思われますが、純然たる日本人である私には丁度良く、塩素臭こそ残念でしたが、気持ち良く湯浴みさせていただきました。
お湯からは金気と土類感が伝わり、炭酸味もしっかり感じられます。わかりやすい重炭酸土類泉系のお湯です。この手のお湯は得てしてパワフルな温まりがあるのですが、こちらもやはり力強く温まり、43℃という温度も相俟って、気持ち良いのにすぐに逆上せてしまって長湯ができません。幸いプールサイドにはデッキチェアがたくさん並んでいますから、逆上せる度にデッキチェアで寝っ転がってクールダウンし、プールとの間を何度も行き来してしまいました。実力派のお湯です。なお消毒こそ行われていますが、加温加水循環は確認できませんでした。放流式の湯使いとなっているようです。
(上画像クリックで拡大)
浴場内には温泉分析表が掲示されており、その左側には、湯面に浮かんでいる白いものは湯の華ですよ、という旨の説明も付されていました。こうした説明書きは日本の温泉施設でもしばしば見られますが、お湯に浮かぶ湯の華をゴミや不純物と誤解する人は、世界中どこにでもいるのでしょう。
なおこの温泉分析表の内容を分かる範囲で抄出しますと、以下のようになりました。日本の温泉法に即した泉質名ですと、カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉といった感じでしょうか。1994年の分析ですので、ちょっと古いのですが、おそらく現在でも大差ないものと思われますので、ご参考まで。
pH6.46, Na+:12.995mg, Ca++:521.040mg, Mg++:133.716mg, Cl-:31.240mg, SO4--:774.740mg, HCO3-:1256.600mg, H2SiO3:46.800mg,
デニズリからカラハユット行ミニバスに乗車し、カラハユットのロータリーで下車、徒歩2分弱
Fatih Mahallesi Belediye Caddesi 118 Sok No12 Karahayit Pamukkale
GPS座標:N37.959967, E29.106773,
ホームページ(英語版)
大浴場(Thermal Pool)7:00~22:30
日帰り入浴可能(料金は調査し忘れ)
私の好み:★★