温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ブルサ・チェキルゲ温泉 ティアラ・サーマル・ホテル

2015年01月28日 | トルコ

ブルサでの宿泊は、温泉街チェキルゲの「ティアラ・サーマル・ホテル(Tiara Termal Hotel)」でお世話になりました。館内に温泉プールやフィットネスなどを擁するシティーホテルです。路線バスやドルムシュ(※)が行き交うチェキルゲ中心部のロータリーの目の前にあり、当地のランドマークである「エスキ・カプルジャ」と通りを挟んで向かいあっています。また周囲には商店や飲食店も並んでいるので、チェキルゲで温泉めぐりをするならとても便利な立地です。ドルムシュを使えば、ブルサ中心部へのアクセスも楽チン。
(※)行先が決まっている乗り合いタクシー。次回記事で具体的に触れます。


●客室
 
客室はいくつかのグレードに分かれているようですが、爪に火を灯す毎日を送っている私は、無い袖を振ることはできませんので、最もリーズナブルなスタンダードルームを選びました。某大手宿泊予約サイトを通じて手配しております。日本のビジネスホテル並みのお値段ですから、てっきり狭い部屋を想像していたのですが、ベルボーイが案内してくれた3階の部屋は予想を上回る広さがあり、大きなダブルベッドが置かれ、オフホワイトのファブリックと木目の調度品が、シックで落ち着いた空間を生み出していました。もちろんポットやミニバーなどの備え付けもあり、セーフティボックスも完備。Wifiもちゃんと飛んでいます。



チェキルゲ地区はブルサから西へ約4km離れた近郊の住宅地兼温泉街で、山裾の斜面に市街地が広がっており、ブルサ中心部からは結構な高低差があるため、この地区の見晴らしが良い場所からは、ブルサの市街や北側に広がる低地を眺望できます。私が泊まった部屋はちょうど見晴らしの利く北側に面していたため、窓のすぐ前に「エスキ・カプルジャ」のドームが、そしてその向こう側に広がるブルサの街を一望することができました。朝起きてカーテンを開け、眩しい陽光を浴びながらこの景色を眺めた時は、とっても爽快な気分に満たされました。


 
スタンダードルームで残念な点は、バスタブが無くシャワーのみであること。温泉街のホテルなので、各部屋にバスタブが備え付けられているだろうと安直に思い込んでしまったのですが、部屋にバスタブがあるのはスタンダードルームの倍の料金を要するグレードなんだそうでして、しかもそのバスタブに温泉が引かれているかどうかも良くわかりません。なおシャワーから出てくるお湯は、ボイラーで沸かしたごく普通のお湯でした。
バスルームのアメニティは充実しており、全てにホテルのロゴがプリントされています。タオル類とともにバスローブも用意されていましたので、ホテル地下にある温泉プールへは、部屋で水着に着替えた上、バスローブを羽織って向かいました。


●SPA

ホテルの地下一階は、温泉プールの他、フィットネス・ハマム・マッサージ・サウナなど一連のサービスが揃っているフロアなので、どんなお湯や設備なのか期待していたのですが、当然ながら各サービスには営業時間が設けられており、私が訪れた夜10時にはマッサージやハマムなどの部屋が既に閉じられていました。レセプションのスタッフ曰く、温泉プールならあと30分だけ大丈夫、とのことですので、慌ただしい入浴になってしまいますが、30分間利用させてもらうことに。
もうその時間ですと、ほとんどのお客さんはわざわざプールにやって来ないらしく、実はプールも既に照明が落とされていたのですが、スタッフは小走りで機械室へ向かい、諸々のスイッチを投入してくれたのでした(温泉プールの利用時間は7:00~22:30)


 
コンクリの低い天井を、プールの底から立ち上がっている幾本もの太い柱が支えており、いかにも地下室らしい閉塞感がたっぷりな温泉プール。イスタンブールの地下宮殿を白く塗りたくったようにも見えます。この空間の半分以上を占めているのが、槽内を水色に塗られた上画像のメインプールです。プールサイドにはたくさんのデッキチェアーが並んでいるのですが、利用客は私だけ…。


 
メインプールのお湯は獅子のレリーフから投入されており、湯口の下部には温泉に含まれる石灰が付着したと思しき白い跡が、放物線を描くようにこびりついていました。なお湯口における温度は40.8℃でしたが、槽内では30℃あるかないかといった、かなりぬるい状態でしたので、ここで湯浴みを楽しむことはちょっと難しく、単純にプールとして泳ぐことこそ正しい楽しみ方なのでしょう。
もちろんこの獅子のみならず、お湯は槽内各所からも投入されているはずであり、プールのお湯は縁のグレーチングへ溢水していましたが、そこで集められたお湯はしっかり循環されているものと思われます。



メインプールの奥の方には、赤いLED照明で縁取られた3つのジャグジーと、1つの温浴槽が並んでいます。この時のジャグジーは3つとも空っぽでした。クローズ時間が迫っていたので、既にお湯が抜かれちゃったのか、あるいは利用する度にお湯を張り替えるのか…。



ジャグジーと並んでいるのがこの丸い温泉槽。おおよそ3人サイズといったところでしょう。こちらには無色透明のお湯がしっかり張られ、供給も続けられていました。これでしたら支障なく湯浴みできそうです。


 
温泉を供給する配管は、湯口の部分だけステンレス管が接続されており、しかもその先っちょは平たく潰されていました。その形状は青森県の百沢温泉を思い起こさせます。湯口まわりは白い析出で薄っすらと覆われており、吐出口における温度は40.5℃でした。


 
湯船の温度は37.6℃で、ぬるめの長湯仕様。前回記事で取り上げた「カラ・ムスタファ」の湯船は日本人でも尻込みしそうな熱さでしたが、こちらはいろんな国からお客さんがやってきますから、万人受けするようにこの程度の温度に抑えられているのでしょうね。実際に入ってみたところ、お湯からは弱い石膏臭と甘味を伴う石膏味を感じ取れましたので、単なる真湯ではなくチェキルゲの温泉を引いていることは間違いないようですが、全体としてはかなりアッサリしていて主張が弱く、今ひとつ掴みどころに欠け、湯使いもよくわからないので、何ともコメントのしようがありません。

ここでの温泉はあくまでシティーホテルのプールと同じものとして利用すべきであって、お湯には期待しない方がよさそうです。でもホテルとしてはかなり満足度が高く、スタッフはみなさん愛想良いですし、バッフェ式の朝食も料理数が多くていずれも美味しく、タマゴ焼きなどはその場で調理してくれます。フライパンを握っていたタマゴ焼き担当の女の子がめちゃくちゃ可愛かったなぁ。上述のようにお部屋も値段以上の充実感が得られましたので、総じて見ればコストパフォマンスの高いホテルでした。


GPS座標:N40.202158, E29.022465,


ブルサ市街からチェキルゲ方面行きのドルムシュ(乗り合いタクシー)に乗り、運転手に「ティアラ・ホテル」と告げると、ホテル前のロータリーで車を止めてくれる。もしくは地下鉄ブルサライのSirameseler駅より徒歩17分(1.3km)

Çekirge Meydanı 1. Murat Caddesi No:1 Çekirge BURSA
ホームページ(英語版)

私の好み:(お風呂)★+0.5、(ホテル)★★+0.5
コメント
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