前回記事「糠平温泉 中村屋 前編(内湯)」の続編です。
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内湯に続いて露天風呂も入ってみることに。内湯と露天風呂の間は通路でつながっているものの、ちょっと離れていますから、一旦服を着てからの移動となります。階段上の渡り廊下を歩いて、離れの脱衣小屋へ。
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広くて立派な内湯とは対照的に、露天風呂の脱衣室は、男女別に分かれているもののかなりコンパクトで、棚と籠という必要最低限の設備に留められ、2~3人同時に入室すると窮屈さをおぼえるほどの空間しかありません。小さいとはいえ、お手入れは念入りになされており、気持ち良く利用できました。棚の上に掛かっている編笠は、雨や雪が降っているときに被るのでしょうね。
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木々の緑と清らかな空気に抱かれた爽快な露天風呂。脱衣室は男女で分かれていましたは、お風呂は混浴です。幸運なことに、この時は先客がいらっしゃらず、私一人でしばらく独占させていただきました。浴槽は11~12人は入れそうな容量があり、槽内に岩や石が埋め込まれているのですが、太い自然木をカットしたような木材が縁に用いられており、湯船に入るときの感触だけでなく、見た目にも柔らかで優しい印象を与えてくれます。
旅の汗を流すという実用性がある内湯とは対照的に、開放的な空間でゆっくり過ごすことが目的の露天風呂には、シャワーなどの洗い場がありません。従いまして、予め内湯で汗や汚れをしっかり落としてから利用することをおすすめします。
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木の筒から清らかに澄み切った無色透明のお湯が注がれています。このお湯を眺めているだけでも、心が清浄されてゆきます。内湯は適温でしたが、こちらはちょっと熱め。おそらく加水なしの完全掛け流しかと思われます。露天風呂のお湯からは内湯と同じような感覚が得られるのですが、実際には内湯と別源泉のようであり、分析表に記載された泉質名は「単純温泉」なのですが、溶存物質はなんと0.990g/kg! おおっ、惜しい! 温泉法の定義に従えば、あと0.01gあればナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉を名乗れるのに、ほんの僅かなところで単純泉に甘んじなければいけないわけです。とはいえ、実質的には含重曹食塩泉と同等と捉えて問題無いでしょうし、源泉のコンディションが良ければ、その数値を超えることだってあるでしょう。
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お風呂の前には綺麗に草刈りされた原っぱが広がっており、高原の爽やかな風がこの上から露天風呂へと抜き下りてきます。熱めのお湯で火照った体をこの風でクールダウンさせると、とっても爽快でした。私が訪れた日、下界はまだ残暑が厳しい時季だったのですが、さすがに糠平の地は秋の訪れが早いらしく、まだ8月だというのに沢山のシオカラトンボが露天風呂の上を飛び交っていました。
この露天風呂で素晴らしいアイディアだと感心させられたのが、「星釦」と称するボタンです。名前から想像はつきますが、夜間このボタンを押している間は照明が消え、人工的な光を気にせず満点の星空を仰ぎ眺めることができるんだとか。清らかな温泉に浸かりながら眺める北の星空は最高だろうなぁ…。日帰り入浴の時間帯は混浴ですが、夜の20:30~21:00は女性専用となりますから、女性の方でも安心して星空露天風呂が満喫できますね。
上品で落ち着いた雰囲気も、手造りのぬくもりが伝わる装飾も、清らかに澄み切ったお湯も、そして丁寧に対応してくださるスタッフの方々も、とにかく全てが文句なしに素晴らしいこちらのお宿。今回日帰り入浴で済ませてしまったことを強く後悔しました。ここは絶対に宿泊して、ゆっくり過ごすべきお宿です。お宿では各種ネイチャーツアーも受け付けているようですので、たとえばタウシュベツ橋梁を見学したい場合も、その拠点になりますね。次回訪問時は、何が何でも宿泊するぞ。
露天風呂
単純温泉 49.7℃ pH7.3 湧出量記載なし(自然湧出) 溶存物質0.990g/kg 成分総計1.017g/kg
Na+:238.4mg(79.40mval%), Ca++:38.5mg(14.70mval%),
Cl-:224.8mg(50.52mval%), SO4--:66.5mg(11.00mval%), HCO3-:286.6mg(37.45mval%),
H2SiO3:71.6mg, HBO2:43.7mg, CO2:26.8mg,
JR帯広駅から十勝バスの糠平行で「糠平中央公園前」下車、あるいはJR旭川駅より拓殖バスの都市間バス「ノースライナー」(帯広~旭川・1日1便・三国峠経由)で「ぬかびら源泉郷」下車(「ノースライナー」は乗車および降車できるバス停が便によって異なるので要注意)
北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷 地図
01564-4-2311
ホームページ
日帰り入浴7:30~10:00/14:00~21:00(受付20:30まで)
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
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内湯に続いて露天風呂も入ってみることに。内湯と露天風呂の間は通路でつながっているものの、ちょっと離れていますから、一旦服を着てからの移動となります。階段上の渡り廊下を歩いて、離れの脱衣小屋へ。
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広くて立派な内湯とは対照的に、露天風呂の脱衣室は、男女別に分かれているもののかなりコンパクトで、棚と籠という必要最低限の設備に留められ、2~3人同時に入室すると窮屈さをおぼえるほどの空間しかありません。小さいとはいえ、お手入れは念入りになされており、気持ち良く利用できました。棚の上に掛かっている編笠は、雨や雪が降っているときに被るのでしょうね。
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木々の緑と清らかな空気に抱かれた爽快な露天風呂。脱衣室は男女で分かれていましたは、お風呂は混浴です。幸運なことに、この時は先客がいらっしゃらず、私一人でしばらく独占させていただきました。浴槽は11~12人は入れそうな容量があり、槽内に岩や石が埋め込まれているのですが、太い自然木をカットしたような木材が縁に用いられており、湯船に入るときの感触だけでなく、見た目にも柔らかで優しい印象を与えてくれます。
旅の汗を流すという実用性がある内湯とは対照的に、開放的な空間でゆっくり過ごすことが目的の露天風呂には、シャワーなどの洗い場がありません。従いまして、予め内湯で汗や汚れをしっかり落としてから利用することをおすすめします。
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木の筒から清らかに澄み切った無色透明のお湯が注がれています。このお湯を眺めているだけでも、心が清浄されてゆきます。内湯は適温でしたが、こちらはちょっと熱め。おそらく加水なしの完全掛け流しかと思われます。露天風呂のお湯からは内湯と同じような感覚が得られるのですが、実際には内湯と別源泉のようであり、分析表に記載された泉質名は「単純温泉」なのですが、溶存物質はなんと0.990g/kg! おおっ、惜しい! 温泉法の定義に従えば、あと0.01gあればナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉を名乗れるのに、ほんの僅かなところで単純泉に甘んじなければいけないわけです。とはいえ、実質的には含重曹食塩泉と同等と捉えて問題無いでしょうし、源泉のコンディションが良ければ、その数値を超えることだってあるでしょう。
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お風呂の前には綺麗に草刈りされた原っぱが広がっており、高原の爽やかな風がこの上から露天風呂へと抜き下りてきます。熱めのお湯で火照った体をこの風でクールダウンさせると、とっても爽快でした。私が訪れた日、下界はまだ残暑が厳しい時季だったのですが、さすがに糠平の地は秋の訪れが早いらしく、まだ8月だというのに沢山のシオカラトンボが露天風呂の上を飛び交っていました。
この露天風呂で素晴らしいアイディアだと感心させられたのが、「星釦」と称するボタンです。名前から想像はつきますが、夜間このボタンを押している間は照明が消え、人工的な光を気にせず満点の星空を仰ぎ眺めることができるんだとか。清らかな温泉に浸かりながら眺める北の星空は最高だろうなぁ…。日帰り入浴の時間帯は混浴ですが、夜の20:30~21:00は女性専用となりますから、女性の方でも安心して星空露天風呂が満喫できますね。
上品で落ち着いた雰囲気も、手造りのぬくもりが伝わる装飾も、清らかに澄み切ったお湯も、そして丁寧に対応してくださるスタッフの方々も、とにかく全てが文句なしに素晴らしいこちらのお宿。今回日帰り入浴で済ませてしまったことを強く後悔しました。ここは絶対に宿泊して、ゆっくり過ごすべきお宿です。お宿では各種ネイチャーツアーも受け付けているようですので、たとえばタウシュベツ橋梁を見学したい場合も、その拠点になりますね。次回訪問時は、何が何でも宿泊するぞ。
露天風呂
単純温泉 49.7℃ pH7.3 湧出量記載なし(自然湧出) 溶存物質0.990g/kg 成分総計1.017g/kg
Na+:238.4mg(79.40mval%), Ca++:38.5mg(14.70mval%),
Cl-:224.8mg(50.52mval%), SO4--:66.5mg(11.00mval%), HCO3-:286.6mg(37.45mval%),
H2SiO3:71.6mg, HBO2:43.7mg, CO2:26.8mg,
JR帯広駅から十勝バスの糠平行で「糠平中央公園前」下車、あるいはJR旭川駅より拓殖バスの都市間バス「ノースライナー」(帯広~旭川・1日1便・三国峠経由)で「ぬかびら源泉郷」下車(「ノースライナー」は乗車および降車できるバス停が便によって異なるので要注意)
北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷 地図
01564-4-2311
ホームページ
日帰り入浴7:30~10:00/14:00~21:00(受付20:30まで)
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★