前回記事の続編です。
館内には薬師様を挟む形で大浴場が2室あり、公式サイトによれば一応男女が固定されているようです。しかしながら、たしかに脱衣室や内湯に関しては双方ともほとんど同じレイアウトであるものの、露天風呂の眺めに多少の差異があるので、平等を期すためなのか、夜22時に男女の入れ替えが行われます。
拙ブログでは、ほとんど同様の内湯に関しては片方のみ、露天風呂に関しては両方紹介させていただきます。
●内湯
明るくて綺麗な脱衣室は使い勝手良好。穂高を望める窓からは冷涼な山の風が入ってきます。洗面台は3台あり、ドライヤーも備え付けられていました。
浴室のドアを開けた途端、焦げたようなイオウの匂いがプーンと香り、自ずとお湯に対する期待に胸が膨らみました。天井の高い浴室には大きな窓が設けられ、明るくて快適です。上述のように2つの内湯には中央に柱が立ち、その向こう側に二つの浴槽がL字型に配置されているという共通のレイアウトになっていますが、窓の配置に若干の違いがあります。
洗い場にはシャワー付きカランが計7基あり、お湯はボイラーの沸かし湯が吐出されますが、室内に漂う温泉のミストの影響で、水栓金具は黒く硫化していました。この色の水栓を見ると、硫黄泉であることをビジュアル的に実感します。
主浴槽は(目測で)2.5m×5mの2〜3人サイズ。縁には御影石、底面には緑色凝灰岩が用いられています。湯口は副浴槽との間に据えられていて、両者にお湯を供給しており、湯口周りにはトゲトゲの析出が、そして流路はイオウ由来の白いユラユラが付着していました。主浴槽では万人受するちょうど良い湯加減が維持されていましたが、投入量があまり多くないためか、夕食の時間前後に入ると湯船のお湯が若干鈍っていました。なお浴槽に張られたお湯は洗い場へオーバーフローせず、専用の吸込口から後述する露天風呂へと流れ落ちていました。
副浴槽は(目測で)1.8m×3.5m、5〜6人サイズ。湯口は主浴槽と同じ石積みですが、吐出口は別々になっており、こちらは湯加減は若干熱く、入浴客にも好き嫌いが合うためか、混雑時でも湯鈍りは少なく、透明度を保っていました。
お湯は無色透明ですが湯中では白い湯の華が浮遊しており、湯鈍りを起こしていた夕方の湯船では若干白く霞んでいました。湯口からはツンとした刺激や焦げたような感じを伴う噴気帯的な硫化水素臭が放たれ、ほろ苦味やゴムっぽさを有するタマゴ味が感じられました。源泉名は「旧本館泉」と称するのですが、その名の通り、中の湯旅館が移転する前からある源泉のお湯をポンプアップしてここまで引いているんだそうです。どうせならこの場所で新たに源泉を掘りゃいいじゃねーかと素人ながらに思うのですが、当然ながら既にプロの関係者によって試掘が行われており、掘ってみたところでぬるいお湯しか湧かなかったため、わざわざ旧旅館時代の源泉を引いているんだそうです。
●露天風呂 (1)
チェンクインした日の男湯に付帯している露天風呂は、公式サイト上でも男湯として紹介されており、屋根など視界を遮る人工物が無く広くてゆとりのある岩風呂は、開放感抜群です。
巨大なブナの梢越しに穂高の峰々を一望。そして、夜間は満天の星空を眺めながらの湯浴み。
素晴らしい露天風呂です。
●露天風呂 (2)
夜22時からは男女が逆転し、公式サイト上で女湯と紹介されている浴室が男湯になりました。上述しましたように内湯は(若干の窓の配置を除いて)ほとんど同じ構造ですが、露天風呂の設えは異なっています。前日に男湯だった露天風呂は開放感抜群でしたが、女湯としての用途を想定しているためか、こちらの露天風呂には目隠しの衝立が立っており、山のてっぺんが申し訳程度にちょこっと姿をのぞかせている程度で、山の景色はほとんど望めません。でも木々に囲まれているため、森の中で湯浴みしているような感じです。
両方の露天風呂ともに湯口がふたつあり、一方は源泉から引かれたお湯が注がれていたのですが、もう一方は内湯から流れてきたお湯の受け湯です。内湯のお湯は100%源泉(場合により加水あり)ですが、露天風呂のお湯は半分が内湯の余りなんですね。それだからか、どちらの露天でも湯浴みした時のフィーリングは内湯よりもやや劣り、いまいち物足りないものがありました。でもロケーションが素晴らしく、お湯の問題を補って余りある楽しみを得ることができました。
通年営業していますが、これから迎える猛暑の時期には避暑にもってこい。日本の温泉旅館らしい凛とした佇まいと、山小屋らしい鷹揚さを兼ね備えた、実に快適なお宿でした。
中の湯(旧本館泉)
単純硫黄温泉(硫化水素型) 53.5℃ pH6.6 150L/min(自然湧出) 溶存物質0.460g/kg 成分総計0.543g/kg
Na+:67.0mg(68.96mval%), Ca++:16.9mg(19.91mval%),
Cl-:55.3mg(36.11mval%), HS-:0.7mg, SO4--:23.2mg(11.11mval%), HCO3-:131.2mg(49.77mval%),
H2SiO3:144.8mg, CO2:80.8mg, H2S:2.2mg,
(2014年8月26日)
源泉温度が高いため熱交換実施(交換熱は暖房や給湯に使用)。
気象状況により温度センサーが働いて加水される場合あり。
源泉温度が下がった時に加温する場合あり。
清掃時(10:00〜12:00)および夜間(0:00〜2:00)に消毒剤使用。
長野県松本市安曇4467 地図
0263-95-2407
ホームページ
日帰り入浴12:00~17:00
700円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
館内には薬師様を挟む形で大浴場が2室あり、公式サイトによれば一応男女が固定されているようです。しかしながら、たしかに脱衣室や内湯に関しては双方ともほとんど同じレイアウトであるものの、露天風呂の眺めに多少の差異があるので、平等を期すためなのか、夜22時に男女の入れ替えが行われます。
拙ブログでは、ほとんど同様の内湯に関しては片方のみ、露天風呂に関しては両方紹介させていただきます。
●内湯
明るくて綺麗な脱衣室は使い勝手良好。穂高を望める窓からは冷涼な山の風が入ってきます。洗面台は3台あり、ドライヤーも備え付けられていました。
浴室のドアを開けた途端、焦げたようなイオウの匂いがプーンと香り、自ずとお湯に対する期待に胸が膨らみました。天井の高い浴室には大きな窓が設けられ、明るくて快適です。上述のように2つの内湯には中央に柱が立ち、その向こう側に二つの浴槽がL字型に配置されているという共通のレイアウトになっていますが、窓の配置に若干の違いがあります。
洗い場にはシャワー付きカランが計7基あり、お湯はボイラーの沸かし湯が吐出されますが、室内に漂う温泉のミストの影響で、水栓金具は黒く硫化していました。この色の水栓を見ると、硫黄泉であることをビジュアル的に実感します。
主浴槽は(目測で)2.5m×5mの2〜3人サイズ。縁には御影石、底面には緑色凝灰岩が用いられています。湯口は副浴槽との間に据えられていて、両者にお湯を供給しており、湯口周りにはトゲトゲの析出が、そして流路はイオウ由来の白いユラユラが付着していました。主浴槽では万人受するちょうど良い湯加減が維持されていましたが、投入量があまり多くないためか、夕食の時間前後に入ると湯船のお湯が若干鈍っていました。なお浴槽に張られたお湯は洗い場へオーバーフローせず、専用の吸込口から後述する露天風呂へと流れ落ちていました。
副浴槽は(目測で)1.8m×3.5m、5〜6人サイズ。湯口は主浴槽と同じ石積みですが、吐出口は別々になっており、こちらは湯加減は若干熱く、入浴客にも好き嫌いが合うためか、混雑時でも湯鈍りは少なく、透明度を保っていました。
お湯は無色透明ですが湯中では白い湯の華が浮遊しており、湯鈍りを起こしていた夕方の湯船では若干白く霞んでいました。湯口からはツンとした刺激や焦げたような感じを伴う噴気帯的な硫化水素臭が放たれ、ほろ苦味やゴムっぽさを有するタマゴ味が感じられました。源泉名は「旧本館泉」と称するのですが、その名の通り、中の湯旅館が移転する前からある源泉のお湯をポンプアップしてここまで引いているんだそうです。どうせならこの場所で新たに源泉を掘りゃいいじゃねーかと素人ながらに思うのですが、当然ながら既にプロの関係者によって試掘が行われており、掘ってみたところでぬるいお湯しか湧かなかったため、わざわざ旧旅館時代の源泉を引いているんだそうです。
●露天風呂 (1)
チェンクインした日の男湯に付帯している露天風呂は、公式サイト上でも男湯として紹介されており、屋根など視界を遮る人工物が無く広くてゆとりのある岩風呂は、開放感抜群です。
巨大なブナの梢越しに穂高の峰々を一望。そして、夜間は満天の星空を眺めながらの湯浴み。
素晴らしい露天風呂です。
●露天風呂 (2)
夜22時からは男女が逆転し、公式サイト上で女湯と紹介されている浴室が男湯になりました。上述しましたように内湯は(若干の窓の配置を除いて)ほとんど同じ構造ですが、露天風呂の設えは異なっています。前日に男湯だった露天風呂は開放感抜群でしたが、女湯としての用途を想定しているためか、こちらの露天風呂には目隠しの衝立が立っており、山のてっぺんが申し訳程度にちょこっと姿をのぞかせている程度で、山の景色はほとんど望めません。でも木々に囲まれているため、森の中で湯浴みしているような感じです。
両方の露天風呂ともに湯口がふたつあり、一方は源泉から引かれたお湯が注がれていたのですが、もう一方は内湯から流れてきたお湯の受け湯です。内湯のお湯は100%源泉(場合により加水あり)ですが、露天風呂のお湯は半分が内湯の余りなんですね。それだからか、どちらの露天でも湯浴みした時のフィーリングは内湯よりもやや劣り、いまいち物足りないものがありました。でもロケーションが素晴らしく、お湯の問題を補って余りある楽しみを得ることができました。
通年営業していますが、これから迎える猛暑の時期には避暑にもってこい。日本の温泉旅館らしい凛とした佇まいと、山小屋らしい鷹揚さを兼ね備えた、実に快適なお宿でした。
中の湯(旧本館泉)
単純硫黄温泉(硫化水素型) 53.5℃ pH6.6 150L/min(自然湧出) 溶存物質0.460g/kg 成分総計0.543g/kg
Na+:67.0mg(68.96mval%), Ca++:16.9mg(19.91mval%),
Cl-:55.3mg(36.11mval%), HS-:0.7mg, SO4--:23.2mg(11.11mval%), HCO3-:131.2mg(49.77mval%),
H2SiO3:144.8mg, CO2:80.8mg, H2S:2.2mg,
(2014年8月26日)
源泉温度が高いため熱交換実施(交換熱は暖房や給湯に使用)。
気象状況により温度センサーが働いて加水される場合あり。
源泉温度が下がった時に加温する場合あり。
清掃時(10:00〜12:00)および夜間(0:00〜2:00)に消毒剤使用。
長野県松本市安曇4467 地図
0263-95-2407
ホームページ
日帰り入浴12:00~17:00
700円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★