パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

遺影の話

2011年07月24日 | 夫ネタ
7月24日(日)晴れ

土曜日は、退院後初の病院でありました。
激務中の夫が付き添ってくれました。
彼曰く「退院の時に付き添えず、説明とかを聞かなかったから」
そうです、ワタクシ、このまま痛みがどんどん取れて、楽になる一方だと思い込んで、
今後のことなど何も聞かずにルンルンと退院したのですが、
退院後、息が止まりそうな痛みに襲われたりして
「なんじゃこりゃ?入院してた時よりヒドいぞ!」と驚いた次第で・・・
夫としては「こいつは、ホントに後先考えないやつだ!
やはりここはオレがしっかり聞いておかねば」と思ったのか。
あるいは、汚名返上名誉挽回の意図もあったのか。
肺に影があるので消化器外科を受診するようにと言われ夫と病院へ行った日のこと。
待たされるのはいつものこと。
珈琲でも飲もうかと言うと、夫が買いに行く。
ワタクシ的にはてっきり院内にできた「タリーズコーヒー」で買ってくるかと思いきや院内のコンビニで買ってきた。
ちっ!と思いつつ飲むと、これがまずいのだ。
病人のワガママさで「まずいっ!いらな~い」と夫にあげる。
夫はコーヒーをあまり好まない。しかし、お残しも好まない。仕方無さげに無理無理飲む。
そして、そろそろ診察室に呼ばれるかなあという頃、便意をモヨオシ、トイレへ。
そして、その後すぐ呼ばれたワタクシは一人で「癌告知」を受けたのであった・・・
よって、その後、何かっていうと「ふんっ!肝心な時にうんこしてたくせに」と妻から罵られるのであった・・・
そんなこともあってか、今回の彼の活躍はめざましかった。
痛みが激しいことを訴えると、若くてかわいい女医さんは「じゃあこのままもうしばらく薬を続けましょう。」と微笑む。
いや、もっと強い薬が欲しいんだけどなあと思うが、女医さんは、なるべく早く薬をやめる方向へ持っていきたい様子。
あっさりと引き下がると・・・
後ろに立ってた夫が「痛みが非常に激しい時があるので、その時だけでも飲むような薬はないですか」
おかげで薬を増やしてもらい、座薬も処方していただく。
妻心の中で「ぐっじょぶ!」
その後、抜糸。
照れ屋さんの彼のこと、診察室を出るかと思いきや、もろ肌脱いだ妻の抜糸の様子を
先生の肩越しにのぞく力の入れよう。
ワタクシも、今回生まれ変わったが、夫もなんだか生まれ変わったようだ。
もしかすると、肺の絵を上手に描けるようになり、次は傷あとの絵を克明に描けるようになりたいと思っているのだろうか。
最近の彼のほぼ日手帳は、ぎっちりと小さな字で何やらたくさん書き込まれている。
病院を出て、東京タワーの撮影会。
「だてに何年もここに通ってるわけじゃないのよ。
東京タワー撮らせれば、あたしの右に出るものはいない」という妻の勝利宣言を鼻で笑う夫。
芝公園をてくてく歩きながら、「そういえば、この前亡くなった原田芳雄さんの遺影はとても素敵だったね。」
しばし遺影について語る。
ワタクシは、桜の季節の千鳥ヶ淵で撮った写真を遺影にして欲しいと思ってる。
今年は震災やらで見に行けなかったが、毎年ここで撮っている写真を遺影にするつもり。
なんて、こんな話も、無事に手術が終わったからできるのであって、
まだまだ必要ないわという余裕の発言のつもり。
「あなたの遺影はワタクシが撮るからね」と言うと、オレより長生きする気なんだねという目で夫が微笑んだ。
コメント (10)
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