11月16日(土)雨
温泉王国の鹿児島県民であるが、最近までそれほど温泉好きではなかった。
自意識過剰によるものと、ちょっとめんどくさいという気持ちと、知り合いとは裸の付き合いができぬというものと、色々な気持ちが入り乱れての結果であった。
歳をとって羞恥心が減った事により、今や温泉大好きである。
温泉大国鹿児島県民でも、温泉の好き嫌いは別れる。
我が両親は温泉嫌いであり、父親は「誰が入ったか知れぬお湯に入れるかっ!」とまるで綺麗好きな人間が言うような事を言っていたが、今、振り返っても我が家はそれほど繊細に掃除の行き届いた綺麗な家では無かった。
母親は母親で、その程度の掃除しかできぬ女だから、決して潔癖症からくる温泉嫌いではなく、単にめんどくさいというだけの温泉嫌い。
温泉というか、お風呂がそもそも好きでないと思う。
幸いな事にこの人は体質的に体臭が薄いので、周りに迷惑かける事なくやってこれたのだろう。
こういう夫婦の間に生まれ、温泉どころか旅行とか外食とかその他イベントというものに触れずに成長してきたワタクシは、そういうものに苦手意識があった。
と、これは育った環境だけに責任を問うもので、同じ環境で育ったはずの兄は、全く苦手意識などなく旅行大好きなパリピなのであくまでも自己責任。
特に還暦過ぎた大人が言うことではないな。
と、愚痴から始まりましたが、話を温泉に戻して・・・
公共の場という意味で言えば温泉もまた「性善説」によって成り立っている。
裸という無防備な状態での場所ゆえ、「性善説」を信じていなければ入れない最たる場所と言っても過言ではない。
オムツのとれたばかりの赤子から「きかんたれ」の男の子、少々ボケの入ったご老人が、真っ裸でお風呂に入る。
最近の温泉には英語や韓国語中国語での、温泉の入り方のポスターが貼られている。
まずは体を洗ってから湯船に浸かるとか、タオルをお湯に浸けないとか諸々の注意。
温泉を楽しむ老若男女みんながそれらを守って入っていると信じて、入る。
一度、嫌な事を想像しはじめたらもう温泉なんて楽しめるわけがない。
今、どんどん回転すし屋さんとかが変わっていくように。
東京の友人を、ワタクシが今一番気に入っている町の温泉にお連れした時、きかんたれな就学前男児二人を連れたママと一緒だった。
この、いつまで「男の子が女湯に入れるか問題」というのも話題になっていたが、
友人はこの子たちが湯船でオシッコしないかを不安視していた。
彼女は「綺麗な温泉が好きな派」ねと思い、次回は綺麗め温泉を見繕わねばと思った。
温泉通の友人から「県外の人を連れて行くならつれづれの湯」がいいよと勧められたものの、なかなか温泉だけのために遠出(と言っても車で45分程度)できず、ついつい自宅近く半径10キロ圏内で済ましてしまう。
城山ホテルの温泉も考えたが3500円というお値段にびびってしまった。
温泉に出せる金額は勇気を出しても1000円が精一杯の貧乏性。
先日、娘がお休みの日、やっと「ゆかいだ温泉つれづれの湯」に行ってみた。
トップの写真がそこ。
趣きある建物、しつらえ、それほど山深い場所でもないけどちょうどそこだけ森。
600円でこの雰囲気と良いお湯を満喫できるのは嬉しい。
人気があるはずである。
土地勘がない方面なので、これから開拓していこうとも思っておるところ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます