11月12日(火)曇り

日本シリーズが終わった翌日、図書館から予約本が入ったとメール。
だいぶ前に予約していた高橋秀実著『弱くても勝てます~開成高校野球部のセオリー』
この高橋秀実氏は、R25のコラム『結論はまた来週』で初めて知った。
R25の読み物もろもろの中で一番好きだった。
ゲットしたR25の巻末コラムが石田衣良だった日にゃ、がっかりしたものだ。
奇しくも、日本シリーズの興奮さめやらぬ時に届くとは!と速攻でチャリを走らせ借りに行く。
読み始めて3ページで爆笑する。
おもしろい。面白過ぎる。
あ、ご存知の方も多いと思いますが、この本は、『超進学校として知られる開成高等学校野球部』が
甲子園に出場するまでの道のりの記録だ(といってもまだ甲子園には行ってませんが)
頭のチョーいい子達と、東大大学院卒の監督、そして著者。
この組み合わせがすごく良い。みんながみんな、すっごくおもしろいのだ。
高橋氏は、初めて彼らの静かな練習風景を見に行った時、ふと気づく。
下手なのである。
それも異常に。
ゴロは股の間を抜けていき、その後ろの選手の股も抜けていく。
フライのキャッチもおぼつかない。
走る姿も逃げ腰。
そもそも彼らはキャッチボールでもエラーするので高橋氏は危なくて気が抜けない。
思わずレフトの子に「野球ってあぶないですね。」と声をかけると
レフトの子「特に内野は打者に近い。近いと怖いです。外野なら遠くて安心なんです。」
こんな感じの開成高等学校野球部であるが、平成17年の全国高校野球選手権大会東東京予選で
ベスト16ににまで勝ち進んだことがあるそうだ。
全く知らんかった!
高校野球好きを広言しているワタクシとしたことが!
甲子園だけが球場じゃないってことだな。予選会場にもドラマありってか?
来年の高校野球は、予選からもっと真剣に見よう。
チョー頭のいい子たちも、おもしろい子続出なのだが、やはり監督がすごい。
「一般的な野球のセオリーは、拮抗する高いレベルのチーム同士が対戦する際に通用するもの。
同じことをやっていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです。」
だから、バントの練習もしないし、追いかけながら捕らなきゃいけないようなゴロは捕らなくてもいい。
彼の作戦は・・・どさくさに紛れて大量得点を取りコールドゲームで勝つ。
だから、監督は、ちまちましたプレイに激怒する。
監督の、檄がまたおかしい。
一生懸命投げようとするな
コントロールしようとするな
厳しいところに投げようとするな
抑えようなんて思うな
甘い球を投げろ
そして、しまいには「ピッチャーをやるな!」「野球しようとするな!」
もう禅問答のようだ。
一番おかしかったのは・・・・・
監督が「ヒットエンドラン」のサインを出していたが、
打者も出塁した選手も球ばかりに気を捕られてサインに目もくれず、
青木監督は体中をまさぐるようにサインを出しながら、
「サイン出してるぞ!」「サイン!」「サインをちゃんと見て!」と
相手チームにもわかるような大声で叫んでいた。
監督は、高校時代野球部で、チームにどう貢献するか考え、バントの練習ばかりしていた。
しかし東大に入り、野球部に入るが、打てないと使い物にならないことを知る。
(東大では、他の五大学のエースピッチャーを打ち崩すくらいの打力が必要なのだ)
バントしか出来ない選手は出場できない。
監督は言う。「チームに貢献するなんていうのは人間の本能じゃないと思います。
思い切り振って球を遠くに飛ばす。それが一番楽しいはずなんです。(中略)
のびやかに自由に暴れまくってほしい。野球は『俺が俺が』でいいんです。」
自分の経験からということもあり、監督の、ある意味ちょっと特異なセオリーはぶれないんだな。
読みながら思ったこと。
野球ってなんておもしろいんだ!
シンプルなような複雑なような、浅いような深いような、簡単なようなむつかしいような。
だって、どう考えたって練習時間が極端に短い開成高校が甲子園に行けるなんてことはないと思って読み始めたが
いや、ひょっとするとひょっとするかも!と思ったり
いやいや、そこを、最後の最後はやっぱり練習に練習を重ねたチームが抑えるのが野球だよと思ったり・・・
今朝の朝刊に、秋季都高校野球大会で「関東一高」が優勝とある。
ワタクシの記憶があやふやになるまえに「開成」が優勝!という記事を読みたいものだ。
久し振りに、声をあげて笑いながら読む本であった。

日本シリーズが終わった翌日、図書館から予約本が入ったとメール。
だいぶ前に予約していた高橋秀実著『弱くても勝てます~開成高校野球部のセオリー』
この高橋秀実氏は、R25のコラム『結論はまた来週』で初めて知った。
R25の読み物もろもろの中で一番好きだった。
ゲットしたR25の巻末コラムが石田衣良だった日にゃ、がっかりしたものだ。
奇しくも、日本シリーズの興奮さめやらぬ時に届くとは!と速攻でチャリを走らせ借りに行く。
読み始めて3ページで爆笑する。
おもしろい。面白過ぎる。
あ、ご存知の方も多いと思いますが、この本は、『超進学校として知られる開成高等学校野球部』が
甲子園に出場するまでの道のりの記録だ(といってもまだ甲子園には行ってませんが)
頭のチョーいい子達と、東大大学院卒の監督、そして著者。
この組み合わせがすごく良い。みんながみんな、すっごくおもしろいのだ。
高橋氏は、初めて彼らの静かな練習風景を見に行った時、ふと気づく。
下手なのである。
それも異常に。
ゴロは股の間を抜けていき、その後ろの選手の股も抜けていく。
フライのキャッチもおぼつかない。
走る姿も逃げ腰。
そもそも彼らはキャッチボールでもエラーするので高橋氏は危なくて気が抜けない。
思わずレフトの子に「野球ってあぶないですね。」と声をかけると
レフトの子「特に内野は打者に近い。近いと怖いです。外野なら遠くて安心なんです。」
こんな感じの開成高等学校野球部であるが、平成17年の全国高校野球選手権大会東東京予選で
ベスト16ににまで勝ち進んだことがあるそうだ。
全く知らんかった!
高校野球好きを広言しているワタクシとしたことが!
甲子園だけが球場じゃないってことだな。予選会場にもドラマありってか?
来年の高校野球は、予選からもっと真剣に見よう。
チョー頭のいい子たちも、おもしろい子続出なのだが、やはり監督がすごい。
「一般的な野球のセオリーは、拮抗する高いレベルのチーム同士が対戦する際に通用するもの。
同じことをやっていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです。」
だから、バントの練習もしないし、追いかけながら捕らなきゃいけないようなゴロは捕らなくてもいい。
彼の作戦は・・・どさくさに紛れて大量得点を取りコールドゲームで勝つ。
だから、監督は、ちまちましたプレイに激怒する。
監督の、檄がまたおかしい。
一生懸命投げようとするな
コントロールしようとするな
厳しいところに投げようとするな
抑えようなんて思うな
甘い球を投げろ
そして、しまいには「ピッチャーをやるな!」「野球しようとするな!」
もう禅問答のようだ。
一番おかしかったのは・・・・・
監督が「ヒットエンドラン」のサインを出していたが、
打者も出塁した選手も球ばかりに気を捕られてサインに目もくれず、
青木監督は体中をまさぐるようにサインを出しながら、
「サイン出してるぞ!」「サイン!」「サインをちゃんと見て!」と
相手チームにもわかるような大声で叫んでいた。
監督は、高校時代野球部で、チームにどう貢献するか考え、バントの練習ばかりしていた。
しかし東大に入り、野球部に入るが、打てないと使い物にならないことを知る。
(東大では、他の五大学のエースピッチャーを打ち崩すくらいの打力が必要なのだ)
バントしか出来ない選手は出場できない。
監督は言う。「チームに貢献するなんていうのは人間の本能じゃないと思います。
思い切り振って球を遠くに飛ばす。それが一番楽しいはずなんです。(中略)
のびやかに自由に暴れまくってほしい。野球は『俺が俺が』でいいんです。」
自分の経験からということもあり、監督の、ある意味ちょっと特異なセオリーはぶれないんだな。
読みながら思ったこと。
野球ってなんておもしろいんだ!
シンプルなような複雑なような、浅いような深いような、簡単なようなむつかしいような。
だって、どう考えたって練習時間が極端に短い開成高校が甲子園に行けるなんてことはないと思って読み始めたが
いや、ひょっとするとひょっとするかも!と思ったり
いやいや、そこを、最後の最後はやっぱり練習に練習を重ねたチームが抑えるのが野球だよと思ったり・・・
今朝の朝刊に、秋季都高校野球大会で「関東一高」が優勝とある。
ワタクシの記憶があやふやになるまえに「開成」が優勝!という記事を読みたいものだ。
久し振りに、声をあげて笑いながら読む本であった。