WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

インターミッション

2005-03-20 | よしなしごと
「終わりにしないで続きを~!」というリクエストをいただきましたが、ホントにいいんですかー?! スコッチの後には、カクテル蘊蓄、ロング、ショート… とめどなく出てきますよぉ~~
とりあえず、本日は、「エライこと」になってしまった昨日の続きです。お酒の話じゃありませんので、インターミッションってことで。

学芸大学から渋谷までの東横線上りはガラガラだったので、私は座ってしまいました。そして、寝てしまったのでした。そして、目が覚めたら「新丸子」…
「シンマルコ」…当時私はそんな駅名も地名も知らなかった。
渋谷までいって、引き返してきてしまったってワケです。
若い頃、都内で飲んで、中央線で運良く席が空いて座ったりすると、よく寝過ごして日野や豊田までいってしまうことがありました。なので、「席があっても飲みの帰りは絶対座らない!」これを肝に命じていたのですが、学芸大学~渋谷 ちょこっとだけ…と油断してしまいました。

酔っぱらった頭で、終電のなくなった「新丸子」でこれからどうするか考えました。まず「朝までやってる居酒屋で飲み直す」。さすが飲んべー。コレがまず浮かびました…が、閑散とした「新丸子」にそんなお店はありませんでした。
ビジネスホテルも見当たらず…結局タクシーで国分寺まで帰ることに。
いったい自分が今どこにいて、どれくらい自分の部屋から遠く離れているのか、見当もつきません。タクシー代はこわかったけど、もうこーなったら乗るしかありません。財布の中には、珍しく3万円。まあ、これで足りないってことはないだろう。
ぼぉっと乗ってると、延々と外の景色が変わらない、、なんだか横田基地を思い出して

「ここって、基地か何かですか?」

なにを寝ぼけたこと言ってるだい、お客さん… 確かに私はうとうと夢心地でした。

「多摩川です」

運転手さんは、呆れ果てて短く答えたのでしょう。私はそれで会話が途切れるのも気まずくて、酔った勢いに任せて、電車で寝てしまったことなどをぼそぼそと話しました。
「そういうお客さんは、タクシードライバーにとっては賓客ですから」
などといって、場が和んできました。
そうこうしているうちに、運転手さんは私と同い年だってことが判明。
「な~んだ、タメじゃーん!」
イッキに気が大きくなる私。
さらに、その運転手さん、最近子供が生まれたばかりだと語ってくれました。
「そうか~とうちゃんじゃーん!!がんばらなきゃね!」
そして、どんな経緯だったかは忘れたけど、お互い「この日のここに至るまでの人生を語ろーよ」なんてことになりました。
「手短に語ろうよ!」「そっか、手短にね!」などと言いあったっけなあ。
運転手さんも、タメ口。「俺こんなお客、初めてだよぉ~」と言いながらも、かなりな盛り上がりです。
手短に、私は第一回目の離婚話、彼は、奥さんが妊娠して仕事ができなくなって、家計が大変だけど、子供がかわいくて、やる気満々という話をしたっけな。
途中、調布市小島町あたりを走っているとき
「このあたりに昔私を振った男が住んでたのよぉ~!今となっては懐かしいってもんよ!」
なーんて。くだまく私。「よしよし」ってな感じで慰め、励ましてくれる運転手さん。
国分寺のアパートに辿り着いたとき、運転手さんは、車から降りて、私を送りだしてくれました。握手までしたわ~
「ガンバレよ」
「とうちゃんもね! もしまたこのあたりにお客さんを乗せてくることがあったら、私のこと思い出してよ!」
「思い出す前に、ぜってー忘れねーよ、こんなお客」
そして、私は走り去っていくタクシーに向かって踊りながら手を振ったのでした。

私がこうやって、その日のことをブログに書いているように、彼もきっと、折に触れ、酒の肴に、おもしろかったお客のことを語っていることでしょう。
二度と会うことはないけれど、これも出会い。

ところで、その時のタクシー代ですが、2万円弱だったような…
まっ、「授業料」でしょうか…


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Comments (6)
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