■8月16日(土)
朝起きると、雨が降っていた。が、食事をしているうちに、あがったので、予定のコースを行くことにする。
6:10 寒いのと、回りの木や草がぬれているので、雨具を着て出発。
まだ少しガスがかかっている。
蓮華岳への道は歩きやすく、とてもよいルート。
このような所を登って行く。
コマクサのこんなにすごい群落は初めて見た。高山植物もたくさん咲いていてよい山だなあと思う。
あたり一面のチングルマの花は終わっていたが、ヒゲ(?)が雨に濡れて、美しい。
7:25 蓮華岳山頂。(2799m)
下には雲海が広がっている。
7:35 下山開始 7月にいった槍ヶ岳が見える。
後ろから来る人を撮る。少し歩いたら、虹の中にブロッケンの妖怪が見えた。
その日行くルートが見える。アップダウンが多い。
小ピークを越える。
このような所を下ってゆく。
『蓮華の大くだり』は、標高差500m以上下る。
クサリ場も通過する。
大下りの途中だったか、岩場をすぎてからだったか、Sさんのストックが、細かい石の間にはさまり、それをとろうとしたところ、折れてしまうという出来事がおこる。力いっぱい引いていたので、折れたとたん、前のめりにころび、右うでの擦り傷と顔面にも擦り傷を作る。ストックは折れたため、私が予備をもう1本持っていたので、貸してあげた。
9:30 北葛乗っ越しで休憩をとる。危ない所を通りすぎ、やれやれという感じ。
再び北葛岳目ざして登って行く。
10:35 北葛岳山頂(2551m)
山頂で、グレープフルーツを分け合って食べたり、昼食を食べる。
11:00 次の七倉岳に向かって、下山開始。
このような所を下って行く。
11:40 事故発生
濡れた傾斜のある一枚岩の所で、私の前の前を歩いていたSさんが、『ここは滑るよ』と後ろに向かっていう。
言ったと同時くらいに、足を滑らせる。右手にあったシャクナゲをつかんだが、そのシャクナゲが根こそぎ抜けてしまい、思い切り体重をかけてつかんでいた反動で、左側斜面に飛び出すようにころび、そのまま転がりだした。
2-3回転くらいしたら、止まりそうに見えたが、全く止まる気配をみせず、加速度をつけてころがってゆき、その下の急斜面に吸い込まれるようにして見えなくなった。
最後尾を歩いていたM、前を歩いていたNさん、Hさんの3人がすぐにも、道を下りハシゴをおりたあたりから、斜面に分け入って、Sさんを探す。
12:00 Sさんが見つかった段階で、頭から血を流していて重傷なのがわかり、すぐにOさんが救助の要請に、船窪小屋まで駆けて行く。(その前に携帯が通じないかためしたが、全員どの会社の携帯もつながらなかった)
12:35 船窪小屋にOさん到着し、救助要請。
現場に残った人たちは、カラビナ・シュリンゲを持っていた全員が出し、Mが持っていたザイルを使って、NさんがSさんを確保し、他に、男性2人も加わって、登山道までSさんを運び出す。運び出す時は、かなり痛がっていた。
ツェルトを地面に敷いて寝かせ、頭の傷を水で洗って、包帯でおおうと、あとは素人ができることは何もなくなった。日が当たる場所だったので、良流娯さんのオレンジ色の傘を開いて、けがをした頭と顔に日が当たらないようにした。(後で、ヘリコプターが来た時に、オレンジ色の傘が目印となった)
12:35
その日救助隊がくるかどうかも定かではないので、MとNさんの2人がその場に付き添って残り、あとの人は、船窪小屋を目ざすことになる。ツエルトはMとNさんが持っていた2張りしかなかった。
3人の男性と、良流娯さん、私の5人が小屋に向かって出発する。
Sさんの荷物、カメラやリュックなどは、雨具を除いて5人が持って行く。
その夜はビバークすることになるかもしれないので、余分な水を、残る人たちに置いて行く。
七倉乗っ越しまで下った先は、クサリ場のあるかなり急な道。
1:30 七倉岳山頂。(2509m)
1:40 船窪小屋着。
そこで、先に来ていたOさんから、ヘリコプターは、今前穂に救助に向かっているので、その後こちらに来ることを聞く。
Mさんが、その知らせを持って、再び現場に向かって、出発していった。
小屋にいた私たちが、Sさんの携帯アドレス帳から、ご家族と思われる人を探し、連絡をとる。通じた携帯は、docomoのムーバ、1台のみ。
そのうち、雨が降り出し、雷鳴も聞こえ、ガスもわいてきた。今日中に救出できるか、あやしい状況になる。
2:? ヘリコプターがこちらに向かうという連絡が入ったので、O氏が、それを知らせに、現場に向かう。現場と山小屋の間は、ほぼ1時間の距離。
2:40 ヘリコプターが飛んでくる。
小屋の裏から、七倉乗っ越しが見える。真ん中の白い点がヘリコプター。遠くから見ると、思っていたより急斜面である。
2:50 ヘリコプターが、Sさんを搬送してゆく。その際、雨具、靴はぬがされて置いてゆく。
3:25 病院でSさんの死亡が確認されたとの連絡が山小屋に入る。翌日、大町署で聞いた死因は、肋骨が何本かおれて内蔵を損傷したことによるもの。
ヘリが到着したので、Oさんは現場まで行かずに、山小屋にもどってくる。
4時過ぎ、付き添っていたMとNさんの2人と、知らせにいったMさんが、土砂降りの中、山小屋に到着する。
■ 8月17日(日)
5:35 下山開始。
9:45 登山口
◆針ノ木岳~蓮華岳~北葛岳~七倉岳縦走・1・2
◆計画表
朝起きると、雨が降っていた。が、食事をしているうちに、あがったので、予定のコースを行くことにする。
6:10 寒いのと、回りの木や草がぬれているので、雨具を着て出発。
まだ少しガスがかかっている。
蓮華岳への道は歩きやすく、とてもよいルート。
このような所を登って行く。
コマクサのこんなにすごい群落は初めて見た。高山植物もたくさん咲いていてよい山だなあと思う。
あたり一面のチングルマの花は終わっていたが、ヒゲ(?)が雨に濡れて、美しい。
7:25 蓮華岳山頂。(2799m)
下には雲海が広がっている。
7:35 下山開始 7月にいった槍ヶ岳が見える。
後ろから来る人を撮る。少し歩いたら、虹の中にブロッケンの妖怪が見えた。
その日行くルートが見える。アップダウンが多い。
小ピークを越える。
このような所を下ってゆく。
『蓮華の大くだり』は、標高差500m以上下る。
クサリ場も通過する。
大下りの途中だったか、岩場をすぎてからだったか、Sさんのストックが、細かい石の間にはさまり、それをとろうとしたところ、折れてしまうという出来事がおこる。力いっぱい引いていたので、折れたとたん、前のめりにころび、右うでの擦り傷と顔面にも擦り傷を作る。ストックは折れたため、私が予備をもう1本持っていたので、貸してあげた。
9:30 北葛乗っ越しで休憩をとる。危ない所を通りすぎ、やれやれという感じ。
再び北葛岳目ざして登って行く。
10:35 北葛岳山頂(2551m)
山頂で、グレープフルーツを分け合って食べたり、昼食を食べる。
11:00 次の七倉岳に向かって、下山開始。
このような所を下って行く。
11:40 事故発生
濡れた傾斜のある一枚岩の所で、私の前の前を歩いていたSさんが、『ここは滑るよ』と後ろに向かっていう。
言ったと同時くらいに、足を滑らせる。右手にあったシャクナゲをつかんだが、そのシャクナゲが根こそぎ抜けてしまい、思い切り体重をかけてつかんでいた反動で、左側斜面に飛び出すようにころび、そのまま転がりだした。
2-3回転くらいしたら、止まりそうに見えたが、全く止まる気配をみせず、加速度をつけてころがってゆき、その下の急斜面に吸い込まれるようにして見えなくなった。
最後尾を歩いていたM、前を歩いていたNさん、Hさんの3人がすぐにも、道を下りハシゴをおりたあたりから、斜面に分け入って、Sさんを探す。
12:00 Sさんが見つかった段階で、頭から血を流していて重傷なのがわかり、すぐにOさんが救助の要請に、船窪小屋まで駆けて行く。(その前に携帯が通じないかためしたが、全員どの会社の携帯もつながらなかった)
12:35 船窪小屋にOさん到着し、救助要請。
現場に残った人たちは、カラビナ・シュリンゲを持っていた全員が出し、Mが持っていたザイルを使って、NさんがSさんを確保し、他に、男性2人も加わって、登山道までSさんを運び出す。運び出す時は、かなり痛がっていた。
ツェルトを地面に敷いて寝かせ、頭の傷を水で洗って、包帯でおおうと、あとは素人ができることは何もなくなった。日が当たる場所だったので、良流娯さんのオレンジ色の傘を開いて、けがをした頭と顔に日が当たらないようにした。(後で、ヘリコプターが来た時に、オレンジ色の傘が目印となった)
12:35
その日救助隊がくるかどうかも定かではないので、MとNさんの2人がその場に付き添って残り、あとの人は、船窪小屋を目ざすことになる。ツエルトはMとNさんが持っていた2張りしかなかった。
3人の男性と、良流娯さん、私の5人が小屋に向かって出発する。
Sさんの荷物、カメラやリュックなどは、雨具を除いて5人が持って行く。
その夜はビバークすることになるかもしれないので、余分な水を、残る人たちに置いて行く。
七倉乗っ越しまで下った先は、クサリ場のあるかなり急な道。
1:30 七倉岳山頂。(2509m)
1:40 船窪小屋着。
そこで、先に来ていたOさんから、ヘリコプターは、今前穂に救助に向かっているので、その後こちらに来ることを聞く。
Mさんが、その知らせを持って、再び現場に向かって、出発していった。
小屋にいた私たちが、Sさんの携帯アドレス帳から、ご家族と思われる人を探し、連絡をとる。通じた携帯は、docomoのムーバ、1台のみ。
そのうち、雨が降り出し、雷鳴も聞こえ、ガスもわいてきた。今日中に救出できるか、あやしい状況になる。
2:? ヘリコプターがこちらに向かうという連絡が入ったので、O氏が、それを知らせに、現場に向かう。現場と山小屋の間は、ほぼ1時間の距離。
2:40 ヘリコプターが飛んでくる。
小屋の裏から、七倉乗っ越しが見える。真ん中の白い点がヘリコプター。遠くから見ると、思っていたより急斜面である。
2:50 ヘリコプターが、Sさんを搬送してゆく。その際、雨具、靴はぬがされて置いてゆく。
3:25 病院でSさんの死亡が確認されたとの連絡が山小屋に入る。翌日、大町署で聞いた死因は、肋骨が何本かおれて内蔵を損傷したことによるもの。
ヘリが到着したので、Oさんは現場まで行かずに、山小屋にもどってくる。
4時過ぎ、付き添っていたMとNさんの2人と、知らせにいったMさんが、土砂降りの中、山小屋に到着する。
■ 8月17日(日)
5:35 下山開始。
9:45 登山口
◆針ノ木岳~蓮華岳~北葛岳~七倉岳縦走・1・2
◆計画表