ものすごく立派な画集が、我が家に届いたのは、7月上旬の頃だった。
このブログにもよくコメントを書いてくれる、高校3年の時の同級生、M・Y氏が送ってくれたものだ。
「貴久子ブルー 西村貴久子ー作品と時代」というのが、画集のタイトルである。
画家・西村貴久子さんは、M・Y氏の父方の伯母にあたる。
「近代化の始まる明治に生まれ、大正モダニズムの洗礼を受け、激動の昭和を駆け抜けた女流画家」
画集におさめられているのは、貴久子さんの遺した絵画。
それに、M・Y氏と母上が、散逸していた貴久子さんの絵を追ったり、貴久子さんの画家としての足跡をたどって、知人や親戚、周辺にいた人たちをたずねて聞いた話しなどが、時代背景とともに文章でつづられている。
室蘭で生まれ、北海道の風景をたくさん描いた貴久子さんの絵は力強く、人を引きつける。
が、その絵以上に、興味をいだいたのは、M・Y氏と母上がこの画集を制作するのに注いだエネルギーである。
伯母さんが、いくら優れた画家だといって、ちょっとやそっとの情熱では、ここまでまとめるのはできないだろうと思われたのだ。
M・Y氏は画集の中で、その理由について語っている。
貴久子さんの末弟である父上が、亡くなる前の病床で、伯母の画集をなんとかしたかった、とつぶやいたこと。父上は、退職してから亡くなる1年の間に、西村貴久子さんの画歴をまとめられていたそうである。
また30年ほど前に、友人から「芸術家には芸術活動を理解して、作品を管理する人間がついてないと駄目だ。」といわれたこと。
けれど、 もちろんそれらは動機の一部分に過ぎないのだろう。
「色々な形で、伯母の絵や芸術に関心を寄せていた人々の不思議な力に導かれて、この本ができあがった」と書いている。
その不思議な力というものが、こういう大きなことをなす時の原動力になるのだと思う。
画集には、昔の写真もたくさん収められている。M・Y氏が子どもの頃「絵のおばちゃん」と呼んでいた貴久子さんが、親戚の人たちに囲まれて写っている写真。それらの写真は、ちょうど私の父が遺した写真とも時代的に重なって、なつかしい感じがする。話しはそれるが、M・Y氏の子ども時代の写真にも面影が残っていて、思わずほほえましくなる。
この間、私の姉と妹が家に来たので、二人に画集を見せたところ、この色がいい、などといいながら、熱心に画集を見ていた。二人とも、油絵を描いていたので、私より絵については、詳しいのである。この画集は、おいおい二人に回すことになっている。
表紙とカバー。
「本書を西村貴久子と山徳郎へ捧ぐ」
この中表紙の絵はとても好きなので、次にも載せる。
左:初夏 右:初冬の里
他にも好きな絵を何点か。
左:流氷網走にて 右:流氷
左:夏の知床 右:春浅き羅臼港
左上 阿寒湖遠望 下:秋の摩周湖 右:摩周湖の秋
このブログにもよくコメントを書いてくれる、高校3年の時の同級生、M・Y氏が送ってくれたものだ。
「貴久子ブルー 西村貴久子ー作品と時代」というのが、画集のタイトルである。
画家・西村貴久子さんは、M・Y氏の父方の伯母にあたる。
「近代化の始まる明治に生まれ、大正モダニズムの洗礼を受け、激動の昭和を駆け抜けた女流画家」
画集におさめられているのは、貴久子さんの遺した絵画。
それに、M・Y氏と母上が、散逸していた貴久子さんの絵を追ったり、貴久子さんの画家としての足跡をたどって、知人や親戚、周辺にいた人たちをたずねて聞いた話しなどが、時代背景とともに文章でつづられている。
室蘭で生まれ、北海道の風景をたくさん描いた貴久子さんの絵は力強く、人を引きつける。
が、その絵以上に、興味をいだいたのは、M・Y氏と母上がこの画集を制作するのに注いだエネルギーである。
伯母さんが、いくら優れた画家だといって、ちょっとやそっとの情熱では、ここまでまとめるのはできないだろうと思われたのだ。
M・Y氏は画集の中で、その理由について語っている。
貴久子さんの末弟である父上が、亡くなる前の病床で、伯母の画集をなんとかしたかった、とつぶやいたこと。父上は、退職してから亡くなる1年の間に、西村貴久子さんの画歴をまとめられていたそうである。
また30年ほど前に、友人から「芸術家には芸術活動を理解して、作品を管理する人間がついてないと駄目だ。」といわれたこと。
けれど、 もちろんそれらは動機の一部分に過ぎないのだろう。
「色々な形で、伯母の絵や芸術に関心を寄せていた人々の不思議な力に導かれて、この本ができあがった」と書いている。
その不思議な力というものが、こういう大きなことをなす時の原動力になるのだと思う。
画集には、昔の写真もたくさん収められている。M・Y氏が子どもの頃「絵のおばちゃん」と呼んでいた貴久子さんが、親戚の人たちに囲まれて写っている写真。それらの写真は、ちょうど私の父が遺した写真とも時代的に重なって、なつかしい感じがする。話しはそれるが、M・Y氏の子ども時代の写真にも面影が残っていて、思わずほほえましくなる。
この間、私の姉と妹が家に来たので、二人に画集を見せたところ、この色がいい、などといいながら、熱心に画集を見ていた。二人とも、油絵を描いていたので、私より絵については、詳しいのである。この画集は、おいおい二人に回すことになっている。
表紙とカバー。
「本書を西村貴久子と山徳郎へ捧ぐ」
この中表紙の絵はとても好きなので、次にも載せる。
左:初夏 右:初冬の里
他にも好きな絵を何点か。
左:流氷網走にて 右:流氷
左:夏の知床 右:春浅き羅臼港
左上 阿寒湖遠望 下:秋の摩周湖 右:摩周湖の秋