◇ 円安説と円高説が混在 = 円の対ドル相場がじりじりと下落、先週末時点では112円に接近した。年初に比べると4円ほどの円安。おかげで東京市場の株価も、ことしになってからは上昇傾向を続けている。特に円安がはっきり進み出したのは2月に入ってから。そのきっかけは1月末に、FRBが利上げの休止を表明したことだった。
アメリカの金利上昇が止まれば、本来なら円高の力が働くはず。それが円安を導いたのは、日米間の金利差が縮まることを心配した日銀が、国債の買い入れ量を増やして長期金利をマイナスに誘導したためだと思われる。さらにイギリスのEU離脱がこじれてユーロ相場が下落。ドルの対ユーロ相場が上昇したことにつられて、ドル高・円安になったようだ。
いま市場では、この状態が3月も持続するかどうかで見方が割れている。FRBと日銀の政策は変わらない。ユーロも弱いままだろう。しかも米中貿易戦争の緊張が和らぎ、アメリカの政府機関閉鎖も回避された。世界的にリスクが軽減されて、安全資産の円を買う必要が薄れた――というのが、円安持続説の根拠になっている。
一方の円高傾斜説は、過去の経験則を重視する。――3月期の決算に備えて、日本企業が海外で得た利益を円に換える。このため3月は円高になりやすい。現に16-18年の3月は、いずれも円高だった。加えて間もなく始まる日米貿易交渉。ここでアメリカ側は、日米間の金利差が縮小するのを阻止するために日銀が実行しているマイナス金利政策を、厳しく追及してくるのではないか。ここに注目している人も少なくはない。
≪4日の日経平均 = 上げ +219.35円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
アメリカの金利上昇が止まれば、本来なら円高の力が働くはず。それが円安を導いたのは、日米間の金利差が縮まることを心配した日銀が、国債の買い入れ量を増やして長期金利をマイナスに誘導したためだと思われる。さらにイギリスのEU離脱がこじれてユーロ相場が下落。ドルの対ユーロ相場が上昇したことにつられて、ドル高・円安になったようだ。
いま市場では、この状態が3月も持続するかどうかで見方が割れている。FRBと日銀の政策は変わらない。ユーロも弱いままだろう。しかも米中貿易戦争の緊張が和らぎ、アメリカの政府機関閉鎖も回避された。世界的にリスクが軽減されて、安全資産の円を買う必要が薄れた――というのが、円安持続説の根拠になっている。
一方の円高傾斜説は、過去の経験則を重視する。――3月期の決算に備えて、日本企業が海外で得た利益を円に換える。このため3月は円高になりやすい。現に16-18年の3月は、いずれも円高だった。加えて間もなく始まる日米貿易交渉。ここでアメリカ側は、日米間の金利差が縮小するのを阻止するために日銀が実行しているマイナス金利政策を、厳しく追及してくるのではないか。ここに注目している人も少なくはない。
≪4日の日経平均 = 上げ +219.35円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫