経済なんでも研究会

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追い詰められた イギリス (下)

2019-03-28 07:38:31 | EU
◇ 消えた大英帝国の面影 = イギリス議会が今週29日までに、メイ首相の離脱協定案を承認する可能性もゼロではない。その場合、イギリスは5月22日にEUを正式離脱することになる。だが、その公算はきわめて小さい。すると、こんどは欧州議会に参加するかどうかを、4月12日までに決めなければならない。そこで不参加となれば、4月12日に“合意なき離脱”となる。また参加と決めれば、離脱は長期的に延期される。

“合意なき離脱”について、イギリス議会は「反対」の動議をすでに可決している。このため残された道は「長期的な延期」しかないという見方が強まっている。しかし長期的な延期は、実際問題としては“残留”に等しい。だから、それに対する反発も決して小さくはない。すべての道が塞がれたときには、再び国民投票するしかないだろう。だがメイ首相は、国民投票の再現に反対し続けている。

イギリスのEU離脱は、EUの移民拡大政策に対する反発から始まった。しかし、その根底に「大陸側の指揮・命令には従いたくない」というイギリス人の感情が作用したことも確かだろう。要するに「イギリスはドイツやフランスの下であってはならない」という歴史的あるいは民族的な自尊心の発露である。その半面、EU内にとどまり経済的な恩恵は享受したいと考える人も多い。

この2つの矛盾する思考が、イギリスを混迷に陥れた。いまのイギリスは対EUの姿勢で、国民が完全に分断されてしまっている。だから“合意ある離脱”でも“合意なき離脱”でも、あるいは“長期的な離脱延期”でも再度の国民投票でも、国民の半数は不満を持つことになる。第2次大戦中のイギリスをまとめたウィンストン・チャーチルのような人物が出現しないと、イギリスという国家は威信を回復できないのではないか。

       ≪27日の日経平均 = 下げ -49.66円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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