経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

安心できない 輸出の動向

2019-03-19 08:40:37 | 貿易
◇ 2月の貿易統計にみる問題点 = 財務省は18日、2月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆3800億円で前年比1.2%の減少。輸入は6兆0500億円で6.7%の減少だった。この結果、貿易収支は3300億円の黒字となっている。輸出の減少は3か月連続だが、1月の8.4%減少に比べると減り方がかなり縮小した。特に中国向けの輸出は3か月ぶりに5.5%の増加となっている。この発表をみて、株式市場には安心感も流れたようだ。

だが発表の内容を点検すると、いくつかの問題点が見付かる。まず輸出品目のなかで86%も伸びたのが、大きく変動する船舶。自動車や鉄鋼、電子部品などの主力商品は大幅に落ち込んでいる。自動車は5.6%、鉄鋼は13.8%、電子部品は10.7%の減少だった。この傾向は、決して好ましいものではない。

また中国向けの輸出は5.5%増加した。しかし1月には17.4%も減少しているから、その反動という側面が大きい。しかも自動車の輸出は伸びたが、鉄鋼やコンピューター類、電子部品はいぜん減少している。中国の加工・組み立て型産業が、息を吹き返した様子は見受けられない。

輸出の減少は昨年12月から続いており、このため生産も縮小。景気動向指数が低下して、すでに景気は後退期に入ったのではないかと心配されている。仮に3月の輸出も減少し生産が落ちれば、この心配は一気に現実性を増すことになるだろう。この意味では3月の貿易統計が、どんな内容になるか。しっかり見極めたい。

       ≪18日の日経平均 = 上げ +133.65円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>