◇ 2月の貿易統計にみる問題点 = 財務省は18日、2月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆3800億円で前年比1.2%の減少。輸入は6兆0500億円で6.7%の減少だった。この結果、貿易収支は3300億円の黒字となっている。輸出の減少は3か月連続だが、1月の8.4%減少に比べると減り方がかなり縮小した。特に中国向けの輸出は3か月ぶりに5.5%の増加となっている。この発表をみて、株式市場には安心感も流れたようだ。
だが発表の内容を点検すると、いくつかの問題点が見付かる。まず輸出品目のなかで86%も伸びたのが、大きく変動する船舶。自動車や鉄鋼、電子部品などの主力商品は大幅に落ち込んでいる。自動車は5.6%、鉄鋼は13.8%、電子部品は10.7%の減少だった。この傾向は、決して好ましいものではない。
また中国向けの輸出は5.5%増加した。しかし1月には17.4%も減少しているから、その反動という側面が大きい。しかも自動車の輸出は伸びたが、鉄鋼やコンピューター類、電子部品はいぜん減少している。中国の加工・組み立て型産業が、息を吹き返した様子は見受けられない。
輸出の減少は昨年12月から続いており、このため生産も縮小。景気動向指数が低下して、すでに景気は後退期に入ったのではないかと心配されている。仮に3月の輸出も減少し生産が落ちれば、この心配は一気に現実性を増すことになるだろう。この意味では3月の貿易統計が、どんな内容になるか。しっかり見極めたい。
≪18日の日経平均 = 上げ +133.65円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
だが発表の内容を点検すると、いくつかの問題点が見付かる。まず輸出品目のなかで86%も伸びたのが、大きく変動する船舶。自動車や鉄鋼、電子部品などの主力商品は大幅に落ち込んでいる。自動車は5.6%、鉄鋼は13.8%、電子部品は10.7%の減少だった。この傾向は、決して好ましいものではない。
また中国向けの輸出は5.5%増加した。しかし1月には17.4%も減少しているから、その反動という側面が大きい。しかも自動車の輸出は伸びたが、鉄鋼やコンピューター類、電子部品はいぜん減少している。中国の加工・組み立て型産業が、息を吹き返した様子は見受けられない。
輸出の減少は昨年12月から続いており、このため生産も縮小。景気動向指数が低下して、すでに景気は後退期に入ったのではないかと心配されている。仮に3月の輸出も減少し生産が落ちれば、この心配は一気に現実性を増すことになるだろう。この意味では3月の貿易統計が、どんな内容になるか。しっかり見極めたい。
≪18日の日経平均 = 上げ +133.65円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫