経済なんでも研究会

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株式を買わなくなった 日銀

2021-06-04 07:25:07 | 株価
◇ いつ売る側に回るのだろう = 日銀は5月、市場からETF(上場投資信託)を全く買わなかった。4月も買ったのは1日だけ。購入額は701億円のみ。昨年は年間7兆円以上も買ったのに、4月以降はほとんど買うのを止めた。その理由について、日銀は「購入方法を見直した。今後は株価が大きく下落したときに限って買う」と説明している。しかし、なぜ変更したのかについては、何の説明もない。

このため市場では、日銀が①株価が3万円近くまで上昇したから、もう支える必要がない②カネ余りで株価は大きく下落しない③株価の自由な形成を阻害するなど、副作用が強くなった④株価が下落すると、巨額の損失を被る心配がある――と考えたのでは、などなど。いろいろ憶測が飛んでいる。

たしかに、日銀の株式保有高は大きくなりすぎた。ことし3月末のETF保有残高は、時価で51兆5098億円。東証1部の時価総額の約7%を保有、日本最大の株主となっている。これまでの株高で評価益は15兆4444億円。だからと言って、売り逃げるわけにはいかない。このまま保有額を増やして行くと、大きな問題を抱え込むことになる。

日銀がETFの購入方法を変えたことで、新たな問題も浮上した。1つは株価が下落して日銀が買い出動したとき、市場は「日銀が暴落を予想している」と受け止めないかどうか。もう1つは「日銀はいつETFを売り出し始めるか」という警戒感である。ワクチンの効果が出て景気が回復すれば、日銀は売り始めるかもしれない。透明度の低い政策変更に、市場は戸惑っている。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +111.97円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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