◇ 長期的なインフレ要因は人手不足 = 食料の国際価格も急速に上昇している。FAO(国連食糧農業機関)の集計によると、世界の食料価格は5月まで12か月連続で上昇。前年比では36.1%も高騰した。特にトウモロコシや食用油の値上がりが目立つ。FAOでは「天候不順の影響もあるが、主な原因は中国の需要増加。それに投機マネーが加わった」と解説している。食料価格の上昇は、中国の消費者物価を直接押し上げる要因となるはずだ。
食料については、中国の農業生産自体が困難に直面している。若者が地方から都市部に脱出、農村部の高齢化が進展。そこへコロナ禍で、外国人労働者の流入が途絶えてしまった。このため生産コストが上がり、収穫量も伸び悩んでいる。その結果、輸入に頼るから、食糧の国際価格を上昇させてしまう。そして、そのことが最終的には中国の消費者物価を引き上げる。
構造的な労働力不足も、長期的なインフレ要因だ。中国の生産年齢人口(15-64歳)は、20年時点で9億6776万人。ピークだった13年に比べると3800万人も減少している。慢性的な人手不足状態に陥っており、賃金の上昇圧力も強い。その意味では、中国の「低賃金を基盤とした世界の加工工場」というイメージは、確実に消滅しつつある。
コロナ後の景気回復に伴うインフレの発生が、アメリカでは懸念されている。そこへ中国発のインフレが、商品の国際価格と輸出を通じて伝播する。そんな可能性が次第に大きくなってきた。なにやら構図は、コロナと似ている。中国は強大な国家権力をもって、コロナを克服した。しかしアメリカは、世界最大の感染者・死亡者を出してしまった。同様の現象が再現されないという保証はない。
≪16日の日経平均 = 下げ -150.29円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
食料については、中国の農業生産自体が困難に直面している。若者が地方から都市部に脱出、農村部の高齢化が進展。そこへコロナ禍で、外国人労働者の流入が途絶えてしまった。このため生産コストが上がり、収穫量も伸び悩んでいる。その結果、輸入に頼るから、食糧の国際価格を上昇させてしまう。そして、そのことが最終的には中国の消費者物価を引き上げる。
構造的な労働力不足も、長期的なインフレ要因だ。中国の生産年齢人口(15-64歳)は、20年時点で9億6776万人。ピークだった13年に比べると3800万人も減少している。慢性的な人手不足状態に陥っており、賃金の上昇圧力も強い。その意味では、中国の「低賃金を基盤とした世界の加工工場」というイメージは、確実に消滅しつつある。
コロナ後の景気回復に伴うインフレの発生が、アメリカでは懸念されている。そこへ中国発のインフレが、商品の国際価格と輸出を通じて伝播する。そんな可能性が次第に大きくなってきた。なにやら構図は、コロナと似ている。中国は強大な国家権力をもって、コロナを克服した。しかしアメリカは、世界最大の感染者・死亡者を出してしまった。同様の現象が再現されないという保証はない。
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≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫