◇ 重視派と軽視派では大違い = アメリカの中央銀行であるFRBは先週16日「ゼロ金利政策は23年中に終了する」という見通しを公表した。3月時点では「24年中に終了する」見通しだったから、1年早まったことになる。現在の株高は基本的に、FRBの超金融緩和政策によって構築されている。それが無くなるのだから大変だ。ダウ平均株価は先週1190ドル、ことし最大の値下がりとなった。
このFRBの見通し公表は、やや手が込んでいる。政策決定機関であるFOMC(公開市場委員会)の委員18人に「ゼロ金利が終わるのはいつか」と聞いた結果、13人が「23年中」と答えたと発表するのだ。たとえばパウエル議長が「23年には終了」と言えば、非常に厳しい。それを決定ではなく、FOMCの雰囲気だと和らげて伝えているわけだ。
だが市場の方は、これを掘り下げて考える。「23年中にゼロ金利停止」ということは、そこでは「利上げが始まる」と考えていい。すると、その前に量的緩和政策は終了するだろう。それは22年中か。一度に終了するわけにはいかないから、いわゆるテーパリング(徐々に消滅)する行程は、まもなく始まる。それは10月、いやもっと早く7月にも。
いまFRBは毎月、国債を800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドルを市場から買い入れている。さて、6月の購入額は?7月の購入額は? 市場の関心は、ここに集中し始めた。もしかすると、いまこの時点から金融緩和政策の修正が始まっているのかもしれない。FRBの見通し表明を重視する投資家は、疑念を深めつつあるようだ。
(続きは明日)
≪21日の日経平均 = 下げ -953.15円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
このFRBの見通し公表は、やや手が込んでいる。政策決定機関であるFOMC(公開市場委員会)の委員18人に「ゼロ金利が終わるのはいつか」と聞いた結果、13人が「23年中」と答えたと発表するのだ。たとえばパウエル議長が「23年には終了」と言えば、非常に厳しい。それを決定ではなく、FOMCの雰囲気だと和らげて伝えているわけだ。
だが市場の方は、これを掘り下げて考える。「23年中にゼロ金利停止」ということは、そこでは「利上げが始まる」と考えていい。すると、その前に量的緩和政策は終了するだろう。それは22年中か。一度に終了するわけにはいかないから、いわゆるテーパリング(徐々に消滅)する行程は、まもなく始まる。それは10月、いやもっと早く7月にも。
いまFRBは毎月、国債を800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドルを市場から買い入れている。さて、6月の購入額は?7月の購入額は? 市場の関心は、ここに集中し始めた。もしかすると、いまこの時点から金融緩和政策の修正が始まっているのかもしれない。FRBの見通し表明を重視する投資家は、疑念を深めつつあるようだ。
(続きは明日)
≪21日の日経平均 = 下げ -953.15円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫