◇ 利上げへの警戒感を和らげる = アメリカの中央銀行であるFRB。まるでマジックのような手を使って、投資家の利上げに対する警戒心を取り払った。このため先週のニューヨーク市場では株価が急騰、ダウ平均は1144ドルも上昇した。FRBは投資家を洗脳するために、どんな手法を使ったのか。このマジック効果は、いつまで持続するのだろうか。
FRBが最初に切ったカードは、16日に開いた政策決定会合FOMCのあとだった。FOMCの委員18人に利上げの時期について聞いたところ「13人が23年中」と答えたという会合の内容を公表したのである。3か月前の同様の調査では「24年中」の回答が多かったから、市場は「利上げの時期が1年早まった」と受け取り、株価は急落した。
そのあとFOMCの委員でもあるセントルイス連銀総裁やダラス連銀総裁が「インフレ傾向が強まれば、利上げは22年中にも」などと演説。投資家は「7月にも引き締めか」と、利上げに対する警戒感を強めて行く。こういう環境を作っておいて、こんどはパウエル議長が22日に議会で証言。まず「インフレの心配は全くない」と強調、さらに「秋になれば力強い雇用創出が見られる」と、景気の回復を予想した。つまり金融緩和政策の見直しは秋になってからと、間接的に示唆したわけでもある。
これで投資家の多くはすっかり安心、株価も上昇した。しかし、よく考えてみると「22年中の利上げ」が否定されたわけではない。FRBはうんと脅かしておいて「それほど怖くはないよ」と言っただけだ。それでも市場は安心して、当分の間は警戒心を弱めそうだ。したがって、ダウ平均の史上最高値更新も可能性はあると予想するが、はたしてどうか。
≪28日の日経平均 = 下げ -18.16円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
FRBが最初に切ったカードは、16日に開いた政策決定会合FOMCのあとだった。FOMCの委員18人に利上げの時期について聞いたところ「13人が23年中」と答えたという会合の内容を公表したのである。3か月前の同様の調査では「24年中」の回答が多かったから、市場は「利上げの時期が1年早まった」と受け取り、株価は急落した。
そのあとFOMCの委員でもあるセントルイス連銀総裁やダラス連銀総裁が「インフレ傾向が強まれば、利上げは22年中にも」などと演説。投資家は「7月にも引き締めか」と、利上げに対する警戒感を強めて行く。こういう環境を作っておいて、こんどはパウエル議長が22日に議会で証言。まず「インフレの心配は全くない」と強調、さらに「秋になれば力強い雇用創出が見られる」と、景気の回復を予想した。つまり金融緩和政策の見直しは秋になってからと、間接的に示唆したわけでもある。
これで投資家の多くはすっかり安心、株価も上昇した。しかし、よく考えてみると「22年中の利上げ」が否定されたわけではない。FRBはうんと脅かしておいて「それほど怖くはないよ」と言っただけだ。それでも市場は安心して、当分の間は警戒心を弱めそうだ。したがって、ダウ平均の史上最高値更新も可能性はあると予想するが、はたしてどうか。
≪28日の日経平均 = 下げ -18.16円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫