経済なんでも研究会

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緩和の縮小? 引き締め入り? (下)

2021-06-09 07:54:36 | 金融
◇ 日銀は株式とETFの保有額を減らした = 日銀はリーマン・ショック後の不況や今回のコロナ不況に対処するため、巨額の有価証券を買い入れている。その買い入れ代金が市中に流れ、未曽有のカネ余り時代を招来した。最も多く購入しているのは国債。この5月末の保有残高は538兆5500億円にのぼっている。ことし1-5月間では、30兆4000億円の増加だった。したがって、日銀の量的な金融緩和政策はまだ継続していると認定できるだろう。

次に買い入れが多いのはETF(上場投資信託)だ。5月末の保有額は36兆1300億円。日銀はことし3月にETFの買い入れ方法を変更、株価の暴落時にだけ購入することになった。このため4-5月は701億円の買い入れにとどまっている。ところが5月末の保有額を昨年末に比べると1655億円減っている。昨年1-5月中には4兆円も買い入れていたから、ETFに関する限りは大幅な金融引き締めになる。

その一方、社債は1-5月中に1兆3000億円を購入。5月末の保有残高は7兆7600億円になった。また日銀は金融機関の資金繰りを助けるため、金融機関が保有していた一般株式を買い上げてきた。5月末の保有残高は5463億円で、昨年末に比べると507億円の減少だった。僅かではあるが、引き締めの方向に向いている。

国債の購入額が大きいため、この程度のことで政策に変化が出たとは言えない。だが日銀は目立たないところから、保有資産の整理を始めたと考えられないこともない。この小さな芽が、これから大きくなって行くかどうか。見守る必要はあるだろう。いずれにしてもFRBの社債売却は、その詳細まで公表してのこと。日銀は何も言わない。両者の相違点は、ここにある。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -55.68円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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