経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

来年度も ダラダラ景気?

2019-12-25 08:12:08 | 景気
◇ 政府見通しは1.4%成長 = 政府は先週18日の閣議で、20年度の政府経済見通しを了承した。それによると実質経済成長率は1.4%で、19年度に見込まれる0.9%を上回る形を想定している。景気対策の効果を評価したためで、内需は1.5%の押し上げ、外需は0.1%の押し下げ効果と計測した。しかし民間研究機関の予想は平均値で0.49%となっており、政府の見通しより1ポイント近くも低い。民間は景気対策の効果を、政府ほどは期待していないからだ。

物価の上昇を加味した名目成長率は2.1%の見通し。これも19年度に予想される1.8%成長を上回っている。仮にこの予測通りになるとすると、20年度の名目GDPは約570兆2000億円に。第2次安倍内閣がスタートした13年度と比べると、87兆円の増加。この間の年平均成長率は2.6%という計算になる。

過去の実績を調べてみると、政府見通しが達成されたのは13年度と17年度だけ。あとはすべて見通しが甘かった結果に終わっている。たとえば18年度の実質成長率は、政府見通しが1.8%だったのに対して、実績は0.3%。また19年度は政府見通しが1.3%なのに、現状での政府予想は0.9%。実際はもっとゼロ成長に近づきそうである。

なぜ政府は、甘い見通しを出すのだろうか。1つは高めの見通しを出さないと税収見積もりが下がってしまい、予算が組めないこと。もう1つは、政府自らがあまりにも低い見通しは出せないと考えるからだろう。しかし、こんな調子が続くと、だれも政府見通しを信用しなくなってしまうに違いない。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +9.47円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

増えない 財政支出 : 20年度

2019-12-24 08:11:28 | 予算
◇ 景気を押し上げる力なし = 政府は20日の閣議で、20年度の予算案を最終決定した。一般会計の総額は102兆6580億円で、前年度比1.2%の増加となっている。最大の支出項目は社会保障費で35兆8608億円、前年度比5.1%も増加した。公共事業費は6兆8671億円で、500億円ほど減っている。また消費増税後の景気テコ入れに、1兆7788億円を投入したことが大きな特徴だ。

新聞やテレビは「2年連続で100兆円を突破」とか「過去最大の規模」と報道した。だが、この捉え方には何となく違和感がある。というのも、政府はこのところ必ず年度末に補正予算を編成しているからだ。今回も19年度の補正予算として、3兆1946億円を計上した。この支出は大半が20年度に実施されるから、20年度中の財政支出は両方の合計額と考えるのが正しいだろう。

この観点でみると、財政支出額はすでに18年度に100兆円を突破している。また19年度は合計105兆1000億円だった。政府が組み上げた20年度予算と19年度補正予算の合計額は、105兆8500億円。すると20年度の財政支出は、ほとんど増えていないことが判明する。景気を押し上げる力は、全くないといえるだろう。

本予算であれ補正予算であれ、財源はどこからか捻り出さなければならない。したがって財政の将来に対する影響度は、補正予算を含めて考えることになる。また政府の公的な支出が景気に与える影響も、同様だろう。政府は財政再建の見地から本予算を小さく見せることばかり考えているが、これではコトの本質を見失う恐れがある。新聞やテレビも反省すべきだ。

       ≪23日の日経平均 = 上げ +4.48円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2019-12-23 07:36:34 | 株価
◇ NYについて行けない東京 = ダウ平均は先週320ドルの値上がり。史上最高値を更新して、2万8500ドルに迫っている。一方、日経平均は反落。週間206円の値下がりだった。2万4000円をあっさりと割り込んでおり、ニューヨークの活況にもついて行けなかった。市場の空気はニューヨークは強気、東京はやや弱気に傾き始めている。

その差は、主として経済の先行きに対する信頼度の違いにあるようだ。アメリカ経済は雇用が堅調で、年末商戦も活況を呈しており、個人消費も強い。このため企業の業績回復も早いと、投資家は期待している。これに対して日本経済の見通しは重苦しく、企業の業績回復にも期待が持てない。先週は来年度予算の編成も終了したが、市場はほとんど反応しなかった。

こんな調子で年末年始を迎えることになるが、ニューヨークはダウ平均のさらなる新高値を見込む投資家が多い。その一方、東京では日経平均が2万4000円台を回復できるかどうか。ニューヨークに追随するのか、年末を控えて利益確定売りが強まるのか。週初は上げても、その勢いが続くのかどうか。

今週は23日に、10月の全産業活動指数。25日に、11月の企業向けサービス価格。26日に、11月の住宅着工戸数。27日に、11月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計。アメリカでは23日に、11月の新築住宅販売が発表される。

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

横断歩道で 止まらない車

2019-12-21 08:48:35 | なし
◇ ワースト・ワンは三重県? = 信号機のない横断歩道。歩行者が渡ろうとしているが、車は止まらない。こんな歩行者無視の車が、最も多いのは三重県。最も少ないのは長野県。JAS(日本自動車連盟)の実態調査で、こんな結果が判明した。長野県では100台のうち68.5台が停止したのに対して、三重県では3.4台しか止まらなかった。

長野県に続いて成績がよかったのは静岡県で、停止率は52.8%。第3位は兵庫県で43.2%となっている。反対に成績が悪かったのは三重県、青森県、富山県の順。全国平均は17.1%で、前年の8.6%から大幅に改善した。それでもまだ8割以上の車が、歩行者を無視していることになる。なお東京都は5.5%、大阪府は16.5%だった。

ただし、この調査で「長野が最良、三重が最悪」と決めつけるわけにはいかなそうだ。というのもJAFの調査では、各都道府県について2箇所ずつしか調べていないからだ。もちろん、全部の横断歩道を調査することは難しい。だがサンプルに選んだ横断歩道によって、結果はかなり違ってしまうと思われる。

それでも、この調査結果でおよその傾向は判るかもしれない。悪い数値が出た都道府県は、それなりに対策を考える必要があるだろう。それにしても、なぜ長野と三重では、こんなに大きな差が生じるのか。その理由を解明できれば、事故はもっと減らせるに違いない。大学のモーター・クラブなど、研究テーマに取り上げてはいかが。

       ≪20日の日経平均 = 下げ -48.22円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   

大学共通テストは 必要なのか?

2019-12-20 08:07:45 | なし
◇ 文部科学省の“砂上の楼閣” = 萩生田文部科学相は17日、大学入学共通テストに「国語と数学の記述式問題を導入することを延期する」と、正式に発表した。すでに英語の民間委託は見送っているので、文科省が声高に宣伝してきた共通テストの改革案はすべて消滅したことになる。国語と数学の記述式問題は、適正な採点が期待できないため。また英語の民間委託は、交通が不便な地域に住む学生が不利になることが実施不可の理由になった。

萩生田文科相は「さらに検討を重ねて不備をなくす」と述べているが、不備を補う名案はなさそうだ。関係者によると、記述式問題の導入や民間委託案には早くからその欠点が指摘され、反対意見も少なくなかった。にもかかわらず、こうした案が浮上したのは各種の審議会の席上で、原案を作成した文科省の担当者が強引に議事を進めたからだという。

皮肉なことに、今回の一連の事件は萩生田氏自身の発言が引き金となっている。文科相に就任した直後のテレビ番組で、英語の民間委託に関して生じる不公平について「身の丈に合わせて」と発言。ここから民間委託の問題点が、世間の注目を集めることになった。さらに、これが国語と数学の記述式問題にも飛び火。すべてがご破算となったわけである。

ここまでくると、そもそもの大学入学共通テストについても、疑問が湧いてくる。文科省は「高校教育のレベルを上げるため」と説明しているが、詳しい趣意書を読んでもピンとこない。高校教育のレベルアップなら、高校の先生を対象にすればいいわけで、なぜ共通テストが必要なのだろう。まさか、文科省が天下り先を作ったとは思わないが。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -69.58円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>