経済なんでも研究会

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設備投資が増えた理由は?

2019-12-03 07:14:02 | 景気
◇ 財務省の説明はおかしいぞ = 財務省は2日、7-9月期の法人企業統計を発表した。その結果には、米中経済戦争や消費増税、さらにはオリンピック需要の減衰などの影響が色濃く反映されている。まず全産業の売上高は前年比2.6%の減少。このうち製造業は1.5%、非製造業は3.1%の減少だった。消費増税前の駆け込み需要で増えたはずの卸・小売業が4.0%の減収となったのは、やや不思議。建設業は8.6%の売り上げ減となっている。

全産業の経常利益は5.3%の減少。2四半期連続の減益で、製造業は15.1%の減少。非製造業は0.5%の増益だった。米中経済戦争の影響で輸出が落ち込み、自動車や電機を中心に利益が縮小した。非製造業は売り上げが減ったのに、利益はわずかながら増加した。この面には、駆け込み需要の影響があったのだろうか。

利益が伸び悩んだ割に、企業の設備投資は増加した。全産業では前年比7.1%の増加。これで12四半期の連続増加となっている。製造業は6.4%、非製造業も7.6%の増加だった。これには増税前の駆け込みが影響していると考えられるが、日経新聞によると財務省は「増税の影響はない」と説明したそうだ。ちょっと納得できない。

法人企業統計の結果は、来週9日に内閣府が発表する7-9月期のGDP改定値に反映される。設備投資の伸び率が予想外に高かったので、GDP改定値が上方修正されることは間違いない。ただ設備投資の数値が増税前の駆け込みによるものだとすれば、10-12月期にはその反動が起こりうる。GDPがマイナスになる可能性は大きい。財務省はそんな予測が広がるのを警戒して、説得性に欠ける説明をしたのではないか。

        ≪2日の日経平均 = 上げ +235.59円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2019-12-02 08:31:03 | 株価
◇ NYに追随した東京市場 = ダウ平均は先週176ドルの値上がり。週の前半は続伸して史上最高値を更新したが、最終日には反落した。前半の上げは、米中交渉についてオブライエン大統領補佐官が「年内の合意も可能」と述べたことが材料に。週末の反落は、トランプ大統領が香港人権法案に署名したためだった。結局は米中交渉に振り回された形だが、年末商戦が好調にスタートしたことも市場を元気づけた。

日経平均も先週は181円の値上がり。ほとんどニューヨークの市況に追随する形で、前半は上げ最後は下げている。景気の悪化を示す鉱工業生産や小売り売上高の指標も発表されたが、市場は全く動揺しなかった。これで11月は367円の上げ。3か月間の連騰となった。円相場がやや円安に振れたのも、支援材料になっている。

トランプ政権が中国製品に対する関税の再引き上げを予告している期日、12月15日が近づいてきた。それまでに米中両国が、部分合意に達するかどうか。年内の株価を決める最大の要因だが、香港人権法の問題が出てきて見通しは全く霧のなか。今週もその見通しに、一喜一憂することになるだろう。

今週は2日に、7-9月期の法人企業統計、11月の新車販売。6日に、10月の毎月勤労統計、家計調査。アメリカでは2日に、ISM製造業景況指数。4日に、ISM非製造業景況指数。5日に、10月の貿易統計。6日に、11月の雇用統計、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、11月の貿易統計を発表する。

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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