経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

ズサンきわまる 有観客オリンピック

2021-06-24 07:31:19 | なし
◇ 誰のためのスポーツ祭典なのか = 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は21日、会場の観客数を収容定員の50%以内、最大1万人にすると発表した。新型コロナの感染を防ぐための措置だが、どうにも例外が多すぎる。たとえば大会関係者やマスコミ、それにスポンサー関係者は別勘定。これらの人たちも1万人にのぼる見込みで、東京都の場合は各会場を合計すると、1日の平均入場者は20万人に達するという。

開会式も例外の取り扱いとなった。選手団に関係者、一般観客を加えると、入場者は3万人を超える見込み。コロナ対策を徹底し、安心安全なオリンピックを実施しようとするのならば、開会式だけは例外というのは実に整合性を欠いている。出来るだけ華やかな開会式にしたいと考えたのだろうが、それをテレビで見た若者がどう反応するのか心配だ。

会場で酒類を売ることは、やっと諦めた。専門家やマスコミが反対しても、主催者側はなかなか首を縦に振らない。それもスポンサーの意向を忖度したためだった。ところがスポンサーのビール会社が世論の動向を気にして主張を取り下げたので、取り止めになった。いったい誰のためのオリンピックなのか。

万一、オリンピック開催中にコロナ感染者が急増した場合は、直ちに無観客に切り替えるという。おそらく大混乱に陥るだろう。だが、その場合でも関係者の入場は認めることになりそうだ。するとテレビに映し出される観客席には、関係者やスポンサーばかりということになる。オリンピックは誰のための祭典なのか、疑問が深まるだけではない。日本は「コロナに負けた」という印象を、全世界に向けて発信することになる。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -9.24円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

FRB 「ゼロ金利停止」の 読み方 (下)

2021-06-23 07:26:48 | 株価
◇ 軽視派は「鬼が笑う話」と驚かず = 金融政策の大転換ともなれば、株価はもっと暴落しても不思議ではなかった。それが2000ドル以内の下落にとどまったのは、FRBの発表方法が巧妙だったからである。FOMC後に発表した声明のなかではゼロ金利終了にはいっさい触れず、逆に「当面は現在の緩和政策を継続する」と強調した。だから投資家のなかには、“緩和政策の終了”を全く気にしない人も少なくなかった。

「来年のことを言えば、鬼が笑う」という諺は、アメリカにはないだろう。だがFRBの見通しは再来年の話。そのとき政策金利の引き上げが出来るような経済情勢になるかどうか、いまの時点で判るはずがない。また仮に近く量的緩和のテーパリング(徐々に消滅)が始まるにしても、FRBはごく少額から始めるに違いない。

それにFRBは、物価と雇用の動向にも神経を使っている。5月の消費者物価は前年比5.0%も上昇した。しかし昨年4-6月はコロナ不況の真っ最中で、物価はほとんど上がらなかった。だから現在の物価上昇は「一時的なものであり、金融政策には影響しない」と、FRBは解説している。また就業者数は、まだコロナ前を760万人も下回っている。

こんな状態で、FRBがどんどん金融緩和を止めるとは思えない。また量的緩和を少し縮小したとしても、市中に流れるおカネの量がやや減るだけ。とにかく2年も先のことを、いまから真剣に心配する必要はない。軽視派はこう考えて、株価が下がれば買いに出る。こうした投資家が市場にいる限り、株価は下がってもすぐ反発するだろう。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +873.20円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

FRB 「ゼロ金利停止」の 読み方 (上)

2021-06-22 07:50:22 | 株価
◇ 重視派と軽視派では大違い = アメリカの中央銀行であるFRBは先週16日「ゼロ金利政策は23年中に終了する」という見通しを公表した。3月時点では「24年中に終了する」見通しだったから、1年早まったことになる。現在の株高は基本的に、FRBの超金融緩和政策によって構築されている。それが無くなるのだから大変だ。ダウ平均株価は先週1190ドル、ことし最大の値下がりとなった。

このFRBの見通し公表は、やや手が込んでいる。政策決定機関であるFOMC(公開市場委員会)の委員18人に「ゼロ金利が終わるのはいつか」と聞いた結果、13人が「23年中」と答えたと発表するのだ。たとえばパウエル議長が「23年には終了」と言えば、非常に厳しい。それを決定ではなく、FOMCの雰囲気だと和らげて伝えているわけだ。

だが市場の方は、これを掘り下げて考える。「23年中にゼロ金利停止」ということは、そこでは「利上げが始まる」と考えていい。すると、その前に量的緩和政策は終了するだろう。それは22年中か。一度に終了するわけにはいかないから、いわゆるテーパリング(徐々に消滅)する行程は、まもなく始まる。それは10月、いやもっと早く7月にも。

いまFRBは毎月、国債を800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドルを市場から買い入れている。さて、6月の購入額は?7月の購入額は? 市場の関心は、ここに集中し始めた。もしかすると、いまこの時点から金融緩和政策の修正が始まっているのかもしれない。FRBの見通し表明を重視する投資家は、疑念を深めつつあるようだ。

                      (続きは明日)

       ≪21日の日経平均 = 下げ -953.15円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

今週のポイント

2021-06-21 07:38:32 | 株価
◇ ダウはことし最大の値下がり = FRBは先週16日「ゼロ金利政策を23年中に止める見通し」を明らかにした。これによりダウ平均は5日間の続落、先週は計1190ドルの値下がりとなった。ことし最大の下落で、株価は4月初めの水準にまで押し戻された。FRBは緩和政策を終了する理由として「景気の回復」を挙げているが、市場では景気敏感株も売られてしまった。

日経平均は先週15円の値上がり。ニューヨークの市況が弱いから、どうしても上値は追えない。にもかかわらず下落しなかったのは、まず日本株が出遅れていること。加えてワクチンの接種が順調に進み始め、東京や大阪の緊急事態宣言がまん延防止措置に切り替わることで期待感も出たことによるもの。

FRBの見通し内容をもっと重要視すれば、株価はまだ下がる。それほど重要視しなくてもいいと考えれば、株価は反発する。今週は市場がどちらの判断に傾くかで、どちらかに大きく上下することになりそうだ。ニューヨークが反発すれば、東京も上がる。続落すれば、東京も下がる。

今週は24日に、5月の企業向けサービス価格。25日に、6月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは22日に、5月の中古住宅販売。23日に、5月の新築住宅販売。24日に、1-3月期のGDP確定値が発表される。

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (66)

2021-06-19 07:55:21 | なし
◇ アメリカは解除、イギリスは再封鎖 = 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)はここ6週間やや落ち着く傾向をみせてきたが、この1週間はその動きが止まった。世界の感染者数は累計1億7704万人、前週より261万人の増加。死亡者数は383万3075人で、前週より7万4858人増えた。この増加数は前週より8000人ほど拡大している。ブラジル・インド・メキシコ・イランなどでの増加が目立った。

日本時間18日午前0時の時点で各国の死亡者数をみると、アメリカは累計60万人を突破した。ただ1週間の増加数は2340人にとどまっている。次いでブラジルが49万人台、インドが38万人台、メキシコが23万人台。さらにイギリス・イタリア・ロシアが12万人台、フランスが11万人台、ドイツが9万人台、イランが8万人台と続く。

注目された現象は、ともにワクチン接種が進んだアメリカとイギリスの全く対照的な動き。アメリカはニューヨーク州やカリフォルニア州でもほぼ規制が解除され、すべての店舗が営業を再開した。ワクチン接種者はマスクも不要に。その一方、イギリスは感染者が増加し始めたため、ロンドンなど主要地域での都市封鎖が7月19日まで延長された。どちらが適正な対応なのか、その結果は日本にも参考になるだろう。

日本の感染者は累計78万0818人に。この1週間で1万0865人増えた。死亡者は1万4331人で405人の増加。緊急事態宣言の効果で、感染者も死亡者も増加数は縮小した。しかしオリンピックありきで、政府は緊急事態を解除、まん延防止措置に切り替えた。その結果がどうなるかは不明だが、下手をするとオリンピックの最中に緊急事態宣言ということにもなりかねない。

         ≪18日の日経平均 = 下げ -54.25円≫ 

          【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】    

            

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