だんだんと興味が離れていくような感じでした。
レイアレンをはじめ個性的な選手は次々といなくなり
出てくるのは、スピードと長距離シュートという選手
ばかりとなっていました。
その最たる例としてサンダーのケビンデュラントがファイナル
を制すると思われましたが、レブロンに阻まれ世代交代はまだ
という印象を与えました。
そんなサンダーより一足早くさらに新世代のウォーリアーズ
が昨季はその力を見せつけたわけで、今期に入りさらにその
力は増して数々の記録を作りウエスタン一位でシーズンを終え
ファイナルに進出しました。
となればこれは今期の優勝も決まりだろうとさしたる興味も
なく、さらにまたNBAはつまらないものになってしまったと
思われました。
しかし、ファイナルに入るやカリーが捻挫で欠場してかなり
序盤苦戦をしました。
けがから復帰してもそのシュート力がシーズンとは違い、決定力
がかくっと落ちました。
そして、おやっと思わせたのはウエスタンの覇者を決める
サンダーとのカンファレンスファイナルでなんと一勝三敗と
王手をかけられしまいました。通常先に王手をかけたチームが
勝ち上がる確率が圧倒的に高く、さらに三勝一敗では88%の確率で
一敗から勝ち上がったチームは288回中7つしかないという状況で
この試合はホームに帰ってカリーの復活がないまま、それでも
どうにか勝ったという印象です。
それもファウルが多く、フリースローも入りらずという先の見えない
展開で、なんともすっきりしない試合でした。
一番気持ち悪いのは、カリーや鈴木星人そっくりなクレイトンプソン
に集まるマークをよそにゴール下にイグドラは空いていてゴール下に
到達して待っているのにパスしなかったり、最後の攻めに選ばれずに
ターンノーバーしてしまうというケースがこの試合多かったのです。
また、シーズンでも多かったリードしているのにファウルゲームを
仕掛けるハックザシャックのようなセンターへのファウルをサンダーは
とりました。
後半こういうシーンはウエスタンのゲームではよく見る光景ではあり。
それだけフリースローの確率の悪いセンターが増えたということだとは
思うものの、不思議なのはそれが成功したとは思えないことです。
やればリズムが悪くなるし、見ている方も苦痛です。
そんなリスクを冒してもとる作戦かということで、さらに
ましてやせっかくリードしているのにリズムを崩してまでも
ファウルを続けてその後の得点が得られる攻撃が効果的に
続けられるのかということを考えると決して選ぶべき作戦
とは思われないのになぜか繰り返し最近とられます。
それと同じことで、今季のシーズン終了近くでレブロンが
怪我でもないのに休んだことがありました。
ファイナルに向けての休養ということらしいのですが、
まあそういうエースを休ませるというのは前からありましたが、
今季のはかなり長くそれも全くの休養ということで、それでは
却って選手の調子とチームの整合性も落とすことになると思われ
ます。
そんななぜがファンを無視したようなそれでもそれが結果的に
効果があるならなのですが、どうみても疑問の方が多いファン
無視の手段で選手のエゴとコーチの哲学の誤りのように感じ
ます。
そんな楽しめないことが増えた中でのこのカリーのファイナルに
入ってからの不調は晴れないものとして、このままここで
終わるのかと思わせるものでした。
シーズン中も執拗なマークを受け、それでも連続でスリーポイント
を決めて見せたり、マークを振り切ってシュートを続けてきました。
それが、ファイナルでは封じられ並みの選手に抑え込まれサンダー
の強さばかりが目立ちました。
必要以上に気負いすぎているグリーンや最後の決定力に使われない
イグドラと疑問ばかりが募りすっきりしないうちにそのゲーム6は
始まりました。
サンダーのホームに移り青一色に染まる観客席に異様な雰囲気の
中、青いユニホームを着るのはサンダーではなくウォーリアーズ
でした。
かと言ってアウエーでのリスクがなくなったわけではなく、
相変わらずカリーには三人が付く執拗なマークできます。
シュート確率は以前低く、そもそもスリーを打つ数が少なくなり
完全に封じられているのは同じです。
10点以上のリードを常に許して、やはりこのままで終わるのかと
思われました。
実はこの試合ビデオに慌てて採ってみたのですが、次のゲーム7も
予約しなくてはとテレビ欄をみてもその放送予定がないのです。
さらに先を見ていくとファイナル決勝戦の予定は6月3日にあるので
これはこの試合このリードされたまま終わるものと諦めにもにた
気分で後半を見始めました。
前半はカリーを諦めいつになく出場時間も短めで、後半にはあの
ファウルゲームでリードを確実なものにしようと迫ってきます。
ファウルを受けたボウガットは普段は50%以上ある選手なのに
二本とも落としてしまいます。
攻撃機会を奪われて、時間も使われてこのまま負けてしまうのかと
思われた中、まだ諦めていないとばかりにトンプソンのスリーが
ぎりぎりのタイミングの中、打たれ決まります。
さらにゲーム5ではなかったイグダラがゴールに向けドライブして
決めに向かいます。
そして、カリーがスリーを決めて同点に追いつき、さらにドライブで
切れ込んでファウルを受けてフリースローを得ると両手を天に上げ
七を示します。
フリースローを決めても5点差にしかなりません。
あと数十秒残っています。
それなのにこのフリースロー自分は決めるだろう、そしてこれで
このけーむは勝利してゲーム7に進む権利を得たという確信を得ての
7だったのです。
こいつは全てわかっていてこういう演出で最後の最後でひっくり
返すつもりの展開を最初からやってのけたのだとこの青一色の
コートで確実に勝つための作戦だったのです。
誰もがサンダーの勝利を確信し、これがバスケットだという
お揃いのTシャツで応援するファンもこれはやられたと思った
のではないでしょうか。
まさに死んだふりでそれでもノーガードの打ち合いの果て
最後の一撃はとってあり、最後のカウンターで仕留めたような
試合でした。
いかにデュラントのオールランダーぶりとウエストブルックの
卓越したスピードがあっても少し届かなかったと思わせる見事な
試合でした。
スペイツやイグダラ、グリーンとロパーソンといった脇の力が
光り、試される試合でもありました。
最初はどうせウォーリアーズの連覇で終わりだろうと思った
盛り上がらなかったシーズンだったなあで終わるところが
カリーの実力を見るシーズンとなりました。