土曜のアイルランド対日本のラグビーワールドカップ一次リーグの試合は
歴史的な日本の勝利と報道されました。しかし、その扇情的な報道ばかりにラグビーの
相手へのリスペクトはなく、敵を倒したというような疑似戦争的な表現ばかりでマスコミの
レベルというかスポーツへの意識の低さが感じられます。
一方経済とか社会現象としての報道も盛んでレプリカジャージが前回の大会時の十倍売れてるとか
日本が勝つことが経済効果になるという分析など当たり前すぎる絵の作りに町の声は正直に勝利に
酔うかのような現象を作り出しています。その中でビールの消費に触れサッカーの試合に比べラグビーは
六倍になるので各飲料メーカーやスタジアムは品切れにならないように準備しているという報道が
ありましたが、これはスタジアムがサッカーの収容人員の六倍であり、ラグビーファンがのん兵衛だ
ということではありません。
スタジアムはテロ警戒のあまり飲料や食料の持ち込み禁止のところが多く、売店コーナーには長い列が
できたといいます。かといって野球場のようにビール樽を背負った売り子もいないのです。
そんな中、昨日のオーストラリア対ウェールズの試合を見てみると日本の試合というのが実にクールで
危険なタックルや相手の反則を誘うような攻撃的なものでもなく実に高次元で日本的な正々堂々としたプレー
だというのが理解できます。戦術的な緻密なパスや機転の速いひらめきと瞬時のキックや化学変化を誘うかのような
短いキックと愚直な突進とスクラムのチーム力など体格差や体重差など見た目や数値上の不利を感じさせない
パワフルな攻撃にただ劇的に勝利したのではなく、当然の結果としてアイルランドに勝ったのだという感じを
改めてしました。
ウエールズは倒れた選手からインターセプトしたり見ていてあまり正統性や正々堂々のプレーというより
こずるいプレーだったり、後半怒涛の追い上げのオーストラリアも日本も後半一気に追い上げ怒涛の逆転を
しましたが、オーストラリアのような稚拙なミスや明らかな荒い攻撃といったものもなく、確実なダブル
タックルとか追い詰めていくような力での愚直な攻めなど皆正統性があり見ていて奇麗であり、ラグビーの
精神である相手へのリスペクトを画面からも感じます。
そういう基本的魅力を伝えることなく、劇的な勝利とか勝って飛び上がり喜ぶ姿やサモア戦への意気込みばかりを
毎日放送していますが、本来のノーサイド後はチームメイトと飛び上がって喜ぶ姿でなく、相手の健闘を称える
姿こそ放送すべきなのです。それともう一ついつも思う事はサッカーにしろラグビーにしろ誰も疑問にしませんが
私はいつもこういう国際大会に際して強い違和感を感じるのはなぜイギリスだけウェールズやスコットランドや
イングランドなどという地域名の出場枠を持つのかという事です。みんなどの国も国単位でしか出場枠がないのに
イギリスはサッカーは四枠あり、ラグビーでも三枠です。サッカーファンの人にこの違和感を問うてもなかなか
すんなりとした答えを返したことがなく、そもそも疑問にすら思っていない人が殆どです。私はそもそもこういう
スポーツが大航海時代の植民地支配と同時に各国に伝わり、そのグローバリズムと占領の残滓でサッカーもラグビーも
自国第一主義を主張しナショナリズムを鼓舞するのに使われているのと世界平和や超国家や目指したヨーロッパに
また新たな影を差している現状など複雑な現状を見ているわけです。
特にラグビーの外国人枠などはそれを著していて国としての縛りより協会所属というどこの協会かを選ぶことに
重視され国という枠での考え方ではないのです。よくプロ野球などで外国人枠として登録できる人数を制約したり
していますが、自国での競争より他国での出場枠を得るために移籍するようなそんなせこい考えでもないです。
ラグビーの場合一度選んだ協会は変えることができないということを考えるとただ単に自分のスキルを高く売りたい
という事や国際的に有名になりたいという自分の欲ではなく、その協会へ参加する意欲が強くないと代表へは
なれないでしょうし、実際今の日本の外国人たちは高校ぐらいから日本にやって来て日本での生活とともに
ラグビーを愛し日本を好きになったという人が多いようです。
そうすると直ぐに日本のために戦ってくれる力強い人とマスコミなどは都合よく持ち上げますが、それほど
彼らに国境のこだわりとか日本愛はないのかもしれません。たまたま所属したのが日本の協会であり、それが
選択として当然で合理的だっただけなのですが、それがマスコミに日本のために戦うという戦場的な言い方や
捉え方は迷惑なことかもしれません。
この協会ということで先のウェールズやイングランド、スコットランドという枠があるわけでそもそも協会の
方が国のくくりより古くからあり枠が残ったというのがイギリスだけずるいと感じる結果です。
実はこの協会の問題は日本でも感じる事が出来ます。私がやるバスケットでも例えば友好関係にある豊島区と
いつも交流試合をしていますが、例えば夏にそれぞれのミニバスで同じように交流試合をしようと計画したと
するとなぜかこの協会問題が出てきて秩父のミニバスと豊島のミニバスでは所属する協会が別なのでそれぞれが
参加する大会などでなければ対戦できないという問題がありました。
同じ競技をしていてただの親善試合でも協会での交流がないと試合できないというのはなんともばかげた話です。
一方豊島との試合では秩父対豊島という試合は毎回最初に行われますが、後はごちゃ混ぜになってゲームを
楽しんだりします。それぞれ勝利という結果よりゲームを楽しむ、同じ競技を楽しむことです。
プレイヤーに豊島だ秩父だというこだわりもなく、それにそもそもなぜ豊島と秩父は友好関係にあるのかも知る
人は少なかったりします。
同様にラグビーでもそんな日本人のために戦うとか日本とか自国の国籍とかの意識は強くなく、たまたま選んだのが
日本の協会程度の事でそれより今のチームで全力を尽くしお互いのリスペクトと相互理解がすべてなのだと思います。そう
いう自己表現を勝手にマスコミは日本人のために戦う外国人と捉えたり、都合のいい日本愛を持ち出すのは意味が
違うと思います。
ただ、そのチームによりチームスピリットがあり、取る戦術も特色も現れるわけですが、それは選手ひとりひとりの個性の
集合であり、精神的背景であり、それがやはり日本的という事やサムライ的な戦術という共通項は出てくるものでこれが
魅力として感じられるかというのも重要な点です。前の監督のエディジョーンズは知将として知られその指導のおかげで
南アフリカに勝利するという快挙があったと誰もが認識しています。世界戦略的にみてオフロードパスやノールックパスは
当たり前に行われていてそれを禁止して愚直なラグビーを指導したエディー氏でしたが、コーチが変わりさらなる進化は
このオフロードパスの解禁や個人のスキルと自発性をさらに求めてより速い展開のパスと事態を打開する機転を生む発想力
でした。そして愚直なラグビーは生きていて体格差パワーで勝る相手に確実にダブルタックルで止めていくというがちっと
したところはきれいに徹底して行われごまかしやこずるいスキルなどでなくきっちりとチームで対処した勝利に歴史的なんて
マスコミの使う言葉でないものを感じました。
こんな見ていて面白いラグビーにランニングの時間が削られてしまっているこの頃、それでも放送予定を見つけては片端
から見る状況になっています。
バスケットをしていると後ろにしかパスできないというのは実にもどかしいのですが、実はキックは前にしてもいいので
これは完全に前にパスを禁じられたわけでもないのです。
ただやみくもに前にけり出しても相手ボールになるだけです。ただ、ファウル後のフリーキックでは外にけり出しても
自軍のスローインで再開と俄然優位になります。そんなに厳しいルールながらモールやスクラムなどラフな攻撃に
走り反則、もしくは相手を苦しくさせて反則を誘うのか、他国同士の試合ではモールでもみ合ったり、危険なタックルなど
の反則はままみられます。こういうところからも日本のラグビーの差を感じそれが明らかな特徴を持ちますます
面白く感じるのです。
各チームの特色とか戦術とか得意としている
ところなども理解出来また楽しくなってますます他の試合も見てしまうという結果になっています。
さて、この自国優先の放送で他の試合はあまりないのですが、国粋的なことと日本の珈琲事情を見ていくと不思議なことに
いくつかあたります。一番面白いのは日本の喫茶店のストレートという表記で国ごとの豆を飲む習慣が日本には昔から
あるのですが、なぜかメニューに載るのはモカ、キリマンジャロ、マンデリンなのです。
豆売りをしていますと生産国表記というのが食品表示法で決められていますので、そのような売り方はできないのですが、
昔から有名なブランド的なものはあり、コピルアクとかジャンクコーヒーとかもあります。そして、なぜかジャカルタも
コーヒーの産地としてとらえている人がいてジャカルタのコーヒーをくれという人がいます。
これも喫茶店文化の遺産といえるのでしょう。ジャマイカのブルーマウンテンは有名で古くから日本ではおいしい
コーヒーで世界一のコーヒーはブルーマウンテンと信じている人がまだ多く存在します。ただ、その実物を味わって
いる人は少なく、現実の味を知らずに世界一はブルーマウンテンというイメージの人もいます。ただそんな人の中には
どこがジャマイカかということやハイチとドミニカとの区別とかそんなことも知らずにコーヒーはブルーマウンテンと
主張する人がたくさんいます。さらに語感が似ているからかジャカルタもコーヒーがうまいところという人がいます。
中にはジャカルタで飲んだコーヒーがうまかったという人もいてジャカルタのコーヒーをくれということになるの
だと思います。
最近はジャカルタのコーヒーチェーン店を巡ってきたなどという人もいて安くて色々と楽しめる地として注目して
いる人もいます。
ジャカルタはインドネシアのジャワ島にあり、マンデリンはスマトラ島です。日本人が愛してやまないマンデリンですが、
実はどんな味か知る人は非常に少なく、当店にマンデリンをくれと言われても直ぐには売る気になれません。というわけで
いつも試飲していただいて本当のマンデリンの味を知っていただくことから始めますが、かつてマンデリンしか飲まないと
言っていた人もいつのまにか次から次に当店の色々な豆を飲み出すという事になって行きます。
そこら辺のいきさつや試飲システムについては来店時に聞いていただくとして、さらにこのジャカルタコーヒーに
ついてみていくと日本のようにサードウェーブが複数鎬を削るという状況前夜の昔のカフェがやっとコーヒー牛乳の
様な飲み物を売り出したという安い感じのカフェが楽しめる地となっていてそれを楽しみジャカルタコーヒーとして
紹介しているようです。
つまりスマトラのマンデリン、トラジャなどの有名コーヒーとは何の関係もなく銀座でむかしブラジルのコーヒーを
飲むのが流行って銀ブラという言葉ができたように都会で飲むコーヒーという意味で味は全く関係ないばかりか
中心の豆がジャワ島に限った話でもないことは理解してください。
最後になりましたが、重大な発表を致します。
当店は諸事情により、店舗の移転をすることになりました。
新しい店舗は同じ秩父市で相生町6-8になります。
実際の移転の日や豆の販売状況は順次お知らせいたします。まず新店舗の工事の具合いなどで
変更もありますので、お問い合わせください。