店頭で題の特異さに引かれて買ってみました。
『信じない人のためのイエスと福音書ガイド』
目新しい事はなかったものの、福音書を横断的に整理して
比較し、書き手の特長とかかれた時間軸と場所の違いなどの
理解することができます。
しかし、宗教が果たしてきた時代的な背景やら戒律の意味と
いう宗教の持つ意味とか世界的な意味とかは期待できません。
そもそもキリストが歴史的に実在の人として、その歩んだ
道から言葉の記録として各福音書があるものとして説明され
ていますが、それは果たして公平で公正なことでしょうか。
聖遺物として、キリスト関連のものが実際に数多く残され
ていますが、それはほとんどが偽物であるとされています。
歴史書としては不確かでそもそもキリストの実在を示す物
も世の中には存在していなのに、実在し史実の人として
語るのはそもそも信じない人には向かないのではと思われます。
今から数年前にクムランとか遺跡から古文書が発掘された
と言うニュースが注目されたことがあります。
その後、キリスト教に関する本も多数発表されました。
世の中の人はその時に、いまさらキリストが実在していた
かどうかが問題になること自体驚きだったはずです。
新聞にも度々、キリスト実在を示す証拠云々の記事が出ます。
日本人にとってはひどく不思議な話です。
そもそも今世界中で使われている暦もイエスキリストが
生まれたときを紀元にして作られているはずです。
ならば、なぜいない人の事を計算して暦など作るので
しょうか。
そもそものそんな疑問から解かれている本だと思ったら
マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネはそれぞれこうなっていると
言うものでそれだけなら本を買う必要があるのかと言う
内容です。
ひとつ気になったのは、イエスが治した皮膚病という
ところなのですが、多くの翻訳がらい病なのですが、
この本ではそうじゃないと書かれていたたことです。
昔は、らい病は不治の病で神の罰として人にも移るので
離島に隔離されたりしました。
今でも離島に専門病院があります。
そして、キリスト教でも仏教でもこれは神(仏)の罰と
書かれていて、現代ではそれは間違いで、薬で治るし
伝染力も弱いと訂正されています。
つまりは、宗教なんて全てうそであり、神も仏もいんちき
であった証拠になってしまったのです。
そういう事もあって、らいと聖書中の皮膚病とは別物と
言ういいわけが広まったのかもしれません。
まあそう言う根本的な事は抜きにして、聖書の構造は
こうだよという程度の事でいい人には読むべき本でしょう。