与謝野町加悦は京都と丹後を結ぶ物流の拠点として発展、機音が響く丹後ちりめんの町。
旧街道沿いの町並みは通称「ちりめん街道」と呼ばれ、重要伝統的建造物保存地区に選定されている。
現在のちりめん街道に並ぶ建物約260棟のうち約120棟が江戸、明治、昭和初期のものだそう。
そんな風情のあるちりめん街道を歩いた。
創業明治23年の老舗旅館、井筒屋はちりめん街道で現存する唯一の旅館。
大正6年に建てられたこの地域では初の西洋医学の診療所、旧伊藤医院診療所。
玄関の漆喰レリーフが豪華で細やか。
加悦の左官職人、萬吉の手によるもの。
丹後ちりめんの始祖、手米屋小右衛門の本家。
杉本家住宅の主屋は、江戸時代の建物を大正初期に移築した建物だそう。
杉本家住宅の裏手には丹後で唯一現存する明治時代のちりめん工場である西山工場がある。
明治29年から41年にかけて3棟の工場が建てられたそう。
明治後期には、第1工場から第2工場へ二階の廊下で繋ぎ、加悦谷で最初のドイツ製の発動機が導入されたという。
2階を空中ケーブルで結んだ名残が残っている。
現在も「ガチャガチャ」という機音が聞こえていた。
大正9年に建てられた旧丹後産業銀行の加悦営業所。
丹後の金融機関は融資の担保にちりめんや反物を取ることから、蔵が大きくつくられているのだとか。
昭和6年建築の旧川嶋酒造酒蔵。
街道沿いではないが、腰折れ屋根にしゃちほこが乗ったこんな洋風の家も発見。