
宝塚市役所本庁舎を見学した後はマイクロバスに乗ってカトリック宝塚教会へ移動。
こちらの教会は、2009年に2度訪れてから、久々の再訪。
カトリック宝塚教会は、1965年建築で、宝塚市庁舎より10年以上前に建てられたもの。

教会は、三角形の敷地内に建っていて、阪急電車の線路沿いから見るとハイヒールを逆さにしたような造形だけど、

正面に回り込むと、全く違う形状に。

更に真正面。
ゆるやかな弧を描く銅板貼りの屋根がかすかに見える。
コルビジェのロンシャンの礼拝堂にも影響を受けたといわれるフォルム

被昇天の聖母マリア像と内側に格子の入った窓。

住宅に囲まれた教会の周りをぐるりと一周。
家と家の間からそびえ立つ塔の銅板屋根がよく見える。

こちらは塔の背面。
まっすぐな面かと思いきや、こちらもゆるく外側に膨らんでいた。

地面と接する土台のセメント部分は、荒々しく見えるが、
人口と自然の間を表現しているのだそう。

銅製のガーゴイルも。
ガーゴイルの下には、水はけの為、石が敷き詰められていた。

地面に自然に馴染ませるような建物との繋ぎ目。
線路側の面は、防音面からも窓を覆うように深く軒が垂れ下がっている。

聖堂の入口。

聖堂内は、クジラの胎内を思わせるように大きく波打つ天井に包まれるような空間で、天井は、細くカットされたラワン材を貼り合わせて表現されている。

音響効果も考慮されていて、天井のうねりに反射する光もきれい。

祭壇には、木製の格子を背景に十字架上のキリスト。
祭壇両脇には作野丹平制作によるステンドグラスが入っている。

組み木による三層の格子は、落ち着いた和の風合い。


聖堂内にある椅子は、いぐさを編んだ座面のもので、長椅子ではなく
一人掛け用のラッシュチェア。

周囲の壁面の柱には、木彫りでキリストの生涯が表されている。

その上の照明が、形が可愛い上に、水玉模様とは~

祭壇から向かって左サイドは、スリットが入り、明り取りの窓が入っているが、

線路側の右サイドは、外側の深めの庇に隠れるくらいの高さに小窓が並べられていて、左右非対称の造りになっていた。
壁面もこちらは、北欧積みで積んだ煉瓦の上に白いペンキがぬられている。

二等辺三角形の建物の一つの頂点部分には、小聖堂が設けられていて、
入口は、祭壇と同じく格子のスクリーンや縦横に渡された柱で構成されていて、このアシンメトリー感がおしゃれだった。

スクリーンの足元には、石!?
何この演出は~

小聖堂内。
小さな小窓もついている。

もう一つの頂点は、2階に聖歌隊席のあるスペース。
2階へ上がる螺旋階段は、シンプルなラインの手すりが付いていた。

2階へ上がると、天井はすぐそばに。
近くで見ても細い木材が隙間なくきれいに貼られた天井だった。

2階から聖堂を見下ろす。

この日は宝塚市役所本庁舎とカトリック宝塚教会と、村野藤吾による二つの全く雰囲気の違った建物を詳細な解説付きで楽しむことができた充実のツアーだった。