蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

愛着障害  (bon)

2015-02-11 | 日々雑感、散策、旅行

 小5の男児が殺害されたり、育児に疲れた若い母親が、4歳、1歳のわが子を殺害するなどの痛ましい事件が
後を絶ちません。

 一昨年、広島で、16歳の女子高生6人が集団で、18歳の男性殺害事件がありましたが、この事件を捉えて、
愛着障害” の話題が、先ごろの 国谷さんの番組(NHKクローズアップ現代)で取り上げられていました。 
“発達障害” という言葉は聞いたことがありましたが、今回のこの “愛着障害” は、初めてでしたので、少し
勉強してみました。

 例よって、ウイキぺディアやその他のネット記事からその一部を読み取って、簡単にまとめてみました。
関心のある方は、ネット検索しますと かなりいろんな情報が掲載されていますのでご参照ください。

 「 愛着障害とは   ①   生まれて2年目までに形成される通常の母子間の愛着形成;  ②   通常の愛着が
2-3年以内に形成されない場合には、愛着は遅れて形成されるとする愛着理論に基づいている心理学
用語である。」
 と定義されていて、 “乳幼児期に長期にわたって虐待やネグレクト(情緒的・身体的欲求の無視、放置)
あるいは 養育者(愛着対象の変遷)を誘因として、保護者との安定した愛着(愛着を深める行動)が絶たれたことで
引き起こされる障害の総称。この点、発達障害(自閉症スペクトラム障害)など児童側の問題によらない障害である。”  
とまとめられます。

つまり、愛着障害とは幼児期に母親および父親からの適切な愛情を受けられずに生育することで生じ、
「快適さ、刺激、愛情への欲求を無視されたことに対する反応としての社会的関係性の障害」であるとも言うことが
でき、
 甘えたい時に甘えられない、頼りたいのに頼れないという状態が続いたことにより問題行動があらわれる
こころの病で、後天的なものです。

       コミュ二ケーション
             (ネット画像)

 

 一般に、愛着障害を示す子供には恐怖感と不安感を隠し持ち、衝動的・過敏行動的・反抗的・破壊的な
激怒反応を起こしやすく、人を信じない、威張り散らす、人を操ろうとする行動が見られる一方で、情愛・表現能力・
自尊心・相手に対する尊敬心・責任感などが欠如している場合が多いといわれている。  他人とうまく関わることが
できず、特定の人との親密な人間関係が結べない、見知らぬ人にもべたべたするといった傾向もみられる。
施設などで育ち、幼少期には手のかからなかった子供が、思春期に万引きなどの問題行動を起こす例もある。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)が激しい子どもは過剰な愛着障害に陥っており、たいへん攻撃的だったり
極度に人見知りで内気な性格や行動をとる。
そして、愛着障害は「抑制型」と「脱抑制型」に、(あるいは「反応性」と「脱抑制性」に)分けて考えられています。

脱抑制型は、親よりも全然関係のない他人の方が好きだというような行動を取ったり、言ったり、また、
初対面の人でも誰にでも馴れ馴れしく近づき、まるで知り合いのように話しかけたりします。過剰な親しみを示し、
一見社交的に見えますが、無警戒で相手をよく吟味しようとしないなどの特徴があります。

抑制型は人との関わりを避ける傾向にあり、感情を抑えこんでしまう症状です。 おどおどしたり、猜疑的
(さいぎ的:恨んだり、ねたんだり)になったり、人を信じられなかったりします。 優しく接してくれているのに
腹を立てたり嫌がって泣いたりと全く矛盾した態度を見せることがあるという。 誰にも愛着しない警戒心の強い
パターンになるものを抑制性愛着障害ともいう。

 愛着障害をかかえたまま大人になると恋愛と結婚に大きな障害となってしまうケースがあるようです。
恋愛状態になると過剰に甘えすぎて、相手に負担に思われるか、もしくは反抗しまくって破綻することが多くみられる
そうです。 一般に、周囲とうまくいかないことが多く、孤立してしまいがちになるようです。 いずれにしても、 
子どものころの愛着パターンは大人になると、そのまま愛着スタイルに発展し、七、八割の人で生涯影響を
及ぼすと言われています。

 では、愛着障害の治療法というのはあるのでしょうか? 
ネットで調べる範囲ではこれといった特効的なものは見当たらなかったですが、やはり、年齢的にも早い方が
より好ましいようで、その子に関わっている養育者との分離を含めた適切な養育環境を提供することが必要である
という事なんですね。 一口に、適切な養育環境を提供するといっても、現実にはなかなか難しい問題だと思います。
そして、事の重大性が、その時にはあまり認識されにくい(養育者との関係において)訳ですから、大体そのまま
大人になって行くのではないでしょうか?  しかし、その中で、愛着障害に見られる現象に本人が気が付くことも
大事であり、その場合には専門医などに相談することから改善に向けた第1歩が始まるのです。
 幼児期であれば、包括的な介入として、乳幼児-親治療、親個人への薬物療法や心理療法的アプローチ、
家族療法的アプローチ、地域資源や社会福祉サービスの提供(家政婦や経済的支援の提供を含む)などが考えられ、
これらの介入を通して、養育者が乳幼児の愛着行動に対して適切な感受性をもった養育を行えるように支援して
行くこととなります。

 しかし、ある程度成長してしまった場合には、いわゆる “アダルトチルドレン” は、その行動が、人の顔色を
うかがう、人に合わせていないと嫌われそうで怖い、心が開けない、本当の自分を知られたらきっと嫌われてしまう、
だから近づけない、自分は存在価値がない・・ などと否定的な面が強いため、時間をかけて 「自分をきちんとン今日
受け入れてくれている」 と感じられるような、安心できる人や環境が必要だといいます。 その安心感の中で、
得られなかった安心感を得て、心の中に安全基地を作り、そこで自分の思うことや感じることを話せるようになって
いくことがアダルトチルドレンの回復と成長には大事だということです。  むずかしいですね。

 人間が、長い時間をかけて一人前になるには、大変なことですね。 むずかしい問題ですね。



 

 

 

 

 

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