今日から3月に入りました。
5日は啓蟄ですし、中旬には奈良二月堂のお水取りが終わり、いよいようららかな日和
がもうすぐそこまで・・春の準備は着実に整えられています。 草木は土の中ですでに
活動が始まり、せせらぎはキラキラとまぶしい光を照らし、土筆も伸びてくるでしょう。
難関を突破した新入生、進学生は期待に胸を膨らませ、新社会人も、心躍る日々を
迎えているころでしょう。
世界情勢は激動と不安の渦に巻き込まれそうで、さらに拡大の様相を呈しています。
花粉症などアレルギーを抱えている御仁には嫌な季節かもしれませんが、ほんのしばらく、
穏やかな心で しばしの休息を楽しむとしても可なりかなと思います。
有名な俳句、和歌を引用してみました。(順不同)
・春の海 ひねもす のたりのたりかな 与謝蕪村
・花の雲 鐘は上野か 浅草か 松尾芭蕉
・君がため 春の野に出でて若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ 古今:光孝天皇
・久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ 古今:紀友則
・花の色は移りにけりな いたづらに わが見世にふる 眺めせしまに 古今:小野小町
・紅の 二尺伸びたるバラの芽に 針柔らかく 春雨のふる 正岡子規
・世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし 古今:在原業平
・いにしへの 奈良の都の八重さくら 今日ここのへににほいぬるかな 伊勢大輔
・高砂の 尾上の桜咲きにけり 外山のかすみ 立たずもあらなむ 大江匡房
・願わくば 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ 西行法師
・ゆく春や 鳥なき 魚の目になみだ 松尾芭蕉