今日、8月15日は終戦記念日です。 あれから73年も経ったのですね。
今や、豊かで平穏な成熟社会を迎えています。少子高齢社会に突入し、
地球温暖化、貿易戦争などによる国際緊張が高まりつつあります。
サマータイム とは、懐かしい響きが感じられますが、このほど、2020年東京五輪、
パラリンピックの暑さ対策として、標準時を 2時間早める「サマータイム」を導入する
検討に入りました。 大会組織委員会会長からのサマータイム導入の要請を受け、自民党
が主導して検討し、五輪に先行する形で来年から導入できるよう、今秋の臨時国会への
関連法案提出をめざすという。
サマータイムは、その昔、占領軍の施政下にあった昭和23年から26年の間 実施されて
おり、当時 私は小学生だったころですが覚えています。“サンマタイム”なんて言って
いましたね。 この時は、1時間繰り上げていました。
当時は、まだ子供でしたから、少しの戸惑いなどはありましたが、あまり大きな問題
などはなかったように思いますが、“こんなことしたって、何の得がある? 面倒くさい
だけだ” みたいな感覚で、昭和26年の講和条約締結後はピタッと止めて、それ以降ずっ
とサマータイムは実施されませんでした。 ただ、何度か、政府筋で議論に上ったことが
ありますが実施には至らなかった。
(ネット画像より)
それが、今回、『今年の猛暑で“東京五輪”大丈夫か? という声にあわせての場当たり
的なアイデアのような感じで、突如出てきて、五輪に合わせて2年間限定』という案だから、
“なんや! またあの会長が、誰かの思い付きを担いで・・世間騒がせな!” と私も思
いました。 “オリンピックの時間を繰り上げればいいじゃないか? ” “マラソンを
5時スタートとすればいいじゃないか?” あるいは、“水泳競技の決勝が、2時間早まる
と、アメリカのゴールデンタイムに放映できる。さては、放映権料に絡んでいるか? など
の忖度も浮上する!” サマータイムなんて、今更導入する必要はないのではないか?
ネットを見ると、サマータイム導入に反対の記事ばかりが目立っていました。
一般的な1日の行動例(2時間シフトしたイメージです。)
私は、当初このような考え(導入反対)に賛成でした。 しかし、いろいろと考えて
みると、マラソンや、競歩など長時間屋外にいる競技は、単に選手だけではなく、関係者
や多くのボランティア、それに観客など大勢の人が関係しているわけで、この競技だけを
早めるには交通機関などへの影響がある。
競技はこのほかにもたくさんあって、それぞれに観戦したいし、家庭でのテレビ観戦も、
突出した早朝競技があったりすると、観戦リズムが狂ってしまう。 それならば、いっそ
のこと全競技が、そして、交通など一切を含めた社会時刻を変更すればよいのではないか、
そんな風に思うようになりました。
オリンピックのわずか2週間だけのため、ではなく、これを機会に、夏の期間、太陽が
出きらない(まだ涼しい)時間を有効に活用する・・と考えればどうでしょうか?
そして、まだ明るい(日没は21時ころ)うちに退社して自由時間に充てる。 だから、
この2年間とりあえずやってみて、よければこの先もずっとサマータイムで行けばよいの
ではないかと。 サマータイムを英語では、daylight saving timeというのだそうです。
ネットを見ていますと、『NHKが2018年8月に実施した世論調査では、東京オリンピック
の暑さ対策として「サマータイム」の導入に「賛成」が51%、「反対」が12%、「どちら
ともいえない」が29%であった。』など、持ち上げ? もあります。
感情的には、“反対”の感じがしますが、反対の大部分が、・結局 長時間労働につな
がる、・寝不足になる、・健康を害する ・自殺者が増える ・心筋梗塞が増える など
が圧倒的なようですが、この他、現実的には深刻な、時刻合わせのためのシステム修正が
あります。
金融、物流、交通、医療はじめ あらゆるシステム・サービスがコンピュータ化されて
いますから、これらすべてをミスなく改変するとなると大ごとになるでしょう。 Y2Kでも、
大変でしたが、それよりも広範にわたるでしょう。
例えば、 サマータイム導入によって、各種のコンピュータシステムを改変する場合、
単に、時計を2時間進めるというだけでは済まないのですね。 サマータイムの開始時、
終了時の時刻を例にとって考えてみると、下図のように、時刻が失われたり、同じ時刻が
2度出てくることがわかります。
サマータイム切り替え時の様子
開始時では、図から、2時、3時台の時刻がスキップされてしまうため、これらの時刻に
スタートする業務処理は1日できなくなったり、1時台からの処理が終了しないうちに4時が
来てしまうなどのことが起こります。 2時や3時など 正時に起動するようなプログラム
は当然スキップされるでしょう。 3時間加熱や4時間冷却などの処理があったとすれば、
大事に至る可能性も出てきそうです。
また、サマータイム終了時を考えれば、図から2時、3時などが 2度出現することになり、
2度目に起動されたプログラムの処理結果が上塗りされることになったりします。どちらの
2時に処理したものかを区別しなければならないでしょう。
これらは一例にすぎませんが、ちょうどこのタイミングで決済が行われるとか、注文・
予約処理があるとか、様々な局面を考慮し、相手システムとの送受信などかなり複雑な
処理が必要となるように思われます。IT関連変更投資が莫大!(新元号対応もあります)
この問題さえ乗り切れるならば、明るい自由時間の経済効果、早朝シフトによる省エネ
効果など試してみる良い機会かもしれないと・・。それに、これまで経験してこなかった、
極東における時刻の繰り上げによるビジネス効果も視野に入れた、大実験と考えられない
でしょうか?
いずれにしても、今年経験している「危険な暑さ」対策として、東京五輪では、ミスト
シャワーや大型冷風機導入などが検討されているようで、先ごろには、路上に水撒きをし
てどの程度の気温低下効果があるかまで、報じられていましたね。
選手や観客らの熱中症対策には抜本的な運営の見直しが必要でしょうね。、
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