アジア大会で、競泳女子の池江璃花子(18)選手は6冠達成しました。
日本初、すごいですね。8種目に出場して、金が6個、銀が2個ですから・・。
このような選手が出て来るのですね。今後が楽しみです。
8月21日(火)の読売新聞トップ記事にこのことが取り上げられていました。『教育AIで
個別指導・・文科省実験へ』との見出しで、文科省が来年度からAIなどの先端技術を教育
に生かすエドテック「EdTech」の実証実験に乗り出す、という内容です。
来年度予算の概算要求に盛り込む動きを察知した記事のようです。
パソコンやタブレットを使って学習やテストを進め、生徒がどのように進めたか、どこ
が分かりにくかったか、間違ったかなどの情報を集めてビッグデータ化する。これらをAI
で解析して個々人の得意や不得手部分、間違った理由などを分析し、それぞれにふさわし
い指導法などを探る・・というものだそうです。
かって、パソコンを教育に活かすなどとして、学校に導入され、指導者も不足していた
せいもあり、パソコンメーカや工事業者が喜んだだけという記憶が出てきて、また、今回
も、産業振興が教育分野を狙っているかと、疑いを持って記事を読み、早速、ネット調べ
でこれらの様子がどのようになっているか確かめたくなったのでした。
(ネット画像より)
エドテック(EdTech)は、educationとtechnologyの造語で、最先端の科学技術を教育
現場に活用する教育手法で、今世界中で注目されているそうで、この6月にイスラエルで
“エドテックの国際見本市”が開かれたそうです。
先日NHKの番組で紹介されていた内容では、小学生にプログラミングの基礎を学ぶ教材
として、「サルをどのように動かしたら好物のバナナにたどりつけるか?」を必要な歩数
や進む方向を、数値にして式のように打ち込んで、ゲーム感覚でこの式をくみ立てること
によりプログラミングの基礎を学ぶ、といったやり方です。
教師はネットワークを介して一人一人の進み具合を簡単に把握することが可能で、子ど
ものやる気を引き出し、学習効果を向上させているといいます。
すでにこのソフトはイスラエル国内の80%の小学校が導入しているといい、日本でも
静岡県にある小学校ほか30校で導入が始まっているそうです。 子どもたちは専用のパソ
コンを使って自分のペースで学習できるといい、うまくいかないときには、自動的にヒン
トも出て受け入れられているそうです。
また、別の例では、自宅に帰るバスの中で高校生がスマホで宿題を行っている例で、
空いた時間を利用して勉強できる「スタディ・サプリ」と呼ばれるエドテック教材があげ
られていました。
茨城県のある高校では、去年から日本の情報サービス大手が開発したエドテック教材
「スタディサプリ」を導入して、英語、数学、国語の宿題に活用しています。生徒がいつ
エドテック教材を利用したか、進み具合はどのくらいかなどの状況が、教師のパソコンに
データとして自動的に集計されるのです。 さらに、教師には生徒がいつ、どんな学習を
したのか、進み具合はどうか、などもデータとして送られていて、生徒の苦手なポイント
などが、教師はデータを元にを把握することができ、補習のための講義動画と、レベルに
合わせた小テストの配信を行うというのです。もちろん、生徒がいつ補習を行ったのかも
確認できるのです。
放課後に行っていた紙での小テストは不要となり、テスト作りや採点の手間がなくなり
エドテック教材の導入は教師の負担軽減にもつながっているといいます。
さらに高度なIT技術を使ったエドテックの例では、3次元のCGでできた心臓を自由に
観察して、その血管の具合や血液の流れなどを具体的に学ぶというようなものまであるよ
うです。ある種のシミュレーションまでが行えるとあれば、教材作成に費用は掛かるかも
しれませんが、それはそれで知識学習には大きな進歩かもしれません。
そして、エドテックの特徴は、ICTを使って、英語、数学、理科、社会という基礎
知識教育の生産性、効率性を上げていくことだとあり、エドテックの活用で、時間を創出
できれば、ディベートのような学校という場所の強みが生かせる授業、指導にも多くの
時間を充てられるという見方もありました。
ところで、教育の現場にITが導入され大きな流れを構成したことに、CAI(Computer
Assisted Instruction)がありました。 1950年代に提唱されたCAIは、もっぱらアメリ
カの兵士訓練に教師に代わって繰り返し学習させるという手段として導入されたと聞き
ます。
日本でも、CAI学会などというのがあって、電気メーカなどとともに活発に検討されて
いた時代もありました。 その後、インターネットが普及し、ネット経由でこれらの学習
が受けられるWBT(Web Based Training)や大学の講義がネット経由で聞けるイーラーニン
グ(eラーニング)へと発展してきました。
2016年度に実施された調査によると、国内eラーニング市場規模は前年度比106.7%の
1,767億円で増大傾向が続いている、世界規模では27兆円を超える巨大市場であるとあり
ました。
e-ラーニングでは、学習者の成績や学習教材などを教師が統合的に管理するためのシス
テムLMS(learning management system)が並置されています。 学習者自身が自分の学習
の習熟度を把握できるほか、学習者どうしまたは学習者と教師の間でコミュニケーション
を図るための電子掲示板(BBS)の機能をもつものもあります。
MOOCでは、インターネット上の無料講座を受講し、修了条件を満たすと修了証が取得で
きる仕組みであり、インターネット環境さえあれば、誰でも受講が可能なんです。MOOCと
は、Massive(大規模)、Open(公開)、Online(オンライン)、Course(コース)という略語で
すが、代表的なものとしては、2012年に設立された、米国のスタンフォード大学、ワシン
トン大学、ミシガン大学さらには、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学、ボスト
ン大学、カリフォルニア大学バークレー校、京都大学ほかなどの講義が受けられるのです。
また、IT業界の大学として、GoogleやFacebook社などと提携し、ウェブ開発、モバイル
開発、データ・サイエンス等の授業を提供しているところもあるそうです。
2015年のMOOCの受講者総数は3500万人で、前年の約2倍になっているといい、13年11月
には、日本にMOOCの普及、拡大を目指す一般社団法人JMOOCが設立されたとあります。
16年12月現在、50万人以上が学習しているそうです。
お話が戻りますが、このほど文部科学省が、2020年までに小中学校で一人一台にタブ
レット端末を配布するという方針を発表したことで、急に活気づいてきた感が否めません。
「政府の強力な後押しで、教科書や授業のオンライン化が実現し、旧態依然としていた
教育業界がついに変化を遂げるのではないかと期待されています。」 などともっとも
らしい響きですが、今回も産業優先(教育をダシにした)に終わらないようにしたいもの
です。
2020年の市場規模は2015年の2倍、日本円で11兆円を超えるという推計もあるようです。
中でも、普及がめざましいのがアメリカと中国で、両国はIT人材の育成や教育格差の
解消を目的に導入を進めているとあります。
(ネット画像より)
テレビ番組で指摘されていた課題は、以下のようなものでした。
・「何を学んだのか、どの程度理解できたかなど、エドテックで記録されるデータは個人
情報で、データの取り扱いには注意する必要
・エドテックではタブレットなどで1人で学ぶことが多くなるため、ソフトの質はもち
ろん、心身の発達への影響も検証することが重要
・現状まだ3%程度と整備が遅れている教室の無線のインターネット環境整備
・ITやAIで社会、経済が変わる中、どのような教育を目指すのか、という基本的な議論を
する必要がある
終わりに、AI、ビッグデータ・・授業の躓き、理解の個人差の解消、教師の負担軽減
などなどワクワクするような言葉が並んでいますが、本当に活用できるのでしょうか?
高等教育ならまだしも、小中学生などの幼児教育に果たしてどの程度効果的であるのか
疑問を感じるのです。時代遅れなのかも? 教職員組織の管理評価の在り方やPTAとり
わけ教育ママの考え方にメスを入れるのはやはり難しいのでしょうか?