蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

最澄  (bon)

2019-06-18 | 日々雑感、散策、旅行

      昨夜は、満月でした。 やや雲はありましたが、煌々と輝くお月さまを見ていると、
     しばし俗世を忘れるようです。お月さまの近くに燦然と輝いている木星が認められます。

 

 最澄は、平安時代の僧で、天台宗の開祖ですから良くご存じのところです。 最澄は、
767-822年の人で、再来年2021年6月4日が、没後1200年大遠忌に当たるということで、
先頃(2019.6.11)に、天台宗と延暦寺は『伝教大師最澄1200年魅力交流委員会』を発足
したとありました。
 後述しますように、特に人材育成に尽力した最澄の志を汲んで、大学生らと日本の文化、
歴史を伝えるイベントを企画展開するそうです。

    最澄像(一乗寺蔵、平安時代国宝)
       (ウイキペディアより)

 最澄と並び同時代の高層に 空海 がいますが、最澄が7歳年上で、同じ時期(804年)に
中国に渡り仏教を学びますが、最澄は38歳、時の桓武天皇から命を受け遣唐使として派遣
されたバリバリのエリート僧に対して、31歳の空海はこの時はまだ無名の僧であったのだ
そうです。

 帰国後の二人は日本の仏教の礎となる平安仏教を代表する高僧となります。 最澄は、
比叡山延暦寺を建てて天台宗の開祖となり、一方、空海は高野山の金剛峰寺で、真言宗の
開祖となるのです。

    延暦寺根本中堂
      (ウイキペディアより)

 しかし、この2人の高僧は互いに違った道を進んでいたのですね。
 ウイキペディアや天台宗HPなどを参照しながら、私なりの理解でその要旨をまとめて
みました。

 空海は2年という短期間に、当時の仏典を修めるために欠かせなかった梵語を習得し、
密教僧として名高い恵果に学び、恵果の後継者として指名されるなど完璧に密教をマス
ターして帰国するのです。その時、多くの経典や曼荼羅、法具なども持ち帰ったそうです。
 一方、最澄は1年間と決められていた期間の中、おもに天台の教えを中心に学び、禅や
密教も学びましたが、とくに密教については十分に学ぶ時間がとれなかったのでした。

  それが、帰国すると、当時、新しい仏教として注目されていた密教の呪術能力が求め
られることとなり、最澄は年下のライバルであった空海に身を低くして教えを乞うことに
なりしばらく交流が続くのですが、最澄が派遣した弟子が空海の弟子となって戻らなかっ
たり、経典の貸し借りに関する意見の相違などによって二人の関係は途切れることになっ
てしまうのです。

 最澄は晩年まで、教理の解釈をめぐる論争にあけくれ、とうとう決着がつかないまま、
満身創痍で生涯を閉じたそうです。 
一方で空海は高野山や東大寺に道場を開き、東寺も
与えられるなど精力的に真言密教の「真言宗」を広げて行ったのでした。
 二人の歩みは対照的なものでした。

 『 二人の没後における最澄の「天台宗」と空海の「真言宗」の発展の様相にも、また
違った対照をみせています。
 真言宗は、空海があまりに偉大で完璧であったためか、後継者に恵まれず、その教義も
空海以上に深められることは無かったのですが、天台宗においては、最澄が果たせなかっ
た密教の教義を完成させるため、弟子たちが習得にまい進し、教理を飛躍的に発展させます。

 そして、最澄の弟子の円仁は、密教のあとに日本の仏教界を席巻する浄土念仏を取り入
れるなど天台宗を発展させ、比叡山は仏教の総合センターとなって繁栄して行くのでした。』
とありました。

     伝教大師絵伝六所宝塔の建立(延暦寺蔵)
      (ウイキペディアより)

 また、最澄は「天台法華宗年分学生式(てんだいほっけしゅうねんぶんがくしょうしき)」
を朝廷に提出し、比叡山で学生を教育するための理念と、教育方法を示したのでした。

 十二年間比叡山に住まわせ、純粋な大乗の教えだけを学ばせるというもので、こうして
育てられた人材は、国宝、国師、国用の三つに分け、国を護るためにこのような人材を養成
することを目指したのです。この他にも、大乗戒の授戒による純粋な大乗の僧侶を養成する
ことの重要性を主張し、さらに『顕戒論』を著して、人々を導き、国を護ることのできる
菩薩としての僧侶を育成することに注力していたとありました。

 (空海については、当ブログ2018.1.22「弘法大師」に記事アップしています。)


 昨夜の満月です。(高校と照る満月の右横上に、燦々と輝く木星が・・)
 


                

 

 

 

 

 

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