少し前に、2050年には単独世帯(一人だけの世帯)が約4割を占め主流となり、
単独世帯のうち高齢者単独世帯は5割を超える・・などの、世帯構成の将来予測
が発表されていました。ちょっと深刻?な思いもよぎります。
また、昨日(4/24)には、民間有識者グループ「人口戦略会議」は、2050年
までに20代から30代の女性が半減し、全国で4割にあたる744の自治体が、「最終
的には消滅する可能性がある」とした分析を公表していました。えッ、ますますす。
(ネット画像より)
少子高齢化が叫ばれて久しいですが、着実に進行し、子育て・教育支援策、介護
支援制度、賃上げ等の推進が急務として実施されていますが、これらの推計・予測
に照らしてみればこれらの施策だけではやがて、冒頭のような社会構成となり経済
の縮小、国力の衰退は避けられない事態に向かっていることになります。
このような前提から、最近の公表されている図表などを参考に俯瞰してみました。
先ずは、総務省から発表されているデータ(図など)から、日本の総人口の推移
は下図のように、2008年をピークに今後100年間で100年前(明治時代後半)の
水準に戻ると予測されています。この現象は極めて急激な減少であることが分かり
ます。
総人口の推移 (総務省より)
世帯数の推移では、これまで主流であった「夫婦と子」からなる世帯は、2050年
には少数派となり、単独世帯が約4割を占め、主流となります。また、単独世帯
のうち高齢者単独世帯の割合は5割を超えるのです。
世帯数の推移 (総務省より)
単独世帯が増加し、しかもその単独世帯のうち高齢者が半数を占めています。
高齢者世帯の内訳では、下図のように、単独が半分強、夫婦のみが半数弱であり、
高齢者単独世帯では女性単独が64%、で年齢も高齢化しています。
高齢者世帯構成(厚労省より)
また、世帯数と世帯構成人数の推移を見てみますと・・ 1953年(昭和28年)
に平均5.0であった世帯構成人数は、2022年には2.25となっています。
世帯数と平均世帯人数の推移(厚労省より)
また、核家族世帯の推移では、核家族世帯(夫婦のみ世帯、夫婦と子世帯、ひ
とり親と子世帯)の占める割合は一貫して増加していて、今後も増加を続けること
が見込まれています。
核家族世帯の推移(総務省より))
ここで児童の有無による世帯の推移では、下図のように2022年では、全世帯の
20%を下回っています。
児童の有無世帯推移(厚労省より)
さらに、女性の社会進出を見ると、家族の外で女性が職業を持つようになり、
女性雇用者数は戦後一貫して増加しています。
女性雇用者数の推移(総務省より)・・左縦軸 単位は、万人
末子の年齢階級別に見た母の仕事状況(厚労省より)
このように、戦後、日本社会は高度経済成長とそれによる大きなライフスタイル
の変化が起こり、核家族化の進行とともに単独世帯の増加、女性の就業形態の変化
が生じてきています。
詳細な分析は専門筋に委ねるしかありませんが、ざっくり見て、このような状況
を少しでも先送りできる施策を講じるなどにより、より付加価値の高い効率的な
仕事なり産業の構築を見い出す術を構築することが重要となるのでしょうか?
すなわち、家族機能がもはや家族(家庭)内に存在しにくく、社会の家族外で
賄う施策の充実が益々大事となる傾向にあり、このためのさらなる検討の促進が
求められる一方、少子化を少しでも遅らせる施策として、例えば今日的な賃金の
上昇もそうであるかもしれませんが、婚姻に至る機会の見直し等による婚姻がし易
い環境の構築も大事ではないかと思います。
昔は、今より生活は苦しい時代でありましたが、戦後の平均世帯人数は5.0で
ありましたし、適齢期になれば、誰もが、また周囲からも婚姻に向かう意識が普通
であったと思いますが、前述しましたが時代の進展と共にこれらの意識や習慣など
が変化して来たのでしょう。
昨日発表があった、出生率は低いが他地域から人口流入が激しいブラックホール
型自治体が増加する‥との推計を如何にして変化させるかの検討が大きなうねり
となったダイナミックな潮流が今こそ求められているのではないでしょうか?
羊頭狗肉で消化不良との誹りは避けられませんが、今後さらにこれらの問題にも
残された時間の少しでも関心を持ってゆきたいと思っています。
Dalida, Alain Delon - Paroles, paroles