先月、10月22~24日にロシアのカザンで、第16回BRICS首脳会議が開催されました。
第1回の2009年から毎年加盟国持ち回りで開催されてきています。
BRICSとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、
南アフリカ(South Africa)の頭文字を合わせた造語です。昨年は8月に、南アフリカ・
ヨハネスブルクで開催された折、南アは、国際刑事裁判所(ICC)加盟国なので
ロシアのプーチン大統領は、ICCから逮捕状が出されていますから、対面出席を見送り、
ラブロフ外相を派遣して自身はオンライン参加だったそうです。
第16回首脳会議のBRICS代表
(ウイキペディアより)
今年1月には、BRICSにイラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピアの4か国が
正式加盟し、9カ国となりました。さらに、今年の首脳会議で、新たに「パートナー国」
の枠を創設し、トルコ、インドネシア、アルジェリア、ベラルーシ、キューバ、ボリビア、
マレーシア、ウズベキスタン、カザフスタン、タイ、ベトナム、ナイジェリア、ウガンダ
の13カ国が加盟しました。
BRICsはもともと経済分野で「広い国土と多くの人口、豊かな天然資源をもとに今後
大きく成長するであろう」と注目されていて、ゴールドマン・サックス社が提唱した
2001年当初は、南アフリカは入っていませんでした。 BRICsのsは複数のsのように
思っていましたが、その後、2010年に南アが加盟してBRICSとなり、上述のようにます
ます増加しているのです。 今回の第16回首脳会議の議長は、プーチン大統領ですから
さぞご満悦のことと思われます。
これらの国々の結束は、米欧を始めとする西側陣営に対する軍事協力集団への発展に
色づいてきていると思われ、ロシアのウクライナ侵攻から2年8か月が過ぎますが、東西
陣営の結束の動きが明確化してきており、このBRICS は、かってのワルシャワ条約機構の
狙いが込められているようにも思われます。
ワルシャワ条約機構は、1955年にソ連(当時)と東欧8か国で西側のNATOに対抗した
軍事同盟として結成され、東西冷戦体制の二大軍事同盟が対立するという図式が完成
しましたが、1985年には、ゴルバチョフ政権のもとで米ソ首脳による冷戦終結が宣言
され、1991年にソ連は解体したのでNATOに対抗する軍事同盟体制がなくなっていますが、
この BRICSがその下地となるのではないでしょうか。
G7(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)とBRICS 5
か国のGDPの推移は下図のように2021年にはシェアが逆転して、IMFでは2025年には
BRICSの割合は33.0%に達すると予測しているとあります。この様な急成長が、グロー
バルサウスをG7側ではなくBRICS側に惹きつけているのかもと・・。
G7とBRICSのGDPシェア推移 (ウイキペディアより)
人口でも、BRICS の5カ国で、32.5億人(2023年)で、世界80.5億人の41%弱を占め、
4か国を含めるとなんと41.4億人(51.5%)と世界の半分を占めるのです。
国土の大きさにしても、面積でいえば5か国合計で世界の約32%を占めていて、それに
伴い天然資源も富んでおり、中国やインドは1人あたりの資源量は決して多くはないもの
の、5か国とも資源大国であるとあります。この資源としては石炭、鉄鉱石、天然ガス
が4か国に共通しており、原油やボーキサイトも殆どの国で産出されているという。
さらに、BRICS諸国は世界の農業用地に占める割合が30%を超えており、世界の生産
総量に占める比率は穀物と食肉で40%を超え、乳製品で40%近くを占め、海産物で50%を
超えるとありますから1次産業的にはG7に勝っているのですね。
BRICS諸国は政治や経済だけでなくスポーツにおいても連帯を進めているのですね。
BRICS Gamesという総合競技大会を毎年開催しています。今年(2024年)は、6月12~
23日にロシアのカザンで開催されていました。
BRICSについては、蓼科農園での団らんでも何度か議論に上り、拙ブログ「BRICS」
(2023.8.26)に取り上げていて、興味もあり、脅威にも感じておりましたが,改めて
その凄さに驚いている次第です。
アメリカでは次期大統領、共和党のトランプ陣営が注目されており、ロシア、中国が
リードするBRICS+の勢いを見ると、日本の石破さん(総理大臣)の荷が重そうですが、
しっかりと頑張ってもらいたいものです。
(ネット画像より)
まったくの余談ですが、BRICS9をネット検索しましたら、なんとトマトが出てきまし
た。
『ブリックスナインとは、ブリックス=糖度、ナイン=9で「糖度9度以上」と言う
意味。 通常のトマトの糖度5~6度を大きく超えて、スイカに迫る糖度の「高糖度トマト」
の老舗ブランド。 いわゆるフルーツトマトの先駆け的な存在です。』
ここでのブリックスは、BRIXのようでした。
36か国参加 存在感増すBRICS首脳会議 議長国ロシアが“封印”した議題「ウクライナ侵攻」 プーチン氏「反欧米ではなく非欧米」グローバルサウス取り込みが狙い|TBS NEWS DIG
bonさんの投稿全てに興味津々ではありませんが、私の守備範囲が広くなっていくように、思われます。「それ知っている!」よりも「フーン?」が心地よいですね。
南アフリカだったからそうしちゃった、ということですかね(笑)
知らないことを知る、気になっていたことがはっきりする・・
など。楽しいことの一つではないでしょうか?
拙ブログがもし、何かのお役に立てているとしたら、望外の喜びであり、励みとなります。
ありがとうございました。
これ、想像なんですけど。恐らく、全くの偶然かもしれませんね。
上手く、南が来たもんだから・・?