以前から時々、小・中学校の先生方の勤務について、過剰な仕事に忙殺されて「大変
なんだ」というような内容を耳にしたことがあります。どうしてこのような問題が生じ
ているのか? 私の身近な周りには、対象となるような子供たちがいないし、孫たちも
既に社会人ですから、小・中学校の事情などは、遠い昔の「想い出」くらいの知識しか
持ち合わせがありません。
昨今の、これら教育現場の実態は、先生方は仕事に忙殺されて長時間の勤務状況に
あり、教員希望者も減少傾向にあるようで、なぜ改善されないのか?と思うのです。
現状だと教育の質の低下に繋がるかもしれない・・との心配というか懸念があり、少し
調べてみました。(にわか勉強ですが・・。)
(ネット画像より)
私としては、何のかかわりもなく問題があったとしても自身に関係があるわけでは
ありませんが、放置しておけない事柄だと思うのです。
ネットを繰っていましたら、この問題を指摘しているページが結構ありました。それ
らの中から・・AI による概要・・というページがありましたので覗いてみました。
『 教員の長時間労働の原因には、次のようなものがあります。
- 給特法(教員の給与等に関する特別措置法)による「定額働かせ放題」
- 授業の持ち時間の多さ
- 部活動の過熱化
- 全国学力テストや行政研修の増大などによる「競争と管理」の政策
- 教員自身の教育に対する熱意や誠意
給特法は、1971年に制定された公立教員の給与に関する法律で、月額給料の 4%を上
乗せする代わりに残業代や休日勤務手当を支給しないとしています。この 4%という
数字は、当時の残業時間(8時間)を反映させたもので、現代とは大きくかけ離れています。
また、授業の持ち時間の多さについては、国は2002年の学校週5日制完全実施にあた
り教員定数を増やしませんでした。その結果、勤務日が1日減ったにもかかわらず授業
数は増え、多くの教員が1日5、6コマの授業をこなすようになりました。 部活動の
過熱化については、中学校の教員が部活動指導に費やした時間の平均は、平日が41分、
土日が2時間9分と、10年前と比較すると指導時間は増えています。』・・
ま、このほかにも推測ですが、学校内暴力、いじめ、不登校などより複雑化・困難化
する問題への対応やパワフルなPTAへの対応なども大きな要因となっているのかもしれ
ません。
株式会社すららネット(「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念と
している)というページも参考としました。(以下に要約してみます。)
これらの状況は、教員勤務実態調査(平成28年度)にも表れているそうで、これを
問題視した文部科学省は教員の働き方改革に乗り出し、教員の労働環境を改善するため
の施策を講じているようですが、現状はなかなか進んでいないとあります。
改革の方策として、
- 教員の長時間労働の慢性化を解消する こととあります。教員の長時間労働の
慢性化を解消する必要があるというのです。業務がどんどんと増えていること
もあるのでしょうが、先の「給特法」による超過勤務の概念がなくなり、勤務
時間の自己管理がなされなくなっていることも理由に挙げられているようです。
これは先生方自身の意識を改革しなければならない問題ですが、さてその意識
をどの様にして改革するか? 「給特法」を廃止するか、の議論もあるようで
すが、さてどうでしょうか?
単純な繰り返し作業の場合には、確かに作業者の工夫やアイデアの入る余地はない
ようですが、教育は勿論、一般の会社業務でもルーチン的な作業は別として、単純な
繰り返し作業ではありません。企画、開発、営業、管理など・・多くの業務内容には、
工夫、改良・改善、提案など広い範囲の自身の付加価値を必要とされるわけで、その
ためには知識増、コミュニケーションなど幅広い接触や自己研鑽などが伴うわけで、
これらには勤務時間の枠が設定しにくい部分が含まれるでしょう。教育現場ももちろん
同じです。
教育現場はまさしく単純・繰り返し作業ではないため、勤務時間を厳密に規定する
ことは難しいのではないでしょうか? したがって、「給特法」を単に廃止すれば
よい、残業手当制度を復活すればよい・・のではないと思うのですが・・。しかし、
だらだらと勤務時間意識が薄れているとしたら、これはまた別の問題として対処する
ことになるでしょう。
- 教育の質の向上 これについても、特効薬的なものは無く、如何にして先生方
の心身疲弊状態を改善するかという問題のようです。つまり、如何にして意欲を
持続させるかという施策に聞こえますが具体的にどうすれば・・? - 教員不足に対応する 教員の採用倍率は2000年度の13.3倍から、2021年には3.9倍
にまで急激に低下しているとあります。つまり、採用希望者が激減していると
いうことです。教員に対する魅力の低下、教育現場に対するイメージの悪化等
が原因のようだと あります。 - 膨大な事務作業 教員は学習指導の他にも膨大な事務作業を抱えているとあり、
世界的に見ても、日本の学校における事務作業がダントツで多いのだそうです。
具体的な事務作業の内容が分かりませんが、種々の報告物などが大量にあるの
かもしれません。 - 課外活動の指導も教員の労働時間を長引かせている。文部科学省による「教員
勤務実態調査(平成28年度)」では、中学校の教員が部活動指導に費やした時間
の平均は、平日が41分、土日が2時間9分で、土日に関しては10年前より1時間以上
も増加している。部活動の指導にやりがいを感じる教員は多く、また部活動指導
を学校教育の重要な柱と捉える考えがあり、部活動の改革を行うこと自体も困難
を極めているとあります。 - 増え続ける教員の業務 社会の変化に伴って、より高度な専門知識や技術を身に
付ける必要があり、より多くの時間を教材研究や授業準備に割かなければなら
なくなっている。また、都市化や核家族化により地域や家庭の教育力が低下し、
より学校や教員に生活習慣の育成などこれまで外部が担っていた機能が求められ
るようになっている。さらに、いじめや不登校・発達障がいの対応など、学校
教育における課題は一層複雑・多様さを増しています。教員の業務は複雑さを
増し、これに対応するために労働時間が長期化してしまう現状があるようです。 - 人材の補充が出来ない 現在の教育現場では人員不足でも人材の補充ができず、
1人当たりの業務負担が増えている。そして業務に疲弊して休職者・退職者がさら
に増加するという悪循環にあるという。
(yahooニュースより)
これらの対策として、以下のような内容が挙げられていました。
・ICTの活用 現在印刷媒体でやり取りしているアンケートや情報連絡などを、情報
通信手段で実施することにより、連絡だけでなく集計などの作業の軽減が出来る。
つまり業務のデジタル化をはかる。
・徹底した労働時間の管理 勤務時間管理を徹底することにより、業務のメリハリを
つけるとともに、時間意識をもって業務遂行にあたり目標時間の設定を図るなど管理を
徹底する。
・学校の運営体制の見直し 学校行事のあり方の見直しによる簡略化や会議のあり方を
見直す。また、グループ担任制などの導入により情報の共有化、融通性の確保をはかる。
・教員をサポートする人材の採用 部活動等に外部の人材の採用による支援、学習支援
員、ICT支援員等の採用を積極的にはかる。OB・OGなどの採用による業務アシスタント
を任せる。
以上、問題点と解決手段の一例を俯瞰的に見てみましたが、具体的な個々の内容、
問題点についての検討が必要であることは言うまでもありません。いずれにしても、
文科省が解決に取り組み始めてからでも既にかなりの時間が過ぎているようですから、
抜本的な対策が必要でしょう。
50年以上も前に制定された「給特法」が未だにそのまま継続しているというのも既に
実態に合わないのではないかと思われます。
すぐに成果が見えるものでないだけに取り組みが緩やかなのかもしれませんが、大事
な事案ですから、何とかメスを入れて欲しいところです。
チャルダッシュ (Live)
担任をすれば、このコマ数が減らされるか、あるいは、コマ数を減らさずに、手当として給料に上乗せされます。部活動指導については、行うことを強要できない、とした上で、すれば時間給で給料に上乗せ、事務については、事務処理をする人員を別に確保します。
また、学校ごとに、カウンセラーを配備して、子どもたちだけでなく、教員の心のケアにもあたります。教員が外部のカウンセラーを選ぶなら、その経費は教育委員会持ちとなる。
以上は、結果的に、労働時間の短縮、給料の値上げ、労働環境の改善、につながるので、優秀な教員の人員確保の難しさが緩和されるはずです。
以上に加え、1学期〜1年ぐらいの単位で、国内外の大学へ研修に戻る制度があってもいいと思います。
わたしたちは、みんな、孫子を、学校へ、ひいては、学校で教鞭をとる教員に、来る日も来る日も託しているわけです。そんな教員が実力を発揮できるような労働環境を、なぜ作らないわけがありますでしょうか。
コメントにあるような状況でしたら何をかいわんやですね。
私らの頃の小・中学では、確か40人学級だったように思いますが、
現在では30人学級が普通と聞きますから、昔よりも生徒には
目が届きやすくなっているはずですし、まとめやすい方向にはあると思うのですが・・。
何が問題を引き起こしているのでしょうね?