蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

伊能忠敬の日本図  (bon)

2014-07-20 | 日々雑感、散策、旅行

 昨日(7/19土)、掲題の“講演”があるというので、東京国立博物館(平成館)に行ってきました。

このところ、伊能忠敬翁に取りつかれているようなんですが、先日、園芸友の会会員の方から、この企画展示
ならびに今日1日限りの講演があると教えていただきましたので・・。

 夏休み最初の土曜日とあって、上野公園入口から既に大勢の人が出ていました。 テレビでは、不安定なお天気だと
いっていて、雷雨などが心配でしたが、おかげさまで どんよりと曇り空のまま、外出中は雨にならずに、
やや蒸し暑いながら風があるとかえって涼しい感じでした。

 東京国立博物館へ                  平成館
   


                 東京スカイツリーが・・(左:平成館、右:本館)
                     

 

 伊能忠敬については、6月に園芸友の会で、香取市佐原にある同記念館を訪問したことがきっかけで、
少し深堀している間に、次第にこんな風になってしまいました。

行ってわかったことですが、“講演” とは、同館が実施している “月例講演” の一つだったのです。
講師は、田良島 哲氏(同館学芸研究部、調査研究課長)で、何と驚いたことに、同館に “本物の伊能図”が、
数点所蔵されているのでした。

本物・・といっても、まさしく本物なんですが、“副本” と呼ばれているもので、実測されたデータに基づいて
制作されたものの一つなんだそうです。 最終上程本(正本)とは、そもそも幕府に提出したもので、一つだけ
存在するのですが、これが明治政府に引き継がれ、のち明治6年太政官の火災により焼失してしまったのです。 
また、伊能家伝来の副本というのも、上の正本が焼失したために政府に献上し、後に東京帝国大学に遷したが、
大正12年の関東大震災でこれまた焼失の運命となるのです。 
しかし、副本というのが、現在も日本の数か所に、更に外国に現存しているのですね。
東京博物館に今回展示されているのもその一つという訳です。

 先に、ブログアップ(6/26)したこともあり、伊能図の概略は承知していましたので、講演の全体像は良く理解
できました。 測量技術の具体的な部分については、ビデオシアターに委ねるということで、講演はもっぱら
伊能翁がどのようにして日本全国の測量行脚に携わっていたかを、残された文献などからその一面が
紹介されていました。

 伊能忠敬という名前は殆どの人が知っているというのは、やはり明治になって以来 学校の教科書に
取り上げられていたりしたことが大きな要因であるらしい。  また、20年に及ぶ日本全国の実測は、
公的事業(幕府令)として実施されたこと、そのため、各地方では、地元の人々との交流や協力も得られ、
この大事業が完遂されたことなど・・例を挙げて解説されていました。
さらに、“測量日記” なる物が一部紹介され、 「午前中は誰々が、どこを起点に、どこまでの距離をはかり、
それが何里、何間、何尺であったとか、午後はどうの・・」 と細かな記述の羅列でとても面白いものではない
のですが、不思議なことに、この日記を 伊能図と対比して読んでみると、まるでそこに実物の景色が現れている
ような感じとなり、大いに興味の湧くものでありました。

 デジカメ撮影が許可されましたので、手振れ承知で何枚か写してきました。

伊能図 関東                      中部
  


                   瀬戸内 淡路島
                     

 

 

講演は、200名を超える盛況で、ここにも伊能図が根付いている・・?と思いました。

 

今日は、これから蓼科農園に行ってきま~す。   


 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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一味唐辛子から伊能忠敬講演まで (まき)
2014-07-22 18:54:29
コメントが遅れましたが毎回愉しく拝読しております
一味唐辛子編からまとめて感想お寄せいたします
まず、ボン様手作りの一味唐辛子、非常に興味があります
余って仕方がないとおっしゃるなら是非お分け頂きたいくらいです
私は一味と六味を分けて辛味の量を調整しながら使っています
しからば六味とは?唐辛子抜きの薬味を合わせた代物で、京都北野の長文屋さんで購入できます
ご興味あればお取り寄せ下さい
そして伊能忠敬講演は故宮博開催中の真っ只中、博物館はさぞや混んでいたことでしょう
副本を保管する知恵がまさしく活きて現在でも彼の偉業の結果を私達も見られる訳ですね
渥美半島や知多半島の形も現在の地図と寸分狂いのないものではないでしょうか
よくも衛星などない、ほぼ2Dの世界でこのような地図を描けるイマジネーションの広さ、江戸時代の人は私達より柔軟かつ自由な発想力があったのでは?と思います
今回も勉強になりました
では熱中症に留意のほどお願いします
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まきちゃん、ありがとうございます。 (bon)
2014-07-24 01:11:21
いろいろと話題を広げて下さって、ありがたく感謝しています。
赤唐辛子は、現在在庫?はなくなっています。なので、来年、種まきをして~気の長い話ですみませんが、お待ちください。 今回の出来栄えは、長く乾燥させ過ぎたせいで、肝心の香りが失せてしまっていましたので、いまいちでした。
伊能図・・歩きながら地図を作成する“測量法”があるのですね。出も良くやったもんですね。
先日、まきちゃん(ちゃん は失礼かな?)が話していた、“天地明察”早速、上下を買って、今読んでいます。風変わりな小説ですね。読み終わりましたら、感想などを・・・。
蓼科の畑から、熱中症にならずに無事帰ってきました。
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