ELEVEN HOUSE

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温泉と紅葉前期の岐阜飛騨南部・日帰りツーリング

2010-10-27 23:28:15 | ZRX1100・1200ダエグの部屋

 長かった夏も終わり、やっと訪れた秋の土曜日、朝から妻と2人で日帰りツーリングに出た。
 9時半頃に豊田の家を出て、近くのスタンドで給油をし、豊田松平ICから東海環状道で今回のツーリングの拠点の美濃加茂ICまで一気に高速道路を走った。松平ICからしばらくは快調に走ることができたが、中央道との分岐の土岐JCでは、手前のインターから激しい渋滞で、追い越し車線もややのろのろぎみになっていた。信州方面はもう紅葉も見頃になりつつあるのか、中央道はかなり混んでいそうだ。僕たちはそれを避ける意図もあって、美濃加茂を拠点にして走ることにしていた。思ったとおり、土岐を超えればまた快調に走ることができ、思ったより早く最初の休憩地の美濃加茂SAに着くことができた。
 前日、安売りの88円で買ったジョージアのペットボトル・コーヒーで口を潤し、すぐにそのまま美濃加茂ICを出て、R41で一気に下呂まで走った。前回のツーリングで、今までお気に入りだった木曽川沿いのR19中山道より、飛騨川沿いのR41の方が気持ちがいいと思うようになり、またまた今回もR41を北に向かった。飛騨川は切り立った岩肌に水しぶきが上がる荒々しい川だ。交通量もR19より少なく、七宗町の飛水峡や、旧金山町の中山七里などの渓谷美を眺めながら走る素敵な道を、妻と僕の2台のバイクは快調に走ることができた。
 下呂市街を過ぎ、旧萩原町で西に折れ、R257に入ると、周りは山ばかりになった。坂道をぐんぐん登り、新日和田トンネルを抜け、すぐに県道へのショートカット・コースに入って南にDscf5196 向かった。トンネルの中の寒かったこと、長い夏が過ぎてすぐに、「寒い」を感じた。
 県道に出るまでの山道は、地図では分からなかったが、美しい山々に包まれた最高のワインディング・ロードだった。思わずバイクを止め、美しい山々とバイクを背景にして写真を撮った。まだ紅葉にはかなり早かったが、周りの山々は緑の中に所々ぽつぽつと紅葉した木や紅葉しかけた木などが点在し、色とりどりの模様になっていて妙に美しく感じた。
「ねえ、真っ赤よりいいじゃん。」
「一番いい時かもしれないね。」
 本当の紅葉の季節になると、クルマが多すぎて思うようには走れないだろう。色とりどりの山模様に、ほとんどクルマが走っていないワインディング。確かに、一番いい時期だ。
 ショートカット・コースの素敵なワインディングから県道431号に入ると、飛騨川の支流の馬瀬川に沿って走る大小のカーブが連続したローカルな道になった。所々1.5車線の狭い道になるが、バイクで走るにはなんの問題もない。むしろ、木々の自然のトンネルの中を走っているようで、走りながらの森林浴だ。そう思うと、空気さえ特別においしく感じられる。
 旧馬瀬村の道の駅「馬瀬美輝の里」で昼食にした。クルマの数より、バイクの台数の方Dscf5200 が多い。県道431号は、知る人ぞ知る隠れたツーリング・コースなのかもしれない。店に入って、アユかアマゴでずいぶん迷った末、天然アマゴ定食にした。馬瀬は天然アユの産地ということだが、天然アユ定食は2000円もするのだ。これがアマゴだと半額の1000円。天然アユを食べたいなあと思ったDscf5201 が、
「お昼ご飯に2000円はもったいない」
と、妻が言うので、僕も妻に会わせてアマゴにした。ところがところが、これがまた美味。しかも半額。もう一度来て、また食べたいと思えるくらいだった。
 おなかもいっぱいになり、再び馬瀬川に沿って県道を南に走った。相変わらず、気持ちのいい道は続いた。
「今が一番いい季節だなあ。」
 ヘルメットの中でそうつぶやきながら自然の中の道を走り続けた。
 急に馬瀬川の川幅が広がった。ダム湖だ。湖に映る色とりどりの山々も美しいものだ。やや脇見運転ぎみになりながら湖のほとりを走った。ミラーに目をやると、妻も右側の湖の景色を見ながら走っていた。
 2つのダム湖を過ぎ、水量の少ない馬瀬川に沿って走り続けると、「4つの滝」という案内標識が目に入った。ただ、ハイ・ペースで走っている上に、すぐ後ろを妻が走っているので、今回は通り過ぎることにした。素敵な道なので、きっとまた来ると思う。その時には、ぜひ立ち寄ってみようと思う。
 旧金山町で道の駅「飛騨金山ぬく森の里温泉」に寄り、併設された温泉に入った。
 ここまで走ってきた萩原も馬瀬も、ここ金山も、今は全部合併して下呂市になってる。そして、旧5町村にそれぞれ温泉があり、全国的に有名な下呂温泉を中心にしてどこの集落にも温泉があるうらやましいほどの素敵な市になってる。
 金山の温泉も、下呂温泉と同じようにつるつる度が濃く、お湯に浸かって肌を触ってみると、キュッキュッと音が出そうなほどだった。体を洗った後、内風呂を通り抜けて、すぐに露天風呂に向かった。露天風呂では、扉を開けて屋外に出た瞬間「寒いっ」と感じたかと思うとDscf5203 、お湯に入って「あっつ~」となり、肩まで浸かって「あ~あ、いい気持ち」と、こんな感じになった。温泉の気持ちよさに、お湯から上がってからも、僕も妻もゆっくりしすぎてしまった。おまけに、売店ではおいしそうな梨とりんごが売られていて、つい1袋700円の梨を買ってしまった。
 秋は夕暮れが早い。のんびりし過ぎたことをちょっとだけ後悔しながら、道の駅「飛騨金山ぬく森の里温泉」を出た。数㎞ほど走っただけでR41に合流したが、まだここは飛騨の下呂市だ。家まで100㎞くらいの距離がある。やや急ぎぎみで、素敵なワインディングを走っていたが、そのうちにだんだん眠くなってきた。おなかもいっぱいだし、温泉にも入ったし、気温もちょうどいいし、眠くなるのも無理はない。信号待ちで隣に止まった妻に、
「めっちゃ眠い。」
と告げると、妻も、
「私も。」
と言う。
 道の駅「ロックガーデンひちそう」でイレギュラーの休憩をとった。時間を考えたらのんびりと休憩している場合ではないが、寝ながら運転するわけにもいかない。背に腹はかえられないということで、バイクを止め、缶コーヒーを飲み、目が覚めたところで出発、のつもりが、バイクを止めたすぐ近くで売られていたたこやきがすごくおいしく見えてきたのだ。結局、買ってDscf5205 しまい、妻と一緒に食べたが、
「また、おなかがふくれて眠くなっちゃうよ。」
と言われ、少し不安になった。
 道の駅を出ると、不安はハズレて目はパッチリ、シャキッとして走ることができた。
 美濃加茂ICから東海環状道に入ってしばらく走っているうちに、辺りは真っ暗になってしまった。夜になってバイクを走らせることをほとんどしない僕だが、夜の高速も案外いいものだと思えるくらい快調なペースで走ることができた。
 豊田松平ICを出て、家に着いたのは6時半くらいになっていた。
 「ツーリングには、今が一番いい季節だなあ。」
 あらためて、そう思える294㎞だった。

コメント
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