<4月29日>
今年のGWは3連休2連発の飛び石連休です。案外こういうのは嫌いではありません。前半に1回、後半にも1回、楽しいことができるのです。
GW前半の楽しみは、年老いた両親とのドライブです。3~4年前に妻と2人で岐阜県荘川村のコテ-ジに行ったのですが、その時、いつか両親も連れて行ってあげたいと思いました。そこで、このGWに両親と4人で出かけることにしました。
今回は家族4人のドライブということで、VOXYで出かけました。3列目シートを畳み、宿泊の荷物のほかに折り畳みディレクター・チェアを4脚積み込み、いい場所があれば桜の木の下でコーヒー・タイムを楽しめたらいいなあと思いました。
29日の昭和の日、9時半頃に豊田の自宅を出て、豊田松平ICから美濃ICを目指しました。ところが、まだ豊田市内の猿投(さなげ)山トンネルから渋滞が始まっていたのです。中央道との分岐の土岐JCで混むことは分かっていましたが、予想以上に高速道路の交通量は多く、土岐JCよりかなり前から影響がありました。
それでも、渋滞情報どおり土岐JCを過ぎたらすいすい走ることができました。
目的地の荘川まで高速道路で一気に行くこともできるのですが、春の美しい景色を楽しみたいということと、父も僕と同じように「道の駅」が好きということもあり、東海北陸道に入っ てすぐの美濃ICで降りてR156で清流・長良川に沿って北に向かいました。父はR156のことを「イチコロ線」と呼びます。なんとも不吉な呼び方で、ハンドルを握っている僕としてはちょっとイヤな気がしました。
美濃ICを出てすぐの所に美濃の「道の駅」がありました。道の駅「美濃にわか茶屋」は新しくできた「道の駅」らしく、僕たちの2年前の道の駅スタンプ帳には載っていませんでした。予備のページにスタンプを押し、美並に向かいました。長良川 は山の新緑を映しているのか本当に美しく澄んだ緑色の川でした。まさに「清流」と呼ぶにふさわしい川です。
道の駅「美並」で2つ目の道の駅スタンプをゲットし、次に進もうとしまし たが、東海環状道の渋滞のせいで、もうお昼になっていました。道の駅のガイドブックで美並のお薦めメニューを見たら、「鶏ちゃん定食」と書いてありました。僕と妻は迷わず鶏ちゃん定食にしましたが、80を過ぎた両親にはくどそうに見えたのか、2人はそれぞれかけそばとかけうどんと、軽めのものを注文しました。
鶏ちゃん定食は、野菜炒めに地元の鶏肉がふんだんに入っていて、しかもその鶏肉に臭みはなく柔らかく、なかなか美味しくいただきまし た。
お腹がいっぱいになった僕たちは、次の道の駅を目指しました。「小京都」「水の町」と称される人気スポットの郡上八幡は、今回はパスして通り過ぎました。そして、R156から県道317で少し東に入った所にある郡上市大和の道の駅「古今伝授の里やまと」に行きました。そこではトイレ休憩とスタンプ だけにし、そのまま県道で白尾の道の駅「白尾ふれあいパーク」に向かいました。国道から外れた農村の道には赤やピンクの花が咲き乱れ、思わず「ユートピア」と感じた先週の南信州遠山郷を思い出しました。
道の駅「白尾ふれあいパーク」のとなりに小さな公園があり、桜の木が 2本立っていました。少し散って緑の葉も出始めていましたが、まだまだ美しさを保っていました。そこで、VOXYを公園の駐車場に移動させ、桜の木がよく見える場所に椅子を出し、家族4人でコーヒーブレークとしました。プチ花見ですが、4人で花見 など、初めてのことかもしれません。
その後、R156に戻り、道の駅「白鳥」、そして小さな道の駅「大日岳」に寄ってひるがの高原に向かいまし た。
ひるがの高原手前の坂道の途中に、清流長良川の源流がありました。そこには夫婦滝という二筋の豪快な流れの滝がありました。滝の下の流れ が、長良川となって伊勢湾に注がれるのです。妻は、水に濡れた可憐な花に夢中でした。
滝の上が分水嶺です。夫婦滝を出て、さらにカーブの続く坂道を登り切った所に分水嶺公園がありました。
分水嶺公園には、分かりやすく水の流れに合わせて、看板に矢印で「日 本海」「太平洋」と記されていて、小さなせせらぎが南北に別れて流れていました。その水は透き通ったとてもきれいな水で、周辺にはミズバショウの白い花がいくつも咲いていました。
R156はしばらくの間ひるがのの高原の風景を楽しみながら走る気持 ちのいい道です。そして、荘川で東西に分岐します。東海環状道の渋滞、そして道の駅に寄るたびに母が買い物に時間をかけていたわりには早く荘川村に入りました。チェックインにはまだ早いので、御母衣ダムにある荘川桜を見てから、予約してあるコテージに行くことにしました。
荘川の三叉路を左(西)に折れ、御母衣に向かいました。国道はR158となり、少し走った所でダム湖に沿って走るカーブだらけの道になりました。
荘川桜は50年ほど前にダムに沈んでしまう樹齢450年の立派な2本の桜の木を 移植した老木です。一度は根本から掘り起こされた古木が、今は樹齢500年の桜の木として生き続けているのです。ただ、今年は冬が長かったため、まだつぼみでした。「さくら祭り」ののぼりを立てて出店を開いている商工会の人たちも、例年ならGWが見頃となるのが、今年は遅れてしまってと、残念がられていました。それでも、荘川桜と呼ばれる2本の古木は堂々としていて風格さえ感じられました。
今夜の宿のヴィラージュ荘川オハヨーサンホテルのコテージには5時前に着きました。用意されたコテージは、ベッドルームが2部屋に和室とリビング、トイレも2カ所、それにバスとキッチン、さらにテラスもあり、白樺の木に囲まれたロケーションもあって、まるで別荘のよう でした。晩ご飯の6時までリビングでおしゃべりしたり、テラスでコーヒーを飲んだりして過ごしました。
晩ご飯はコテージのすぐ近くのレストランで飛騨牛すきやきでした。口の中でとろけるような柔らかさは格別でした。お風呂はコテージにもありました が、広い湯船で体をいっぱいに伸ばしたいと思い、4人でVOXYに乗ってホテルまで行き、大浴場に浸かりました。父といっしょにお風呂に入ることなどほとんどなくなりましたが、心臓に障害のある父は短時間で出てしまい、お風呂ではほとんど言葉を交わすことはありませんでした。
<4月30日>
6時少しすぎに目が覚めました。夜が早かったせいか、寝起きもよく、すぐにカーテンを明けました。空はどんよりと曇っていましたが、白樺林の朝は本当に気持ちのいいものです。今は曇っていても、天気予報ではこれからいい天気になるはずです。今日も、楽しいドライブになりそうです。
8時にレストランに行き、バイキングの朝食です。すぐにコテージを出るのがもったいなかったので、しばらく朝の別荘気分を味わい、10時のチェックアウトぎりぎりまで家族でのん びり過ごしました。
2日目の最初の目的地は「荘川の里」です。白川郷にあるような茅葺きの民家や当時の豪邸に昭和初期の道具類がそのまま残されていました。曇り空で肌寒さを感じましたが、茅葺きの家の中には囲炉裏があり、時々4人 で暖をとったりしました。昭和初期生まれの両親は、昔の道具類を見て両親はとても懐かしがっていました。
次に、荘川の道の駅「桜の里荘川」に行きました。少し雨がぱらついてきました。それでも、天気はこれから回復するはずと信じ、その時はあまり心配はしませんでした。それからR158を高山方面に向かい、道の駅「ななもり 清見」に寄り、この日のメイン・ロードの県道73号、通称せせらぎ街道を郡上八幡に向けて走りました。
せせらぎ街道を走るのは初めてです。川上川~馬瀬川に沿って走るせせらぎ街道は、森の中を走る道で、ツーリングで走った青森の奥入瀬を感じさせる道でした。むしろ奥入瀬よりも雰囲気のいい道かもしれないとさえ思いました。
雨はだんだん本降りになってきました。行き交うツーリング・ライダーたちはみなレインスーツを着ていました。どうやら、予報に反してこの先も雨が降り続いているはずと確信しました。
小雨は降っているものの、道路に沿って流れるせせらぎを楽しみながら道の駅「パスカル清見」まで走りました。バイクで来ていたら、とても楽しいとは思えなかったことでしょう。せせらぎ街道は、森の中の素敵なワインディングなのです。天気のいい日にバイクで走ったら最高だろうと思える道です。しだいに、雨はすっかり本降りになってきました。せせらぎ街道を走るクルマは少なかったのですが、道の駅は大混雑です。特にバイクが多く止まっていました。ライダーたちは、昼食を兼ねて雨宿りをしているのです。
想像どおり、レストランは満席で、待っている人もたくさんいました。僕たちもお昼にしたかったのですが、並んで待ってまでレストランに入ろうとは思いませんでした。そこで、飛騨牛カレーパンと飛騨牛まんじゅう(肉まん)を買って、クルマの中で食べました。両親はあまりお腹がすいてないというので飛騨牛春巻きだけで、妻は飛騨牛まんじゅうではなくよもぎまんじゅう(よもぎあんまん)を選びました。朝のバイキングでたくさん食べたので、これくらいで十分でした。それに、家族4人でクルマの中でお昼を食べるのも悪くないなと思いました。
道の駅を出る頃には雨も小雨になっていました。しばらく走ると、救急車が止まっているのが見えました。徐行して通ると、倒れたバイクと心肺蘇生を受けて横たわっている人、そして道路にはかなりの量の血が流れていました。現場で心肺蘇生を受けているということは、おそらく死亡事故だと思います。さすがに怖くなりました。GW後半の3連休は、妻と1泊2日のバイク・ツーリングを予定しています。僕も怖くなりましたが、妻は僕よりもっと怖がって いました。
道は下り坂になってきました。左手に美しい芝桜が一面に咲いているのが見えました。「國田家の芝桜」の案内看板があったので、それに従って走ると、それはそれは美しい芝桜でした。路上駐車のクルマがいっぱいで、足の悪い父を少し歩かせてしまうことになりましたが、思ったより父はしゃきっとして歩いていました。
個人で育ててきた芝桜をどんどん増やしていき、今では山の斜面一面ピンクに染まるほどになったそうです。荘川桜には早すぎましたが、明宝の芝桜はちょうど今が見頃。いい時期に来ることができ ました。
道の駅「明宝」は、せせらぎ街道を下った辺りにありました。愛知県でも郡上市明宝の「明宝ハム」は有名です。ちょっと値段は高めでしたが、もちろん買いました。雨は上がりましたが、空はどんより曇ったままで、時折ぱらついてきます。
郡上八幡に出て、山の中腹にある八幡城を右手に見ながら走ると、往路で走ったR156に出ます。渋滞気味の東海北陸道が見えました。そこで、高速道路には郡上八幡ICから入るのをやめて、次の美並ICから入ることにしました。
美並ICあたりからは片側2車線の普通の高速道路です。流れもよく、美濃JCから東海環状道に入って、途中の美濃加茂SAで小休止して一気に豊田松平ICまで快調に走りました。
4時半に帰宅し、久しぶりの両親とのドライブが終わりました。父は10個の道の駅スタンプをゲットし、うれしそうでした。