<12月23日;天皇誕生日>
天皇誕生日の23日、10時40分頃にスタッドレス・タイヤを装着した4WDのトヨタVOXYで豊田の自宅を出ました。東海環状道豊田松平ICから伊勢湾岸道、東名阪、新名神、名神、京滋バイパス、名神、中国道を乗り継ぎ、岡山県の美作ICまで一気に走り、湯郷温泉に着いたのが4時少し前でした。新名神の土山SAで昼食をとり、中国道の名塩SAでコーヒー休憩をとっただけで、四日市IC付近の日常的な渋滞以外はずうっとい~い気持ちで走り続けま した。
湯郷温泉は、美作ICからものの5分ほどの所にあり、案内標識も分かりやすく、カーナビの助けもあって迷うことなくたどり着きました。予約しておいた旅館「竹亭」は温泉街のほぼ中心の高台にあり、旅館街が一望できる大きな旅館でした。
1時間ほど部屋でごろごろした後、フロントで「湯めぐりコースター」を900円で買い、温泉街に繰り出しました。「湯めぐりコースター」は、湯郷温泉旅館の3つのお風呂に入ることができるパスポートのようなものです。ちなみに、どこの旅館の日帰り入浴の料金は1回600円 なので3つ入れば半額で入れることになります。
まずは、湯郷温泉で一番大きな旅館「湯郷グランドホテル」の温泉に入りました。広い温泉でしたが、人も多く、とても活気にあふれたお風呂でした。ただ、僕の隣に入ってきた人が肩から腕全体に青っぽい色の細かなレトロチックな模様の入った人だったので、しばらくして外湯に移動しました。
露天風呂は内湯よりも熱かったのですが、ぬるめのお湯好きな僕でも、内湯に入ってから熱いお湯に入ったので、なんだかいい感じがしました。すると、さっきの肩から腕にかけて模様の入った筋肉質の強面の人がまたまた隣に入ってきました。ちょうど、これ以上入って いたらのぼせてしまいそうなタイミングだったので、再び内湯に移動し、少ししてから出ました。クリスマス寒波で外気は3℃しかありませんでしたが、さすがは温泉の湯です、体の内側からぽかぽかしてきました。
2つ目は、「竹亭」に戻る途中の旅館「にしき園」の温泉に入りました。高級そうな和風の旅館でした。お風呂も落ち着いた感じで、ゆったりと入ることができました。無色透明のお湯ですが、ほんのりと香る温泉のにおいが心を落ち着かせてくれます。そして、すっかり暗くなった旅館街を妻と2人でげたの音を響かせて「竹亭」に向かって歩きました。
晩ご飯は個室でカニすきでした。カニは剥くのが面倒なのですが、山陰のカニは味が 濃く、おいしくいただきました。
寝る前に、「竹亭」の温泉に入り、もう一度体の内側から温めて眠りに就きました。
<12月24日:クリスマスイブ>
9時半にチェックアウトし、コーヒーのサービス券でおいしいコーヒーをいただきました。午前中は、温泉街の散策です。湯郷温泉のホームページにモデルコースとマップがあったので、あらかじめ家でプリントアウトしてきました。
チェックアウトの時に、フロントで各館共通入場券を買い、まずは「鉄道模型・レトロおもちゃ館」に入りました。HOゲージの鉄道模型は、マニアにはたまらない魅力でしょう。広いジオラマの中を、田舎の風景の中では国鉄時代の古い電車やSLが、都市部の風景の中を新幹線や新しいタイプの電車が走っていました。妻はいつの間にか椅子に座り込んでジオラマを眺めていました。妻が、思いのほか鉄道に、とりわけ新幹線のドクターイエローに夢中になっていたのにはびっくりしました。また、43分の1スケールのミニカーもたくさん展示してあり ましたが、これは僕のコレクションも負けていません。僕も、200台以上のミニカーを収集しています。僕は、1分の1スケールの公道を走れるミニカー「ローバーミニ」も持っているのですから。
次に行ったのが「現代玩具博物館・オルゴール館」です。オルゴール独特のアナログ音源の音色がとても素敵でした。おもちゃ館のおもちゃも、不思議な積み木などを実演で紹介されていて、なかなか興味深いものでした。3つ目は「昭和館」です。はっきり言ってガラクタ集めのようなものでしたが、ブリキのおもちゃ、昔のまんが本、古い道具類など、昭和人の僕の年代にはなつかしい品々だらけでたまりませんでした。
散策の最後は、昨日の「湯めぐりコースター」の3つ目の温泉「鷺温泉館」に入りました。日帰り温泉施設で、のんびりと最後のお湯を楽しみました。当然、湯上がりはコーヒー牛乳 です。
クリスマスイブということで、小さなおしゃれなケーキ屋さんでお昼ご飯にしました。もちろん、食後はクリスマス・ケーキです。
湯郷温泉街の散策は、どこを歩いてもとてもひっそりしていて、道行く人がほとんどいなかったのですが、プチ博物館に入ると案外多くの人で賑わっていました。残念だったのが、女子サッカーなでしこリーグのクラブチーム湯郷ベルのグッズをあまり見かけることがなかったことです。サッカー大好き人間の僕は、なでしこJAPANのワールドカップ優勝ブームもあり、すごく楽しみにしていました。それでも、観光案内所に1枚だけ残っていたメンズのTシャツを手に入れることができました。バッジ類やステッカー類などもあれば欲しかったです。
湯郷を出て中国道、北六甲道路を経由して神戸六甲山に着いたのが4時少し前でした。お気に入りのオルゴール館「ホール・オブ・ホールズ」に行き、オルゴールなどの大型の自動 演奏装置のアナログ音の音楽を楽しみ、予約してある六甲山ホテルに行きました。
チェックインをすませ、お目当てのクリスマス礼拝に参加しようとしたら、
「5時からですから、今はじまったところです。」
と言われました。てっきり例年どおり6時からと思っていたので、荷物をフロントに預けて大急ぎでホテルの庭のチャペルに向かいました。
教会では、賛美歌を歌ったり、聖書を読んだり、牧師さんのお話をお聞きしたりしてクリスマスらしいひとときを過ごしました。結婚以来、ほぼ毎年クリスマスはここで過ごしています。僕たち夫婦の年末の恒例行事です。教会でのひとときを過ごすと、この1年間の無事をうれしく感じるのです。それほど信仰心の強い僕ではありませんが、この時ばかりは「神に守ら れて・・・」と思えてきます。
晩ご飯は、夜景の見えるレストランでジンギスカンです。牛肉とマトンでお腹を満たしま した。
<12月25日;クリスマス>
今日の目的地は子ザルのみわちゃんがいる福知山市動物園です。六甲山を下り、六甲北道路で中国道西宮北ICへ、そして、中国道、舞鶴道を乗り継ぎ、福知山ICで出ました。
動物園は三段池公園内にあります。広い公園で、体育館や武道場、科学館や植物園などがあり、駐車場から動物園までの散策路をぶらぶらと公園の景色を見ながら歩くことになります。大雪注意報が出ていたわりにはここまでほとんど雪を見ることはありませんでしたが、やっと少しパラついてきました。
「えっ、これなの?福知山市動物園って!」
予想をはるかに超える小さな小さな動物園でした。とても全国区人気の子ザルのみわ ちゃんのいる動物園とは思えませんでした。なんと言っても、飼われている動物はウサギやニワトリ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどほとんど家畜の類でした。一番大きな動物がロバなのですから。
入ってすぐの手作りっぽい檻に、みわちゃんとイノシシがいっしょにいました。みわちゃんがうり坊の背中に乗って、ロデオのようにして園内を走り回ることで全国的に有名になったのですが、今はうり坊が大人になり立派なイノシシになったため、危険なので園内を走り回ることはしないようにしているそうです。それでも、イノシシとニホンザルのみわちゃんは同じ檻の中でいっしょに仲良く暮らしていました。落ち着きのないみわちゃんは、よくそのイノシシを踏み台にして、檻の高い所へジャンプしていました。それでもイノシシは怒ったりはしません。2匹は仲良しなのです。
ひととおり動物を見て回り、再びみわちゃんの檻の前に戻ると、ちょうどお風呂の時間になりました。飼育員のおじさんに抱かれ、お湯の入ったバケツの中に入れられると、いたずらサルのみわちゃんもすっかりおとなしくなり、気持ちよさそうな顔をしてお湯につかっていました。人間と同じです。時々のけぞるような仕草をしたりして、本当にかわいいおサルさんでし た。その姿は、全国的に有名になったサルとは思えないくらい素朴な感じがして、かわいくてかわいくて、動物園を出るのが寂しい気がしていました。とてもローカルな、派手さがまったくない、ゾウもキリンもライオンもいない、地味な動物園でしたが、だからこそみわちゃんはのびのびとイノシシといっしょに暮らしていられるのかもしれません。
公園のレストランで食事を済ませ、クリスマスの雪景色を見たくて、舞鶴道~若狭道を走って小浜まで行きました。さすがに日本海側の町です。大雪注意報も出ていて、しっかりと雪景色になっていました。
北陸道敦賀ICまで来ると、道路にも積雪があり、雪は一段と強まってきました。高速道路のクルマのペースはとても遅く、米原JCまでほぼノロノロ状態でした。大きめのアラレ、小さなヒョウといった感じの雪も強く降ってきて、クルマに当たる音も大きくなってきました。雪道に対する覚悟を楽しみに変え、長く雪景色を見ていられると思い、のろのろ運転を楽しんで帰ってきました。さすがに時速30㎞から50㎞の高速道路ですから時間はかかりました。それ でも、7時には豊田の自宅に着きました。
湯郷温泉の湯めぐりと温泉街の散策、六甲の教会でのイブの夜、かわいい子ザルのみわちゃんのいる動物園、そして山陰の雪景色・・・。おもしろい3日間でした。