今年も妻と2人、2台のバイクで北海道を走ってきました。
8月12日深夜1:00発の新日本海フェリーに乗るため、11日の夕方から大雨と雷と渋滞の名神を走って福井県敦賀港に向かいました。大変な移動でしたが、うきうき気分の方が上回っていました。12日の夜に苫小牧に着き、その日はホテルコンフォート苫小牧に泊まりました。
北海道ツーリング初日の13日は道内全域で雨。ただただひたすら北を目指して走り続 けました。もちろんキャンプはできないので、安い旅館をさがしました。和寒で道央道を降り、士別~名寄~美深~音威子府と走り、2人とも全身ずぶ濡れになって中川町JR手塩中川駅前の栄屋旅館に泊まりました。単なる雨の日の大移動でしたが、それでも十分楽しいのが北海道です。
2日目の14日は快晴でした。中川町から森の道道を走って日本海側に 抜け、オロロンラインをひた走りました。左手にはふんわりと見える利尻富士。右には広大なサロベツ原野。そして、ノシャップ手前の日本最北の温泉・稚内温泉「童夢」に入ってい~い気持ち。
ここで大事な地図を無くしてしまいました。温泉から出ると親子のエゾシカが仲良く歩いているのを見つけたのです。それを見て、地図を無くしたショックはさっと消えました。妻の地図を使えばいいだけのことなのです。その後、最北端の宗谷 岬に行き、最北端の地に立ちました。何回来ても、感動します。それから宗谷丘陵を走り、この日は猿払公園キャンプ場に泊まりました。青空の下で北の大地を走ったこの日は、まさに今回のツーリングのハイライトでした。晩ご 飯は、キャンプ場の隣の道の駅のレストランでホタテづくし。併設された温泉に浸かり、夜は天の川を眺め、素敵な1日を過ごしました。
3日目の15日も晴れ。青空に浮かぶうろこ雲とすじ雲はすっかり秋の 空。朝からいい感じでした。広域農道エサヌカ線は大草原に一筋の直線路。その直線は地平線まで続いていました。クッチャロ湖で休憩し、南に向かいました。音威子府まで南下し、美深から西にコースをとり、朱鞠内湖を経由して日本海側の苫前まで走りました。その間、100㎞近い距離 の高速ワインディング。そのほとんどが深い森の中。信州ビーナスラインを、さらに走りやすいきれいな道にし、さらに大自然の美しい景色にし、それを数倍の距離に伸ばし、しかも交通量はほとんど無いに等しいくらいなのでずっと自分たちだけのペースで走れるようにしたコースという感じの道でした。美深峠の上り坂ではまるで子猫のようなかわいらしいキタキツネに出会ったりして、「北海道を走ってよかった」とつくづく思いました。
苫前オートキャンプ場に泊まり、ご飯を炊いて「エジシカの角煮」の缶詰をおかずに晩ご飯。隣の温泉に入って気分最高・・・と思っていたら雨が降り出しました。しだいに風が強くなっ てきて、10時を過ぎた頃には台風のような暴風雨。警報が出たらしく、オートキャンパーたちは深夜に退散していきました。僕たちはと言うと、布っきれ1枚のテントの中で怯えながら寝ました。
そして4日目の16日の朝。強風はなかなか収まらず、朝食もとれず、テントも撤収できず。しばらくキャンプ場で待機していました。バイクを見ると、妻のバイクの後輪に大きな釘がささっているのを発見。少し風が収まりかけたところでテントを 畳み、近くのスタンドでパンク修理。ついでにコンビニでパンを買ってずいぶん遅い朝食を済ませて日本海側を南に向かいました。留萌~増毛~石狩市浜益・厚田のコースは海岸と海岸段丘の上を交互に走る景色のいい道でした。そのまま石狩市街の産業道路を走り銭函まで来たところでまた雨。この日は小樽の南の朝里川温泉「かんぽの宿・小樽」に泊まりました。
最終日の17日は午後4時には苫小牧港に着かなければならない日です。定山渓に抜ける道は、ループ橋を渡るとずいぶん高い所から樹海を眺める道でした。北海道に来て初めてヘアピンカーブの続く峠道を走りました。定山渓はどこに渓谷美があるのか分からず、そのまま中山峠を越え、ルスツに行きました。「JAようてい」が道の駅になっていて、思わず留寿都メロン5玉入り1箱を買い、クール便で家に送りました。5玉入りでたったの3600円。夕張 メロン1つ分より安いのです。家に帰って食べたら、ほっぺが落ちそうなくらいうまい!すっかり留寿都村のメロンがお気に入りになってしまいました。ついでに、ここでキタアカリのあげいもとトウモロコシを買ってお昼ご飯にしました。北海道のジャガイモとトウモロコシは特別おいしいのです。
その後、支笏湖の南側を走り、予定どおり4時少し前に苫小牧港に着き ました。太平洋フェリー「ニューいしかり」に5時に乗船し、定刻の7時に北海道を離れました。
わずか4日半あまりの北海道ツーリングでしたが、2人にとってはいいことづくめの旅でした。初日の丸1日降り続けた雨も、苫前の暴風雨も、なぜか素敵な思い出になっています。それが北海道なのです。これから、旅を反芻しながら長編のツーリング・レポートの執筆に入ります。そして、また来年も必ず行きます。