生まれて初めて体験する転職。3月最後の土日は本当に落ち着かない2日間をすごしていました。昼は突然思い立って数㎞先の王滝渓谷の駐車場までバイクに乗って出かけてみたり、夜は妻と二人でぶらぶらと歩いて夜桜を見ながら缶コーヒーを飲みに行ったり、こんな にそわそわするとは思いませんでした。
転職と言っても、教育職ということで職種は同じです。それでもやっぱり、小学校の先生から大学の先生ということで、大きなプレッシャーを感じたま ま4月初旬を過ごしました。
3日に入学式が行われましたが、その前後に各学年の履修ガイダンスや教職に関するガイダンス、教育実習に関するガイダンス、学科(子ども発達学科)会などが行われ、参加する度に新しい発見があり、毎日がとても充実していました。学科の先生方も暖かく迎えてくださり、同期で入った先生方もいい方ばかりで、ほっとしました。担当する12科目のシラバス(年間指導計画)を立てるという大変な作業もあり、小学校にいた時よりも帰りが遅い毎日になっています。小学校では学習指導要領にそって指導しますが、大学は自分で90分×15コマの講義を組み立てていかなければならないのです。専門の国語教育に関する科目や初等教育に関する科目の計画を立てるのは、結構おもしろく感じました。小学校在籍中は歳を重ねるにつれてだんだん事務的な仕事が多くなっていたため、こうした授業を組み立てるといった教育者本来の活動に飢えていたのかもしれません。「子ども発達」ということで、自分がこれまでに長年経験してきた初等教育だけでなく、幼児教育や保育もその範疇に入っています。大学の配慮で、これらの科目は後期開講科目としていただき、経験のない部分は前期に研究を積んで補っていくことになります。
指定の教科書もないので、毎時間の資料も授業者が作成します。授業で使うプリント類 も、小学校で担任を外れてから久しく作っていませんでした。小学生と大学生とではレベルはずいぶん違いますが、若い頃の自分を思い出し、先輩の先生に助言をいただきながら作っていくと、ついつい夢中になってしまい、勤務終了時刻の5時半どころか7時を回ってしまうことさえありました。
学生たちの印象もなかなかいいものでした。見ず知らずのはずの僕に、多くの学生がすれ違う度に「おはようございます」「こんにちは」と声をかけてくれます。こちらからあいさつをすれば、まず100%あいさつが返ってきます。とってもすてきな学生たちです。
月曜日に大学での講義デビューを果たしました。科目は「生徒指導論」でした。「生徒指導とは」という内容で話をしたり、時には「教科の中での生徒指導」ということで、実際の中学校国語科のプリントを通して伝えたりして、ただ僕の話をひたすら聞くだけの講義にならないように授業を組み立ててみました。学生たちの反応は・・・よく分かりません。新米教師ですから、どうだったのでしょう。
通勤は毎日片道約80㎞ほどです。正直、めっちゃ遠いです。県外なのですから。専任講師ですから、毎日、渋滞路15㎞、高速60㎞、一般路5㎞を、1時間40~50分かけて往復しています。初日は気疲れからかさすがにぐったりしてしまいましたが、1週間でだいたい慣れてきました。ただ、3日に一度ガソリンを満タンにしなければならないのには閉口します。それでも、クルマの運転は大好きですから、今のところ気持ちよく通っています。特に、夜の高速道路はなかなか風情があっていいものです。
学生たちに思うことは、せっかく教員免許や保育士資格を取るのだから、何がなんでも教員(保育士)になってほしいということです。だから、講義の中のどこかに、教員採用試験対策になる学習を入れるようにしています。