長万部の水柱と最南端到達でいい気分で迎えた5日目でしたが・・・
立ちごけと台風11号による暴風警報で苦行のツーリングであえなくこの日はリタイア!(長万部~美唄)
<9月6日>
激しい嵐との戦いで壮絶な一日になりました。そもそもその発端は、自分の油断で始まったのですが。
あわわわわ~
ガッシャーン!
宿を出ようとしたところで痛恨の立ちごけ。悲しくなったわ。
ハンドルを右に切って右小回りでスタートしようとしたその時、こともあろうにエンスト!荷物で重心の高いバイクは、そのまま右側にゴロ~ン。地面に横たわる僕のNinjaを見たらかわいそうになってきました。そして、自分自身の自信をちょっとなくしました。油断大敵だわ。宿の人に手伝ってもらってバイクを起こしましたが、右ミラーが根元からポッキリ折れていました。と同時に、僕の心も折れました。
カウルとサイドバッグに傷はともかく、右ミラーなしのNinjaは運転しにくそう。左ミラーと目視で後方確認すればなんとかなるだろうとは思いましたが、走り出してみると右後方の死角多すぎ。まともに走れません。
コースを考え直しました。インターチェンジのすぐ近くにバイク用品店があるところを地図で探しました。そして見つけたのが北広島インター近くの「二輪館」でした。元々、ニセコ、羊蹄山を回ってで北広島に出ようと思っていましたが、今にも雨が降りそう、いや、必ず雨が降る予報の一日なので、せっかくの景色もきっと真っ白な世界になってしまうだろう。いい景色が見られないのなら、このまま道央道で一気に北広島まで行ってしまってもいいんじゃないか。車線変更を極力しないでひたすら走行車線を走れば右ミラーが無くても走れるのではないかと考えました。我ながらいい考えだわ。
「二輪館」は北広島インターを出てすぐのところにあるので、市街地走行もほとんどないから、なんとか右ミラーなしでも行けるだろう。我ながらいい考えだと思いました。ただ、黒松内ICから北広島ICまでの距離は約210km。ずっと走行車線はつらいだろうなあ。
R5を黒松内に向けて走っているとやっぱり雨が降り出してきました。立ちごけで片方のミラーのないNinjaの傍らでカッパを着るときのわびしさ。つらかったわ。そして、走り出すのに、ミラーがないとすごく不便で危険でした。
雨は降り出したもののひどくはならず水滴がシールドに時々付く程度でしたからありがたかった。それでも、台風が近づいてるので天気がよくなることはないだろう。
黒松内ICから道央道に入ると、しだいに風が強くなってきました。海沿いに出て室蘭辺りからは強風でバイクが振られる振られる。ミラーがあったとしても、追い越し車線は走れんわ。室蘭から苫小牧の間は特に怖かった。朝の立ちごけで自信なくしてるし。それでも、内陸に入ったら、風も多少は弱まってきました。
それに、時速80km巡行というのもストレスがたまるものです。雨足が弱まっても、右ミラーがないから追い越し車線に出るのは怖いし、我慢するしかありませんでした。そのうちに、のんびり流すのも気持ちがいいかも、と思えてきました。強風にも慣れ、時速80Kmくらいならそれほど怖くなくなっていました。それに、北海道を走ってる~というだけで楽しいからマル、だんだんそう思えてきました。「どんくさいミスと近づく台風。これも楽しんじゃおう。」ただの強がりを心の中で言っていましたが、本当はミラーのないバイクで強風の中の高速走行はとても怖かったのでした。
お昼少し前に「二輪館」北広島店にたどり着きました。
「純正品は無理ですが、社外品(ナポレオン)なら1時間ほどで着けることができます。」
とのこと。ほっとしました。
ミラー修理中に、近くのとんかつ屋でお昼を食べたら、雨は本降りになっていました。風はますます強くなり、いよいよ台風の接近を感じました。
修理も終わり、またカッパを着、さらにシューズカバーも着けました。
このまま高速で北に向かってもなあ、高速道路だけの一日になっちやうじゃん。それもつまらないから、雨風が強くても行けるところには行っておこう。そう思い、スマホナビを札幌真駒内のモアイ像にセットしました。前々から一度見てみたかったのです、モアイ像。
山道とワインディングを走ること20分。たいしたことはないはずなのですが、雨と風の襲われながら知らない道を走ったので、ずいぶん長く感じました。
おおお~!これ、いいじゃん!
シールド拭い拭いの山道とワインディングは怖かったけど、来てよかったわ。
ゲッ、スマホ覗いたら「札幌暴風警報」だと!これは早く札幌を抜けなくては。
風にバイクを振られながら北広島インターに戻り、旭川方向へとバイクを走らせました。走らせましたが・・・、午前中の強風は道路表示で6m、札幌は更にバイクが左右に振られ、なんと12mの表示。怖いわあと思いながら、ハンドルを持つ手に思いっきり力を入れ、腕を締め、しっかりとニーグリップをし、体をバイクに固定するような感覚で走りました。恐ろしいわあ。
江別の大平原、雨はそれほどでもなかったので景色はきれいでしたが、風は札幌以上でした。風速12mどころではありません。長い橋の上なんて強風でバイクが斜めになったまま前輪がブレて、ズレるんだよ。半世紀もバイクに乗ってるけど、こんなの恐ろしい経験は初めてです。もう、走りたくない。走るのやめたいよう。体はカチカチに固まっているような感覚でした。
恐怖で涙出そう。いや、出てたかも。涙をこらえて、強風でブレるバイクをコントロールしながら考えました。もう走るのやめようと。士別か名寄くらいまで行こうと思ってましたが、これは危険すぎると判断し、岩見沢のSAでピットイン。あの暴風の中で僕を抜いていったハーレー氏がいました。
「ハーレーは横風に強いんですか。」
と、僕。
「必死でしたよ~。早く強風から抜けだそうと思って必死になって走ってたんです」
と、彼。
どちらにしても、軽いバイクはヤバかったかもしれません。僕のNinja650、フロントが風でズレたりしたもん。リアは荷物の加重がかかっていたから、しっかり踏ん張ってくれていました。
妻といっしょじゃなくてつくづくよかったと思いました。妻のバイクは250。飛ばされちゃったりしてたかも、そうなると僕はやもめだよ。怖い怖い。
ピットインで今日のツーリングをやめることはできないので、岩見沢の先の美唄で泊まることにしました。
20分ほどで予約した美唄のゆ~りん館に着きました。まだ4時ですが、辺りは薄暗くなっていました。相変わらず、強風で周りの森全体がゴーゴーとうなっていました。
今日の走行は途中棄権。リタイアです。部屋の窓から台風の様子を覗っていました。よくまあこんな中を走ったものだ。とにかく「怖かった~」
しばらく部屋でだらだらと過ごし、6時過ぎに館内のレストランで名物の美唄とりめしを食べ、10時に温泉に入りました。美唄出身の妻推薦の宿だけあって、お湯のつるつるが気持ちよすぎでした。
グランパスの赤いシャツを着て美唄の温泉をうろうろする僕は、ちょっと浮いている気がしました。
外の洞窟風呂に入ると、暴風が荒れ狂い、周りの広い森がゴーゴーと恐ろしい音を立てていました。台風が近くを通っています。
立ちごけミラー無しで始まった今日一日。えらい一日だったわ。これも北海道だ。
本日の走行310km
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立ちごけと台風11号による暴風警報で苦行のツーリングであえなくこの日はリタイア!(長万部~美唄)
<9月6日>
激しい嵐との戦いで壮絶な一日になりました。そもそもその発端は、自分の油断で始まったのですが。
あわわわわ~
ガッシャーン!
宿を出ようとしたところで痛恨の立ちごけ。悲しくなったわ。
ハンドルを右に切って右小回りでスタートしようとしたその時、こともあろうにエンスト!荷物で重心の高いバイクは、そのまま右側にゴロ~ン。地面に横たわる僕のNinjaを見たらかわいそうになってきました。そして、自分自身の自信をちょっとなくしました。油断大敵だわ。宿の人に手伝ってもらってバイクを起こしましたが、右ミラーが根元からポッキリ折れていました。と同時に、僕の心も折れました。
カウルとサイドバッグに傷はともかく、右ミラーなしのNinjaは運転しにくそう。左ミラーと目視で後方確認すればなんとかなるだろうとは思いましたが、走り出してみると右後方の死角多すぎ。まともに走れません。
コースを考え直しました。インターチェンジのすぐ近くにバイク用品店があるところを地図で探しました。そして見つけたのが北広島インター近くの「二輪館」でした。元々、ニセコ、羊蹄山を回ってで北広島に出ようと思っていましたが、今にも雨が降りそう、いや、必ず雨が降る予報の一日なので、せっかくの景色もきっと真っ白な世界になってしまうだろう。いい景色が見られないのなら、このまま道央道で一気に北広島まで行ってしまってもいいんじゃないか。車線変更を極力しないでひたすら走行車線を走れば右ミラーが無くても走れるのではないかと考えました。我ながらいい考えだわ。
「二輪館」は北広島インターを出てすぐのところにあるので、市街地走行もほとんどないから、なんとか右ミラーなしでも行けるだろう。我ながらいい考えだと思いました。ただ、黒松内ICから北広島ICまでの距離は約210km。ずっと走行車線はつらいだろうなあ。
R5を黒松内に向けて走っているとやっぱり雨が降り出してきました。立ちごけで片方のミラーのないNinjaの傍らでカッパを着るときのわびしさ。つらかったわ。そして、走り出すのに、ミラーがないとすごく不便で危険でした。
雨は降り出したもののひどくはならず水滴がシールドに時々付く程度でしたからありがたかった。それでも、台風が近づいてるので天気がよくなることはないだろう。
黒松内ICから道央道に入ると、しだいに風が強くなってきました。海沿いに出て室蘭辺りからは強風でバイクが振られる振られる。ミラーがあったとしても、追い越し車線は走れんわ。室蘭から苫小牧の間は特に怖かった。朝の立ちごけで自信なくしてるし。それでも、内陸に入ったら、風も多少は弱まってきました。
それに、時速80km巡行というのもストレスがたまるものです。雨足が弱まっても、右ミラーがないから追い越し車線に出るのは怖いし、我慢するしかありませんでした。そのうちに、のんびり流すのも気持ちがいいかも、と思えてきました。強風にも慣れ、時速80Kmくらいならそれほど怖くなくなっていました。それに、北海道を走ってる~というだけで楽しいからマル、だんだんそう思えてきました。「どんくさいミスと近づく台風。これも楽しんじゃおう。」ただの強がりを心の中で言っていましたが、本当はミラーのないバイクで強風の中の高速走行はとても怖かったのでした。
お昼少し前に「二輪館」北広島店にたどり着きました。
「純正品は無理ですが、社外品(ナポレオン)なら1時間ほどで着けることができます。」
とのこと。ほっとしました。
ミラー修理中に、近くのとんかつ屋でお昼を食べたら、雨は本降りになっていました。風はますます強くなり、いよいよ台風の接近を感じました。
修理も終わり、またカッパを着、さらにシューズカバーも着けました。
このまま高速で北に向かってもなあ、高速道路だけの一日になっちやうじゃん。それもつまらないから、雨風が強くても行けるところには行っておこう。そう思い、スマホナビを札幌真駒内のモアイ像にセットしました。前々から一度見てみたかったのです、モアイ像。
山道とワインディングを走ること20分。たいしたことはないはずなのですが、雨と風の襲われながら知らない道を走ったので、ずいぶん長く感じました。
おおお~!これ、いいじゃん!
シールド拭い拭いの山道とワインディングは怖かったけど、来てよかったわ。
ゲッ、スマホ覗いたら「札幌暴風警報」だと!これは早く札幌を抜けなくては。
風にバイクを振られながら北広島インターに戻り、旭川方向へとバイクを走らせました。走らせましたが・・・、午前中の強風は道路表示で6m、札幌は更にバイクが左右に振られ、なんと12mの表示。怖いわあと思いながら、ハンドルを持つ手に思いっきり力を入れ、腕を締め、しっかりとニーグリップをし、体をバイクに固定するような感覚で走りました。恐ろしいわあ。
江別の大平原、雨はそれほどでもなかったので景色はきれいでしたが、風は札幌以上でした。風速12mどころではありません。長い橋の上なんて強風でバイクが斜めになったまま前輪がブレて、ズレるんだよ。半世紀もバイクに乗ってるけど、こんなの恐ろしい経験は初めてです。もう、走りたくない。走るのやめたいよう。体はカチカチに固まっているような感覚でした。
恐怖で涙出そう。いや、出てたかも。涙をこらえて、強風でブレるバイクをコントロールしながら考えました。もう走るのやめようと。士別か名寄くらいまで行こうと思ってましたが、これは危険すぎると判断し、岩見沢のSAでピットイン。あの暴風の中で僕を抜いていったハーレー氏がいました。
「ハーレーは横風に強いんですか。」
と、僕。
「必死でしたよ~。早く強風から抜けだそうと思って必死になって走ってたんです」
と、彼。
どちらにしても、軽いバイクはヤバかったかもしれません。僕のNinja650、フロントが風でズレたりしたもん。リアは荷物の加重がかかっていたから、しっかり踏ん張ってくれていました。
妻といっしょじゃなくてつくづくよかったと思いました。妻のバイクは250。飛ばされちゃったりしてたかも、そうなると僕はやもめだよ。怖い怖い。
ピットインで今日のツーリングをやめることはできないので、岩見沢の先の美唄で泊まることにしました。
20分ほどで予約した美唄のゆ~りん館に着きました。まだ4時ですが、辺りは薄暗くなっていました。相変わらず、強風で周りの森全体がゴーゴーとうなっていました。
今日の走行は途中棄権。リタイアです。部屋の窓から台風の様子を覗っていました。よくまあこんな中を走ったものだ。とにかく「怖かった~」
しばらく部屋でだらだらと過ごし、6時過ぎに館内のレストランで名物の美唄とりめしを食べ、10時に温泉に入りました。美唄出身の妻推薦の宿だけあって、お湯のつるつるが気持ちよすぎでした。
グランパスの赤いシャツを着て美唄の温泉をうろうろする僕は、ちょっと浮いている気がしました。
外の洞窟風呂に入ると、暴風が荒れ狂い、周りの広い森がゴーゴーと恐ろしい音を立てていました。台風が近くを通っています。
立ちごけミラー無しで始まった今日一日。えらい一日だったわ。これも北海道だ。
本日の走行310km
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