相模原大沼には新田開発の頃(享保年間1734~)に創建と伝わる「お稲荷さま」が祀られている。祭神は旧市内では珍しい愛知県の「豊川稲荷」から分霊された「荼枳尼真天」という白狐に跨った女の神様である。今年も初午(新しい年の初めての午の日)の2月12日に「初午祭」がしめやかに行われた。新田開発の守り神から豊作の神、そして講が結成された嘉永年間には生業になっていた炭焼きや養蚕の商売繁盛の神となり集落の人々の厚い信仰を集めてきた。嘉永6年(1853)に講中から幟2本が寄進された記録(中里家文書)が残されている。昭和の初め頃まで続いていた講には、大沼独特の風習が語り継がれている。境内には庚申塔、軍人慰霊碑が建てられている。(2409)
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