町田市野津田町にある町田市立「薬師池公園」の「水車小屋」から当園のシンボル「薬師池」(7,650㎡)脇の「薬師茶屋」と「万葉草花苑」の奥に昭和49年(1974)に移築された「旧荻野家住宅」がある。江戸時代末期、荻野家は笠間藩の医家の出で当地に移り幕末まで医家であった。建物は茅葺で入母屋造り、桁行6間半、梁間4間半である。(建坪146㎡、4つの部屋と2つの土間という間取り)。内部を見ると6畳間にある薬棚は調剤室として使用され、隣の9畳間が診察室、手前の2間続きの部屋が住居部分である。当寺医療を行っていた名残が感じられる。家の向きは農家と違って妻入りで内部の間取りも町屋と似たところがある。外観、内部とも整い、町屋の造りを取入れた農村部の医家の建物として類例の少ない民家である。丁度ひな祭りの季節「雛飾り」、「つるし雛」が飾られていた。(2403)
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